晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 灰に謎あり 4/13

2015-04-13 | 雨読

2015.4.13(日)雨

 前回紹介の「京都学ことはじめ」に森浩一氏と小泉武夫氏の対談が載っており、中に灰の話がかなり出ていた。実はそれ以前に買っていた本なんだが、そのままになっていたのを慌てて読んだ次第である。
「灰に謎あり」ー酒・食・灰の怪しい関係 小泉武夫著 NTT出版1998年7月第一刷発行 古書

表題は楽しそうだが中身は少々難しいところもあるぞ。
面白いもので、「京都学ことはじめ」を読み「灰に謎あり」を読み始めたら讀賣新聞の時代の証言者に小泉武夫氏が「発酵はおいしい」の連載を始め、その中で森浩一氏の話も出てくるというなんとも輪廻のごとくグルグルと話が連なっていくのだ。
 灰というのは現代人にはなじみの薄いものだが、少し以前の生活には必ず身近にあったものである。わたしども子どもの頃にはご飯を炊くにも、風呂を沸かすにも、こたつや火鉢など暖をとるにも灰は生成され、利用されていたものである。それがまあ見事に周囲から消え、桐灰、楠灰なんて死語になってきたのかな。灰が身近にあった昔の人々はそれをいろんな分野で有効に活かしてきた、保温、暖房、醸造、発酵食品、灰汁抜き、食品保存、染色、釉薬、医薬、肥料など枚挙にいとまが無い。
 そういった灰の利用法がこれでもかと言うほど出てきて、専門分野の発酵や酒造の分野ではかなり詳しい内容で書かれている。
 後半では火山の灰や死の灰なども出てきて、とにかく灰に関する百科事典の様相を呈している。
 最も面白かった記事はなんといっても灰屋紹益(はいやしょうえき)に関するもので、灰の取引で巨額の富を築いた元禄豪商の一人である。父の灰屋紹由(はいやじょうゆう)とともに歴史の教科書で見たような気がする。庶民の竈や囲炉裏から出る灰を買い集め、染物屋や焼物屋、和紙製造者などへ卸し財をなしたというから、灰の需要というのは相当なものであったと思われる。父子共に著名な文化人で、特に紹益は井原西鶴「好色一代男」の主人公世之介のモデルだという。
 六条三筋町(島原の前身)の名妓吉野太夫を正妻にし、太夫の死後その遺灰を少しずつ酒杯に入れ、すべて飲んでしまったというからいかにも灰屋らしい。つづく

【今日のじょん】先日散歩から帰ってきてご飯食べて、あれよあれよという間に左の目の下が腫れて、目が開かなくなった。やばいなあと思い心配していたんだが翌朝には何事も無かったかのように治っていた。アレルギーかな?いずれにしても次キャドックさんに行くので写真撮っとけばよかった。


 

 

 

 

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