2019.10.24(木)雨
讀賣新聞の連載記事「時代の証言者」に大木トオルさんの「犬とブルース」がこの夏連載された。変なタイトルだなあと思いつつちょい読みをしていたんだが、ブルースマンとしての歌手活動のところは大して面白くない。ところが犬の話になったら俄然気になる話題が出てくる。掲載される日を楽しみに読んでいたら10月14日に最終回となってしまった。捨て犬で雑種のチロリが優秀なセラピードッグになる話で、最終回になって寂しいなあと思っていたら、かみさんがこの本を探してきた。
「名犬チロリ」 大木トオル著 岩崎書店
切り抜きも一緒にじょんのびに有り、貸し出し可。
読みながらぼろぼろ泣いているかみさんを見て、そんなに悲しい本なのかと思って読んでみたら、やっぱり泣いてしまった。でも一般的には泣くべき本ではないのだが、じょんとのびのことがあるから泣けてしまうのだろう。野犬の子であるじょんと飼育出来なくて保健所に保護されたのびも少し以前の時代なら、さっさと殺処分されて人の家で飼われることはなかった。あれほど人の心を癒やしてくれる犬たちが無情にも殺されていったのだ。
チロリも動物愛護センター(この名称はどう考えても相応しくないのだが)で殺処分寸前までいくのだが、助けられて、日本初のセラピードッグとなるのである。
チロリの一生を読んで、犬たちにも喜怒哀楽の感情があり、慈しむ心や愛する心があることに確信が持てた。そしてそれは飼い主の心に写し写され、ともに深まっていくものだろう。
じょんは心の中に、のびは手の中に。