日本共産党 前箕面市会議員 名手ひろきのブログ

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前箕面市会議員の名手ひろき(宏樹)のブログです。

箕面市の教職員、教育委員ら計150人を、全国学力テスト、トップの秋田県に派遣する予算を計上

2013年06月11日 22時22分00秒 | 市議会
6月11日(火)
箕面市の教職員、教育委員、事務局職員を計150人を、
全国学力テスト、5年連続トップの秋田県の由利本庄市の視察に派遣する予算を計上
日本共産党は、学力テストの点数至上主義で、教育をゆがめると反対


 現在審議中の箕面市の6月市議会の補正予算案に「授業力向上推進事業」 918万円が計上されています。 箕面市教委からの市議会への説明資料では・・・
「全国学力・学習状況調査トップの水準を誇る秋田県由利本庄市」に「全教職員の2割を超える130人の教職員と教育委員会委員・事務局職員計150人」を「6月下旬から7月上旬に5グループに分けて視察」させ、「意識改革を進め教職員の授業力、指導力の向上を目指す」としています。

 なぜ秋田県か?それは、「学力テスト5回連続トップ」だからです。「大阪府の授業の進め方手引書「授業スタンダード」も秋田県を参考に策定されて」いるからです。  
「由利本庄市の取り組みを実施することにより」「意識改革のトリガー」「小中一貫した授業スタイルを今年中に構築する」などとしています。
また、「心豊かな心の醸成」として「黙想の時間」「自問清掃」(黙って掃除をすること)など「規範意識や奉仕の精神」など・・・・「豊かな心の醸成のための取り組みを検討し取り組みます」としています。
 
 秋田県教委によると、秋田県が「学力日本一」といわれる要因は?
①、少人数学級 30人程度学級 ②、TT指導 ③、県独自の学習状況調査 
④、家庭学習    ⑤、適切な時期に補充指導 が行われてきたからです。

 ③の県独自の学習状況調査は、学力テストでは小4年から中2まで全員が対象で、12月に行われ 市町村ごと結果が公表されることもあります。だから、市町村教委もどの市がトップになるか力が入り、事前学習や事後指導がおこなわれます。成績良くない場合、「担任がえ」もおこなわれます。
 ④の自学ノートでは、宿題プリントがだされ、教員は毎日ノート指導がなされます。給食を食べながら○付けや、コメントを書き込むために給食を5分で済ませると現場の教員は大変です。
 ⑤の学力テストのための補充指導では、3月から対策がすすめられ、春休みのそのための課題が多く、新学期には過去問題に挑戦させ、授業をそこそに、学力テスト対策をすすめ、4月の授業の進度に影響がでてもあたりまえになっています。「5年連続学力テスト日本一」の実態です。
                         全教雑誌クレスコ2月号より参考

 2月に由利本庄市の先行して視察にいかれた教職員36人の報告書・感想文の中にも「高校入試に全国学テ問題を入れる。12月の県学力調査問題にも反映させ、単元テスト、定期テストにも全国学テ問題を入れる。長期休業中の宿題として全国学テストの過去問題をおこなわせる」と由利本庄南中学校の校長が説明されたと記載されています。(報告集P32)これが本来の教育のすがたでしょうか?全国学力テストのための学習であり、学力テストのための教育になっているのではないでしょうか?
 学習障害がある児童のいる担任が「A君は点数が取れないからみんなでカバーしよう」と呼びかけたということです。善意であっても「成績で子どもの扱いに差が生じています」学校現場が学力テスト至上主義で、学校現場も知らぬ間におかしくなっているのではないでしょうか? 

 また、報告書の32Pには「受験前の塾や高校を思い浮かばせるような取り組みが、今後、教育現場で広がってゆくことは間違いない」「課題は、子どもが学校を楽しいと思い、学力をしっかり定着させることをどれだけ極限まで追い求めることが出来るかだと思います」と意見も出されています。

 子どもたちに教育を受ける権利 学ぶ楽しさ 何のために学ぶのか 何のための学力か? 教員は、教育行政は何をすべきか、考え行動してゆかなければならないのではないでしょうか。そのことを見えなくさせられ、ゆがめられ、ひずまされて行く全国学力テストやその点数を上げるためのテストは、廃止が必要です。

 教育に必要なものは、一人ひとりが主権者として 豊かに生きる権利があること、よりよく生きる力を教え育む教育です。教育基本法で言われる「人格の完成」とは、生まれた生物としての「ヒト」から自覚的な学習によって「人間」存在へ一個の人間として「自立」独り立ちしてゆくことであり、その過程を促すのが教育の営みではないでしょうか?

 先に視察に行かれた36人の教職員の報告書・感想文には「一番お願いしたいことは1クラスの人数を30人程度にまでして頂きたいのです。それがなければ、どれだけ考え努力しても、絵に描いた餅にしかならない」 報告書P34 との指摘があります。秋田に学ぶと言うなら、まず30人程度学級を学ぶべきです。