2月4日(水)
箕面市国民健康保険運営協議会で国保料の総額3億円の値上げを答申に盛り込む方針を決める
倉田市長は、「箕面市緊急プラン(素案)」にもとづいて08年12月の国保運営協議会において「赤字の解消」を諮問し、「保険料の取立ての強化、保険料の見直し(値上げ)、福祉減免などの見直し」を迫っています。
名手宏樹は、運営協議会委員の一人として、「国保制度は、所得の低い方が多く加入している、社会保障の最後のセイフテーネット、国保料の値上げをするべきでない」との立場で意見を述べ続けてきました。
国保会計への繰り出し金を減らし、
「赤字の解消」のため保険料が大幅値上げ・・・
箕面市では、この2年間5億円の繰り入れを国保会計におこない、保険料を値上げせず、据え置かれてきましたが、「緊急プラン」には「一般会計からの繰り出しの抑制」とあり、4億円に減らされます。さらに24億円近い「累積赤字」を「解消させよう」というのですから、これまで他市にくらべて比較的安く押さえられてきた国保料が大幅に値上げになります。
国保運営協議会の検討資料では「年間3億円の赤字の解消のために1万円の保険料の値上げ」、「6億円の赤字解消には2万円の保険料値上げ」など国保料金の大幅値上げ案が検討されていましたが、4日の運営協議会では、年間3億円の値上げが運営協議会委員の多数の賛成で方針化されました。
一人当たり年間保険料1万円値上げでは、
大阪府内で28番目から7番目に
1万円の値上げが行われれば、保険料は、平成19年度時で、一人当たりの保険料で87,831円(府内33市中28番目)から97,831円(7番目)の保険料に値上がりすることになります。
「中低所得者」に配慮した箕面市独自の2段階料率は当面維持
障害者、子ども軽減は一部見なおし
これまで年間400万円までの「低所得世帯」に所得割料率を6.4%これをこえる世帯は9.1%と「低所得者」に比較的緩やかに設定していた「2段階料率」の廃止も検討に上っていましたが「中所得者への大幅値上げの配慮か」ら「当面維持」としました。
総額3億円値上げ時の一人世帯の保険料の値上げは・・・
例えば年間所得450万円で「3億円保険料アップ試算」で年間保険料が現在33万9千円から41万円3千円へ7万3千円の値上げになります。
総額3億円の値上げで4人モデル世帯では年間6万9千円の値上げ!
市の値上げのモデル世帯の試算では、4人世帯で総所得400万円世帯で「3億円保険料アップ試算」で年間保険料が現在42万8千円から49万1千円へ6万4千円の値上になります。
また、箕面市独自の障害者減免(減免率を半分に縮小)や年齢軽減(22歳から18歳に)も見直そうとしており、障害者減免や子どもいる世帯の保険料の減免制度も改悪します。
年収200万円世帯は最低限度の生活すら困難
例えば年収208万円3人世帯の国保料は、現在でも年間27万7千円これが3億円アップの場合30万7千円に3万円アップに、年収の13.3%から14.7%に上がり、これに介護保険料も上乗せになります。
3人世帯で年収200万円といえば、月16.6万円で生活保護基準以下と考えられます。年約250万円でも月20万8千円、生活保護基準以下の暮らし、これに医療費も3割自己負担・・・ 憲法が保障した「最低限度の生活を営む権利」が奪われています。
「収納納対策の95%へ府内トップへ」と取り立て強化
箕面市では収納率は平成19年度で90%(府内33市中12番目)ですが、これを「93%から95%(1位)にする」としていっそうの厳しい取立て対策「収納対策を強化する」としています。
「払いたくても払えない」 安心して医療にかかれない
こうしたことが合わさって行われると保険料は大幅に値上がりし、払いたくても払えない滞納者がいっそう増え、保険財政は悪化の悪循環になります。結果として皆保険制度はくずれ、市民が安心して医療にかかれず、命すらおびやかされます。
早期発見、早期治療に逆行の健診の有料化は見送り、補助事業を守る
保険・予防事業での人間ドック補助や肺がん・乳がん検診、学童う歯対策は全額無料で行っていたものを一部自己負担・有料化も検討のされていましたが、「予防事業が大事」と意見が相次ぎ、現行制度が守られました。
病気の早期発見・早期治療による医療給費の抑制を進めようとする動きに逆行する動きは止められました。
国保は社会保障としての最後のセイフテイーネット、
国・府・市の財源で支え命まもる市政こそ
そもそも国民健康保険は、他の公的医療保険に該当しない、入れない人々すべてが加入する社会保障、最後のセイフテイーネットです。国民健康保険法1条には「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とあり、保険料を負担できない人への対応をも検討し、実践するのが社会保障の理念です。保険料の負担できない人への保障を行うことが求められているのです。実質的に皆保険に近づける政策的対応が必要なのです、保険から排除された人への政策的対応がもとめられるのです。
異常に高すぎる国保料の原因は・・・
国保財政の構造上の問題
・国保加入者の過半数が無職者 退職者 平均受給額5万円以下(国民年金生活者)
・加入者の平均所得の急激な低下 91年度270万円から05年度168万円になりました。
健康保険加入者の370万円の半分の所得です。
・「構造改革」による非正規労働者の増加
労働者の3分の1 (本来 組合保険・政管保険)
15年間の国保加入者の急速な国保加入者の急速な平均所得の低下
・収納率の低い自治体への補助金カット 06年度では839市町村 総額309億円がカットされました。
・高い保険料が滞納者をうむ、滞納分が保険料へ上乗せ 保険料がさらに上がる悪循環
・一連の税制「改革」が保険料の大幅引き上げ
「扶養控除者の縮小」「老年控除の廃止」「公的年金控除の縮小」「定率減税の廃止」
全国の自治体の3分の1で保険料の値上げがすすめられています。小手先の施策では解決できません。保険料の値上げでは解決できません。国庫負担の大幅な増額で値上げの悪循環を断ち切ることが根本です。
国保財政を健全にする大元は、国の、医療への負担・地方への交付金を増やすことです。さらに市も一般財源でしっかり支え、市民の命を守る市政こそ求められているのです。
●箕面市国保運営協議会とその後の動きの予想日程 あくまで予想です。
08年12月24日第2回
倉田市長 「赤字の解消」を諮問し、「保険料の取立ての強化、保険料の見直し(値上げ)、福祉減免などの見直し」諮問 緊急プラン素案説明 市独自制度説明
09年1月15日 3回 資料提出要望など
1月28日 1:30 4回 協議事項意見集約 滞納対策、広報・PRなど協議
2月4日 1:30 5回 協議事項意見集約 国保料、減免制度、保険事業など協議
この間、事務局で総額3億円の値上げ案を中心に答申書作成
2月19日 1;30 第6回 答申書で値上げ答申を確認、市長に提出
「値上げ答申」をうけての市長が値上げへの政策判断・・・
2月20日からはじまる2月3月市議会で議会での本格的な議論
3月議会で、国保料値上げなどの条例「改正」案の提案 可決?
8?月 国保の本算定で値上げの納付書が被保険者に送られる?