7月30日(土)
第7回目の箕面市「新市立病院整備審議会」の答申案で
「再編統合」と「指定管理制度」の導入が示される
2022年 7月30日箕面市 第7回目の「新市立病院整備審議会」が開かれ、「新病院が担うべき医療機能等」の検討経過がしめされ、移転建て替えで、リハビリ病床50床が認められないため、現在の267床の病床数を「再編統合」で、300から350床に増やすこと。市直営と比較し、市の財政負担が軽減されることから、新病院の運営手法は指定管理者制度を選択すべきこと。整備手法は、コストメリット等も総合的に勘案し、適切な整備手法を選択すべきこと、などの方向での答申案が確認されました。
複数の委員から市民の命を守る理念、制度の担保を求める声
審議会では運営手法について複数の委員から「5年10年経過し指定管理者の独断や部署が将来入れ替わることでガバナンスがどう働くのか」「職員が働きやすい職場になってゆくのか専門家もいれ市のチエックもできるように」「指定管理者制度はべストな方法で決まったわけではない。指定管理者に委ねれば5年10年で変質してゆく、市民の命を守る理念、制度の担保をスタートで確立しておかなければならない」「法人本部の考えと違うなど病院で市民の意向が通らない。市民の要望に応えるための担保が必要」「直営でなくなるときちんとマネィジメントできるのか、病院として対応できるようにすべき」など意見が出されました。答申の最終案は会長に一任されました。
国の「公立病院経営強化ガイドライン」のもとでも
箕面市での「再編統合」
今年3月、総務省は、「公立病院経営強化ガイドライン」を地方公共団体に通知しました。これまでの「再編ネットワーク化、経営形態の見直し」で、「感染拡大時における公立病院のはたす役割の重要性が改めて認識される」とし、「医師・看護師の確保など平時から進めておく必要性がある」としています。国の「ガイドラインの見直し」の中で箕面市では「再編ネットワーク化」が進められようとしています。
この国の「経営強化ガイドライン」は昨年12月の「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」を踏まえたものです。厚労省は、この協議に「地域医療構想」は「病床削減や統廃合ありきではない」とする資料も提出しています。
箕面市「新改革プラン」にもとづく
「再編・統廃合」「運営形態を見直し」の市の姿勢こそかえるべき
全国知事会の代表は「急性期病床を減らす『地域医療構想』の考え方の変更」を主張し、今後の感染症拡大に向け「一定程度余力のある医療体制を」求めています。
全国市長会の代表も「新型コロナに対応できたのは「活用されていないベットがあったから」で「赤字を理由とした病院統廃合は大変な地域の問題になる」と訴えています。
その一方で、国の「ガイドライン」は「公立病院の民営化」「経営形態の見直し、集約化の検討」を自治体に迫っています。
地方の声をきかず、「コロナ禍で自治体病院の果たしてきた役割と今後の地域の命を守る公立病院の役割を果たすこと」に矛盾する方針です。
「地域医療構想」の名で急性期病床削減の計画は中止し、むしろ拡充に切り替えるべきです。待遇改善をすすめ医師、看護師を増やすべきです。
日本共産党箕面市会議員団は、この「再編ネットワーク化による病床削減と統廃合」に反対してきました。「新改革プラン」にもとづく「再編・統廃合」「市立病院の運営形態を見直す」との市の姿勢こそかえるべきです。
指定管理制度の活用なら運営は民間法人で職員は民間職員に
箕面市は「再編ネットワーク化」の豊能2次医療圏内の「対象の12病院を再編病院として抽出し」「アンケートと意見交換」を行いました。6月の6回病院整備審議会でアンケートを実施した12病院名が公表され、そのうち「3病院が箕面市との再編ネットワークに興味あり、3病院が取り組みたい」としています。こうした結果をうけ7月30日の7回審議会の答申には「指定管理制度を選択すべきこと」とされました。
「公立病院として整備に変わりはない」と言いますが、指定管理制度の活用なら運営は民間法人で職員は民間職員になります。公設置でも民間運営になるなら、職員も公務員でなく民間職員に入れ替わると言うことです。
指定管理制度での採算面だけでなく、
デメリットもしっかり調査し、公表を
日本共産党市議団は、指定管理制度を導入した、川西市の議員からお話をお聞きしました。川西市立病院は今年9月から、医療法人協和会が運営する川西市立総合医療センターが開院予定です。
川西市立病院の「再編ネットワーク」では、「急性期病床が市立川西病院250床、共立病院313床、第2共立病院40床の合計603病床あったものが、病床削減によって市内全体で400床に急性期ベットが203床が削減」になりました。「新病院の3割は有料の個室となり、様々な料金の値上げが進められ」ました。また、職員も「元の市の病院職員は令和1年に142人いたのが令和4年に87人に約半分になり、民間の職員が96人から201人に入れ替わり、入れ替わりの過程では、これまでの7:1の看護体制が維持できず10:1の体制にせざるをえなくなった時期もあった」ということです。それでいて「入院外来患者数は平成30年1日平均で入院156人、外来395人から令和3年には入院120人、外来325人に減った」といいます。指定管理制度が進められる中で、「市の北部地域に医療機関を設置するという市との当初の約束も実行されなくなった」また「再編ネットワークの活用で整備費の40%は国の交付金で入る」としていますが、「交付金は、毎年申請し、額も変動し、長期間で安定的に交付されるわけではない」などもお聞きしました。
「再編ネットワーク」「再編統合」では、医療圏内で確実に急性期病床を減らしていこうとするものです。建設起債で国から補助金が取れる、消費税増税を財源とされたものですが、採算面だけでなく、デメリットもしっかり調査し、公表すべきです。
市民の命の砦の役割を堅持し、公立病院を守り、直営での運営を
日本共産党箕面市会議員団は、箕面市立病院が市民の命の砦として果たしている役割をしっかり堅持し、公立病院を守り、直営での運営を求めています。