日本共産党箕面市会議員 名手ひろきのブログ

日本共産党箕面市会議員の名手ひろき(宏樹)のブログです。

第7回目の箕面市「新市立病院整備審議会」の答申案で 「再編統合」と「指定管理制度」の導入が示される

2022年07月31日 00時56分17秒 | 日記

7月30日(土)

 第7回目の箕面市「新市立病院整備審議会」の答申案で

 「再編統合」と「指定管理制度」の導入が示される

 2022年 7月30日箕面市 第7回目の「新市立病院整備審議会」が開かれ、「新病院が担うべき医療機能等」の検討経過がしめされ、移転建て替えで、リハビリ病床50床が認められないため、現在の267床の病床数を「再編統合」で、300から350床に増やすこと。市直営と比較し、市の財政負担が軽減されることから、新病院の運営手法は指定管理者制度を選択すべきこと。整備手法は、コストメリット等も総合的に勘案し、適切な整備手法を選択すべきこと、などの方向での答申案が確認されました。

新市立病院整備審議会/箕面市 (minoh.lg.jp)

 

 複数の委員から市民の命を守る理念、制度の担保を求める声

 審議会では運営手法について複数の委員から「5年10年経過し指定管理者の独断や部署が将来入れ替わることでガバナンスがどう働くのか」「職員が働きやすい職場になってゆくのか専門家もいれ市のチエックもできるように」「指定管理者制度はべストな方法で決まったわけではない。指定管理者に委ねれば5年10年で変質してゆく、市民の命を守る理念、制度の担保をスタートで確立しておかなければならない」「法人本部の考えと違うなど病院で市民の意向が通らない。市民の要望に応えるための担保が必要」「直営でなくなるときちんとマネィジメントできるのか、病院として対応できるようにすべき」など意見が出されました。答申の最終案は会長に一任されました。

 国の「公立病院経営強化ガイドライン」のもとでも

 箕面市での「再編統合」

 今年3月、総務省は、「公立病院経営強化ガイドライン」を地方公共団体に通知しました。これまでの「再編ネットワーク化、経営形態の見直し」で、「感染拡大時における公立病院のはたす役割の重要性が改めて認識される」とし、「医師・看護師の確保など平時から進めておく必要性がある」としています。国の「ガイドラインの見直し」の中で箕面市では「再編ネットワーク化」が進められようとしています。

 この国の「経営強化ガイドライン」は昨年12月の「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」を踏まえたものです。厚労省は、この協議に「地域医療構想」は「病床削減や統廃合ありきではない」とする資料も提出しています。

 

 箕面市「新改革プラン」にもとづく

 「再編・統廃合」「運営形態を見直し」の市の姿勢こそかえるべき

 全国知事会の代表は「急性期病床を減らす『地域医療構想』の考え方の変更」を主張し、今後の感染症拡大に向け「一定程度余力のある医療体制を」求めています。

 全国市長会の代表も「新型コロナに対応できたのは「活用されていないベットがあったから」で「赤字を理由とした病院統廃合は大変な地域の問題になる」と訴えています。

 その一方で、国の「ガイドライン」は「公立病院の民営化」「経営形態の見直し、集約化の検討」を自治体に迫っています。

 地方の声をきかず、「コロナ禍で自治体病院の果たしてきた役割と今後の地域の命を守る公立病院の役割を果たすこと」に矛盾する方針です。   

 「地域医療構想」の名で急性期病床削減の計画は中止し、むしろ拡充に切り替えるべきです。待遇改善をすすめ医師、看護師を増やすべきです。

 日本共産党箕面市会議員団は、この「再編ネットワーク化による病床削減と統廃合」に反対してきました。「新改革プラン」にもとづく「再編・統廃合」「市立病院の運営形態を見直す」との市の姿勢こそかえるべきです。

 

 指定管理制度の活用なら運営は民間法人で職員は民間職員に

 箕面市は「再編ネットワーク化」の豊能2次医療圏内の「対象の12病院を再編病院として抽出し」「アンケートと意見交換」を行いました。6月の6回病院整備審議会でアンケートを実施した12病院名が公表され、そのうち「3病院が箕面市との再編ネットワークに興味あり、3病院が取り組みたい」としています。こうした結果をうけ7月30日の7回審議会の答申には「指定管理制度を選択すべきこと」とされました。

 「公立病院として整備に変わりはない」と言いますが、指定管理制度の活用なら運営は民間法人で職員は民間職員になります。公設置でも民間運営になるなら、職員も公務員でなく民間職員に入れ替わると言うことです。

 

 指定管理制度での採算面だけでなく、

 デメリットもしっかり調査し、公表を

 日本共産党市議団は、指定管理制度を導入した、川西市の議員からお話をお聞きしました。川西市立病院は今年9月から、医療法人協和会が運営する川西市立総合医療センターが開院予定です。

 川西市立病院の「再編ネットワーク」では、「急性期病床が市立川西病院250床、共立病院313床、第2共立病院40床の合計603病床あったものが、病床削減によって市内全体で400床に急性期ベットが203床が削減」になりました。「新病院の3割は有料の個室となり、様々な料金の値上げが進められ」ました。また、職員も「元の市の病院職員は令和1年に142人いたのが令和4年に87人に約半分になり、民間の職員が96人から201人に入れ替わり、入れ替わりの過程では、これまでの7:1の看護体制が維持できず10:1の体制にせざるをえなくなった時期もあった」ということです。それでいて「入院外来患者数は平成30年1日平均で入院156人、外来395人から令和3年には入院120人、外来325人に減った」といいます。指定管理制度が進められる中で、「市の北部地域に医療機関を設置するという市との当初の約束も実行されなくなった」また「再編ネットワークの活用で整備費の40%は国の交付金で入る」としていますが、「交付金は、毎年申請し、額も変動し、長期間で安定的に交付されるわけではない」などもお聞きしました。

 「再編ネットワーク」「再編統合」では、医療圏内で確実に急性期病床を減らしていこうとするものです。建設起債で国から補助金が取れる、消費税増税を財源とされたものですが、採算面だけでなく、デメリットもしっかり調査し、公表すべきです。

 

市民の命の砦の役割を堅持し、公立病院を守り、直営での運営を

 日本共産党箕面市会議員団は、箕面市立病院が市民の命の砦として果たしている役割をしっかり堅持し、公立病院を守り、直営での運営を求めています。


箕面市の公立の稲保育所の民営化と株式会社への委託に反対

2022年07月14日 02時16分10秒 | 市議会

6月13日(水)

 参議院選挙がおわり、6月市議会で討論した内容をなど整理しています。

 現在公立保育所の稲保育所が来年4月から民営化されることになっています。日本共産党はこれに一貫して反対を続けてきましたが、上島市政の箕面市の新アウトソーシング計画にそって昨年11月から選定委員会が開かれ、3月、株式会社アートチャイルドケアを受託法人に決定し、6月の市議会には、建物を無償譲渡、土地を無償貸与を行う議案がだされ、名手宏樹は反対討論を行いました。以下ご紹介します。

日本共産党の名手宏樹でございます。

第53号議案「財産の無償譲渡及び無償貸付の件」に反対し意見を述べます。

 すでに述べられているように、本案件は、来年4月から現在、公立保育所の稲保育所を、箕面市アウトソーシング計画に基づき、株式会社アートチャイルドケアに民営化し、現在の建物を無償譲渡し土地を無償貸与しようとするものです。

 まず、公立保育所の役割は、

①行政が地域における保育に責任を持ち、地域の標準的保育を提供し、地域の保育水準を保つことです。 すべての子どもを受け入れ、地域の保育の質の向上を進めることです。標準的な保育を展開しながら私立の施設と連携することで、私立施設の特徴も鮮明になるのです。

②公立という行政機関の役割を生かし、子育て支援センター等と連携し、家庭支援や地域全体の子育て力を引き上げることです。

③自ら公立施設での保育実践を行い、地域の状況把握することで、行政の保育計画の策定、改善に直接生かすという役割です。

④行政機関として地域の様々な機関と連携し、養育困難な家庭、虐待を受けている子どもへの対応、障害のある子ども、医療的ケアの必要な子どもなどの受け入れを行い、さらに非常時には、地域を支えるセイフティーネットの中心を担うなど様々な重要な役割が公立保育所にはあります。

 それを、新改革プランにもとづき「民間との調整弁」として「公立保育所の役割は終わった」と次々と民営化してゆくことはまさに行政の子育て支援への責任放棄です。

 

株式会社法人は公立保育所の民営化の移管先としてはなじまない

 そのうえで、箕面市の公立の保育所を民営化をすすめてきましたが、今回、株式会社を選定し、土地建物を譲渡するのは初めてのケースになります。株式会社は、基本的に余剰価値を見いだし、利益をうみ出し、株主の配当を増やしていくことを目的としています。これは社会福祉法人との大きな違いです。余剰価値と利益を目的とするのでは、公立保育所の民営化の移管先としてはなじみません。保育士など職員の人件費削減などに向かわざるを得ません。そのため、株式会社を公立保育所の移管先の選定対象から除外した自治体もあります。

人の配置が頻繁に変われば、質の確保も安全も確保できません

 次にアートチャイルドケアの保育理念には、子どもの権利条約にもある、「子どもの最善の利益を尊重する」保育の考えでもある、支援保育の在り方についての記述も少なく、簡潔に書かれ過ぎています。支援児の受け入れについては「現在の稲保育所で受け入れている障害児のお子様は移管後も継続します。加配する職員も規定どおりに配置します」としていますが、職員の研修は、「当社の社内研修と箕面市で開催する研修に参加し、障害児への保育の在り方を学びます」とだけであまりにも簡単です。

 さらに、食育やアレルギー対応等に関しましても、「現在、法人の調理員が調理現場に入って、アレルギー対応、給食の取組等に日々の業務を通じて毎日学んでいる」と委員会答弁にもありましたが、年度初めより、定数の調理員に組み込まれて仕事をされていました。私も現場を見てきましたが、「その後、若い職員が入れ替わった」ともお聞きしています。引継ぎ中に、職員がコロコロ変わっていては業務の引継ぎにはなりません。「アレルギー対応は、口に入るもので、危機管理マニュアルや研修を行っている」「公立同等の質の高い給食の提供の手だてを講じ、質の高い給食をしていただけるものというふうに考えております」としても、現実の人の配置が頻繁に変わることになれば、質の確保も安全も確保できません。

 箕面市全体の保育基準の維持の点でも、公立保育所がこれまで担ってきた水準を民営化により、箕面市の理念をしっかりと受け継いでいくことのできる体制になっているのか、非常に疑問です。

 保育の引継ぎでも、「令和4年4月から令和5年3月末までの1年間、丸々引継ぎの期間として設定」と言いながら、今年5月は現状では月に2回ぐらいで、書類の確認が中心で、「今後、人は増やしてゆく」としていますが、誰が中心になって引き継ぐのか、現場の職員との連携を密にせず本当に綿密な引継ぎは大丈夫なのでしょうか。これまで民営化されてきた公立園であった瀬川、箕面保育所の引継ぎのように十分な手法でおこなわれるのでしょうか。

障害にかかわらず、支援の必要な児童の受入れはできるのか

 先にも述べましたが、「現在の支援児はそのままお引き受けします」ということですが、今後の、新たな支援の必要な子どもとか、要支援児を箕面市として引き受けていかなければいけないときに、今までなら、公立の稲保育所で引き受けてきた支援児を移管後の法人でも新たに受け入れられるようなしっかりと体制がつくられるのでしょうか。応募条件には「支援保育を実施の明記」がありますが、障害の程度にかかわらず、支援の必要な児童の受入れはできるのでしょうか。支援を必要とする子どもたちは、今後も増えるとの前提で、体制を取れるのでしょうか。

現場の保育体制こそが最も重要

 保育・幼児教育センターをつくって、「公立、民間でレベルで共に保育の質を上げてゆく方針」といいますが、保育の水準を上げていくことは期待をしますが、すべてを、新たにできる「保育・幼児教育センター」での研究、研修で解決できるものではありません。

 現場の保育体制こそが最も重要です。この点で、箕面市では公立の1歳児保育の対数を5:1から6対1へと国基準へと改悪してきたではありませんか。市の補助を増やし、公立と民間園で5:1へと戻すべきです。

現在の稲保育所の保育理念を十分に引き継げる確認ができない

 園舎の整備で、リニューアル工事をし、きれいな保育園になっても、働く保育士さんの処遇と保育の質・中味は一朝一夕では積み上げられません。保育体制の確保と保育士の質・中味がともなった保育を確保し、しっかりと引き継ぐというには時間がかかるのです。

 公立保育所の株式会社への民営化の推進とともに、現在の稲保育所の保育理念を十分に引き継げる体制と箕面の保育が引き継げる確認ができないという意見を述べ、この第53号議案財産の無償譲渡及び無償貸付の件に反対の意見といたします。