3章 弁別性・識別性
3-5
形と色で物をわからせる
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解説と背景を追加
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「解説」
生活用品の中身には、もともとの形も色も想像がつかないものが多い。お茶やコーヒーなら、それなりの色をイメージできるが、シャンプーのような人工物になると、元もとの色は見当がつかない。
そこで、容器や包装を使って中身をわからせる、というより、イメージさせなければならない。
シャンプーや洗剤なら「この容器形でこの色で」がほぼイメージできるようになっている。容器のもう一つの役割である、使い方が容器の形に一定の制約をかけているからであろう。
しかし、あまり馴染みのない製品や新製品となると、その容器の形や色のデザインは、かなり難しいものがある。
「背景」
形と色とは、物の基本属性である。その物がなんであるか、すなわち、識別性の重要な手がかりになる。
だからこそ、人工物のデザインでも、形と色とが重視される。
形は使い方による制約があるので、おのずとしかるべき形に収斂していくところがある。
しかし、色については、人工物の場合は、見て気持ちがよい(感性)以外には、制約するものがないだけに、その選択はかなり難しいが、それだからこその趣向を凝らせるところでもある。
写真 桜氏提供