hokutoのきまぐれ散歩

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『にくづき』という部首を知っていますか?

2021-04-22 05:00:00 | 日記
『改めて日本語を考える』その28。今回は漢字である。以前より疑問に思っていたのだが、人の部位の漢字には『月』が付く物が多い。『へん』(左側に着くつくり)が大半だが、それ以外にも胃のように『あし』(下につくつくり)になったりもする。

内臓から挙げると腸、肺、膵臓、肝臓、腎臓、胃、胆嚢、心臓、脾臓と全てに『月』がついている。無いのは食道くらいのもの。

身体の部位も脚、腕、脛,脹脛、太腿、胸、肩、腰、臀、肘、腹、肚、腑、膓とかなりの部分は付いている。部首を調べると『月』と書いて『にくづき』であり、『つきへん』とは一線を画す。
身体の部分なのに『にくづき』で無いのはというと尻、踵、掌、爪先くらいのものである。また、身体に関係のあるさらなる『にくづき』は骨、腫、筋、脂肪、腱、背中、細胞、腺とこちらもまだ多数ある。

しかし、頭にくっついた部位には脳以外にはなぜか『月』は付かないのだろう。目(眼)、鼻、舌、口、眉、耳、髭、髪、唇と全くと言って月はついていないのである。

漢字のへんに注目すると、月のへんには『つきへん』『にくづき』の2つがある。(『ふなづき』も含めると3つ)『つきへん』は星の月に絡む漢字が多く、朧、朕、服、朋など。つくりに月があるのが、明、朗、期、朔などである。しかし、肉体に関係するのは『にくづき』という部首になるが、書き方はほぼ同じ。この2つの部首はいずれも象形文字を由来にする漢字である。『つきへん』は次の図の通り、欠けた月の絵から派生したものである。




さらに『にくづき』も次の図の通り、肉を切った断面の絵から作られた象形文字で結果漢字となってからは同じ様に見える『へん』『あし』となったのである。

もちろん、例外もある。例えば『豚』という字、一見、『つきへん』『にくづき』のように見えるが、部首はいずれでもなく、つくりの方を取って『豕(いのこ)』。これに月がついた漢字。

ただ、『つき』の表すものは『にくづき』同様に切った肉の断面を表す象形文字ではあるが。さらに頭につく部位に『にくづき』が付かない理由は分からず仕舞いである。漢字はやはり難しい。


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