脚本:奥寺佐渡子
監督:細田守
「サマーウォーズ」を三川イオンシネマがやってくれないのでこちらのDVDを借りる。実は何度も借りては観ないで返していた。どうもね、女子高生のゆれる心……とかいうのがしんどそうで。
しかし観てびっくり。日本のアニメが世界に冠たることを実証するような作品だ。原田知世版とは微妙に肌合いが違っていて(知世ファンであるわたしも、軍配はこちらのアニメ版にあげる)、しかしラストで少しリンクしている(ちゃんと出てきますよあの花が)上品さに驚かされる。かなり意識的な映画。ま、わたしの世代にとっては「タイム・トラベラー」をここまで繊細にリメイクしてくれたか、という感慨の方が。
静止した世界のLED信号の色、赤いてんとう虫、高校の廊下における採光の具合など、やるなあ。越えてはならない時間の壁を踏切が象徴していたり、川面をスキップする石がタイムリープを暗示するあたり、奥寺(しゃべれどもしゃべれども)佐渡子の脚本もすばらしい。
でもさあ、日本の高校生の生活って、ほんとにこんなに自由なんだっけ?ほんとにこんなに意識的なんだっけ?来し方をふりかえり、いやいやそんなはずは……と中年男は否定。必死で否定。ただ、史上もっとも走るヒロインという称号はまちがいなくヒロインの真琴に贈られる。ほんと、早く「サマーウォーズ」上映してくれよ三川。やんないと港座で先にやるぞ(写真料は高そうだなあ)。