事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「時をかける少女」(2006 角川ヘラルド)

2009-09-19 | アニメ・コミック・ゲーム

01 原作:筒井康隆

脚本:奥寺佐渡子

監督:細田守

「サマーウォーズ」を三川イオンシネマがやってくれないのでこちらのDVDを借りる。実は何度も借りては観ないで返していた。どうもね、女子高生のゆれる心……とかいうのがしんどそうで。

しかし観てびっくり。日本のアニメが世界に冠たることを実証するような作品だ。原田知世版とは微妙に肌合いが違っていて(知世ファンであるわたしも、軍配はこちらのアニメ版にあげる)、しかしラストで少しリンクしている(ちゃんと出てきますよあの花が)上品さに驚かされる。かなり意識的な映画。ま、わたしの世代にとっては「タイム・トラベラー」をここまで繊細にリメイクしてくれたか、という感慨の方が。

静止した世界のLED信号の色、赤いてんとう虫、高校の廊下における採光の具合など、やるなあ。越えてはならない時間の壁を踏切が象徴していたり、川面をスキップする石がタイムリープを暗示するあたり、奥寺(しゃべれどもしゃべれども)佐渡子の脚本もすばらしい。

でもさあ、日本の高校生の生活って、ほんとにこんなに自由なんだっけ?ほんとにこんなに意識的なんだっけ?来し方をふりかえり、いやいやそんなはずは……と中年男は否定。必死で否定。ただ、史上もっとも走るヒロインという称号はまちがいなくヒロインの真琴に贈られる。ほんと、早く「サマーウォーズ」上映してくれよ三川。やんないと港座で先にやるぞ(写真料は高そうだなあ)。

コメント (2)
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日本の警察その25「夜にその名を呼べば」佐々木譲著 ハヤカワ文庫JA

2009-09-19 | 日本の警察

Photo その24「悪果」はこちら

1992年の作品。叢書ハヤカワミステリーワールドにおさめられていた。なつかしいな、あのシリーズ。風間一輝とか、小熊文彦とか。え?まだ続いてたんですか。失礼。

いくら佐々木譲が警察小説の手練れとして名を売ったとしても、これを“警察小説”というくくりで売るのはさすがにちょっときつい。早川書房の気持ちはわかるけれど、公安がこれほど無邪気なはずはないし。

特定の日に登場人物のほぼすべてを特定の場所(小樽)にあつめ、犯人がめざすものとは……。

途中で犯人はまるわかりだけれど、それを差し引いてもひたすら読ませる。このころから佐々木は警察内部事情を徹底描写していたんだなあ。「夜にその名を呼」ぶタイトルが最後に泣かせます。

その26「暴雪圏」につづく

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