「シェーン」特集はこちら。
◆「麗しのサブリナ」Sabrina(1954 パラマウント)
出演:オードリー・ヘップバーン ハンフリー・ボガート
ビリー・ワイルダーがこの作品の裏話を。
「撮影所に顔を出したときには一頁半のシナリオしかなかった。それで丸一日の撮影に当てなければいけない。時間稼ぎをするしか手はない。そこでヘップバーンのところへ行き、打ち明けた。『セリフをとちってほしい。間違えてほしい。頼む。』そして、事実彼女はやってくれた。こう彼女は訴えた。『頭ががんがんするわ。すこし休ませて』そして15分、1時間と彼女は横になってくれて、おかげで一頁半のシナリオで6時まで何とかもたせることができた。あのとき、気むずかし屋と観られたかもしれないし、頭に穴があいていると噂をたてられても困っただろう。ところが、何も気にかけなかった。平気で私の願いを聞いてくれた。」
匂い立つように美しいヘップバーンは、この作品からジバンシィを愛用しています。
※上映は9月25日(金)19:00からです。
ビリー・ワイルダーの名人技が光る一編。
ワイルダーがシナリオの作法において語るように、第一幕で積み上げたものを終幕で精算するその手法にはたまげます。
ヘップバーンがパリでお料理の勉強をするシーンだけで時の経過をあらわし、後に出てくる卵を割るシーンとつながり、そしてハンフリー・ボガートの社長室でスフレを作ろうとする哀しい場面を際だたせる。ため息が出るくらいうまい。
まあ、撮影中はボガートといろいろとあったらしいんですが、ヘップバーンの美しさがそんなことはどうでもよくしてしまいます。ぜひ。
港座オフィシャルブログはこちら↓
次回は「初恋のきた道」。