すぐれた野球論でもあったアテネオリンピック観戦記「泳いで帰れ」につづき、北京オリンピックでも奥田の悪口雑言が炸裂。星野ジャパンへの意味のない期待感への懐疑が気持ちいい。
だよな、あの五輪で誰よりも臆病な采配をふるったのが星野だった。なにしろ上位チームに一勝もできなかった惨敗ぶりは、どうにもこうにも。
北京市内は警官だらけなんてことはなかったし、福原愛が中国で人気があるのは、彼女の中国語が日本におけるズーズー弁だからだとか、行ってみなければわからない(ということは日本の報道が偏向していたわけか)ことってあるんだなー。
後半は奥田の遠足篇。同い年の人間としては、編集者を大動員したロックフェス初挑戦のくだりが笑えます。どう考えてもこの年令になると、ひとりじゃ行けないもんなあ。
「用もないのに」出かけていく自らへの韜晦が気持ちのいい一冊。ぜひ。