いくらなんでもそれだけの長丁場は……三谷幸喜の最新作だ、つきあってみよう。フジテレビ開局50周年特別企画を、主役を柴咲コウでかまそうというあたりに気合いを感じる。西田敏行は意外なほど退いた役だったし、あふれるほどの有名人との遭遇も、八女(やめ)家の長大なストーリーにはほとんど影響しそうにないあたりがいい(笑)。
佐藤浩市、山本耕史、鈴木砂羽の「新選組!」組の活躍にとにかく期待。第一夜はさっそく佐藤と砂羽があの大河ドラマそのまんまの役柄で笑わせてくれる。外面はどうあれ、弱さをかかえつづける芹沢鴨と、愛した人間に限界知らずに愛情をそそぐ強い女……なつかしいですな。
ま、そんなことを言いつつも、猫を抱えながらボーっと見ていて思ったことは「いやー榮倉奈々って、マジで背が高いんだなあ」とか「高倉健を小栗旬にやらせようと考えたヤツはえらい」とか。8時間をすごすには、特にフジテレビにチャンネルを合わせながら(死語だけど)すごすには、正しい態度ではないかと……すんません言い訳です。
大河ドラマでは抑制されていた「~のちの、○○である」というフレーズの連発も、無名の一族の物語にはフィットする。おそらく、三谷幸喜もほんとうは「新選組!」で、やりたくてやりたくて仕方のなかったことなのだと思う。いやー気持ちいい。
第二夜につづく。