その36「太平記その3」はこちら。
つづく1992年はまたしても戦国もの「信長 KING OF ZIPANGU」。織田信長の一生を一年間かけてみっちりと描こうと……わたし、見てませんでした。まことに不遜なことながら、キャスティングに難ありと。
だって信長役が緒形直人だったんです。いくらミスター大河ドラマ、緒形拳の息子だという話題性があったとしても、これはきついでしょうや。武田信玄を中井貴一が演じたのよりもきつい感じ。
まあ、歴代の高橋幸治(「太閤記」「黄金の日日」)、高橋英樹(「国盗り物語」)、藤岡弘(「おんな太閤記」)、役所広司(「徳川家康」)、石橋凌(「武田信玄」)ほどに男くさくあってくれとは言わないけれど。
おかげで他のキャストもだいぶ若手が起用された。正妻が菊池桃子、側室が高木美保と若村麻由美。あ、お市の方が鷲尾いさ子ってのはいい感じ。
そうだ。ここは「信長協奏曲」のキャストと比べてみるのが一興かもしれない。()内が信長協奏曲ね。
帰蝶(正妻)……菊池桃子(柴咲コウ)
お市の方(妹)……鷲尾いさ子(水原希子)
木下藤吉郎……仲村トオル(山田孝之)
池田恒興……的場浩司(向井理)
明智光秀……マイケル富岡(小栗旬)
柴田勝家……滝田栄(髙嶋政宏)
徳川家康……郷ひろみ(濱田岳)
えーと何のためにやってたんだっけ(笑)。つまりは二十数年前の大河って、いまの月9的なキャストをあつらえたということではないかと。
脚本は田向正健。「武田信玄」のときは壮絶に中井貴一をいじめたようだけど、この年はどうだったのかなあ。
その38「琉球の風」につづく。