第29回「夢のカリフォルニア」はこちら。
うわ、なんてことだ。BSではもう「いだてん」始まってるじゃん。っていうかもう中盤じゃん……畑の草刈り作業に夢中になってました。
ということで8時からの総合テレビで拝見。
タイトルの「黄金狂時代」は、五・一五事件のときに巻き添えを食いそうになっていたチャーリー・チャップリンの名作からいただいているんだけど、むしろ原題のThe Gold Rushにちなんだものだろう。それほどに、ロスオリンピックの日本水泳陣は強かった。しかし、選手村では胃腸がらみのトラブルが……
ここで今回のお噺「疝気(せんき)の虫」につなげるあたりが宮藤官九郎の妙味。おそばが大好きな虫がお腹の中で暴れ回るという、志ん生も得意なネタ(というかあの人はたいがいの噺はやってるくらいレパートリーが広い)。選手村に、ちゃんとそれっぽい虫がいるのがおかしい。
その虫が旦那からお内儀に移って、逃げ場である、えーと、男性の下半身のラジエーター的存在がないので困るというオチ。ちゃんと腹痛が前畑秀子にも起こり、その原因は縁結びのお守りを食べたことによる……選手の個性と落語のマッチング。今回もやるなあ。
志ん生は友人の万朝(柄本時生……佑と兄弟で出ています)が自分の紋付きを質流れしないように毎月お金をいれていることを知り、本業に帰ることを決意。後押しする夏帆がひたすらかわいい。
円熟したビートたけし版の志ん生は、これから読売巨人軍の祝勝会に向かう。師匠、その会にだけは行かないほうが。
オリンピック招致が、ムッソリーニやヒトラーの意向に左右されていることが解説される。平和の祭典のはずが、当時からオリンピックは政治的にねじ曲げられていたことが理解できる。俳優陣では、斎藤工の“受け”の芝居がすばらしい。
そして前畑秀子の200m平泳ぎがスタート。長い一週間になりそうです。まあ、「巨人の星」の星飛雄馬の速球だって、18.44mに一週間かかってましたからね。がまんがまん。
第31回「トップ・オブ・ザ・ワールド」につづく。