PART2「苦痛」はこちら。
「7月21日が投票日か! その日は決められた所でしか投票できないらしいが その日に行けなくても期日前投票ってのが色んなところでできるんだな。身分証明書持ってけばいいんだな!」
これは浅野忠信。
「各政党の政策、公約を聞き、冷静に判断しなければならない。ルールは、我々の投票で決まる」
これは「バイバイ・ブラックバード」(WOWOW)でマツコ・デラックスもかくやと思わせる好演を見せた城田優。
「言いたいことが言えない社会になるのが嫌なので、21日の投開票日まで必死になって発言しています」
これは「いだてん」でドッジボールを日本に導入した可児徳役でおなじみ古館寬治の発言。
芸能人が政治的な発言をすることをこの国の住人はあまり歓迎しない。特に古舘にはネトウヨから「いだてんの宣伝だけしてりゃいいんだ」的な炎上が。
芸能人は人を殺してもいいとする暴論の持ち主であるわたしがこんなことを言うのは矛盾しているが、一般人以上に突っこまれることを期待される彼らに、なぜ政治的発言だけは許されないのだろう。
逆だと思った。
彼らが政治的であることが許されないのは、一般人のおれたちが何を言ってもほとんど何の反響もないのに、彼らが少し自己主張しただけで大騒ぎになることが悔しくて仕方がない人たちが、だからこそ騒ぐのだろう。ずるいぞと。
思えば、参議院に全国区という制度があったときに著名人はひたすら有利で、だから各党がスカウト合戦に血道を上げたのではなかったか。宮田輝しかり、高橋圭三しかり、そして女刑事ペパー(誰もおぼえちゃいないでしょうが)の山東昭子がついに参議院の議長にまでのぼりつめた。
でも冒頭の彼らは政治家になろうなんて毛ほども思っちゃいないだろう。なんか息苦しい、という思いがどうしても発言に向かったのだと思う。当然のことだ。それに、こんな発言に怒るファンを失うリスクもあるしね(そんなヤツらいらない、と思ってるかも)。
PART4「喝!」につづく。