Roy Orbison - Oh, Pretty Woman (from Black & White Night)
PART3「政治的発言」はこちら。
「最近のスポーツ界で私はこれが一番残念だと思いましたよ」
またやってくれました。サンデーモーニングにおいて張本勲氏が、高校野球岩手県予選決勝に大船渡高校の佐々木投手が登板しなかったことに対して。
さっそく炎上したようだが、アマチュアスポーツの指導者たちははたして本音のところでどう考えただろう。
わたしたち観客にしたって、田中将大が楽天最後の試合にまさかまさかの登板があったときに熱狂した人は多かったはず。ドラマとして面白ければ観客は喜ぶ。たとえ彼らの肩がどうなっても。
160キロの速球を投げるからといって佐々木を特別視し、チームメイトのことは無視していいのか、という議論は当然あるだろう。でもそのことをチームメイトたちは怒ったろうか。
大船渡の國保陽平監督はアメリカの独立リーグ出身ということもあって、おそらくはOBたちが激怒したに違いない今回のような決断を行うことができた。でも、多くの指導者はそうはいかない。甲子園出場ともなれば巨額の派遣費が必要とされ、OBの協力なしにそれは集めえない。管理職や事務方はこれからのことを考えて頭を抱えたろう。
ことは張本を批判してすむ話ではない(なかには尻馬に乗って在日差別をかましただけの連中もいただろうし)。この国のアマチュアスポーツとは、かくのごとくまだまだ旧弊なシステムに支えられている。そして、実はそれを支持する層のほうが多数派に違いない。
代表的な考え方を披瀝した張本に多くの喝が寄せられたのはまだ理解できても、選手起用が気に入らないからといって高校の回線がパンクするぐらいの電話をかけてくる、無責任な連中の方が醜悪かつおそろしい。
「神龍(シェンロン)が一つ願いことを叶えてあげるって言ってきたら、迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」
ダルビッシュも思いきったことを言うねえ(笑)。帰国したときにぜひとも張本と論戦をやってほしい。張本のおかげで番組から放逐された江川紹子さんの復讐戦。あ、わたしこそが無責任か。
本日の1曲はロイ・オービソンを。わたしが洋楽を聴き始めたときは「誰それ?」だったけれど、あの映画がすべてを変えた。それにしてもなんだこのバックの豪華さはっ!
2019年8月号「学校の働き方改革その1」につづく。