酒田地区情宣シリーズ。今回は若手向け。
発行は2002年5月27日。
前号表版にあったように、5月14日(火)は新採交流会。
「出てくださいよ。」中村書記長の厳命。
「なんだい新採交流会って。」
「教育センターで新採研やってますから、初日の夜に参加者を県教組が集めて交流の場を設定しているわけです。前からやってるんですよ。」
「へー。で支部長が参加して……」
「新採たちの、組合への好感度上げておかなきゃならないでしょう。」
好感度……それは自信ないな。
で、天童温泉舞鶴荘。隣の出羽路会館の跡地が単なる駐車場に使われている姿は哀しすぎる。少しブルーになりながら正面玄関へ。
「?」
後できいたら旅館の都合らしかったが、表にはどでかく「山形県教職員組合主催・新規採用教職員歓迎コンパ」の看板が。
コンパだぁ?オレはそんなチャラチャラしたもののために100㎞も車を転がして来たわけじゃ…………楽しかった。不覚にもものすごく楽しかった。好感度がアップしたのは新採の方だったし。
だいたい新採とは言え、新卒でいきなり採用された人は少数派。育児との両立に悩む人、長い講師経験や前歴を持った人、他県からやって来た人、いきなり部活の練習試合をまとめ上げるツワモノたち……新歓コンパと油断している場合ではなかったのである。
思えば近頃の新採たちは、ある意味かわいそうとも言える。“石を投げれば同級生に当たる”とまで評される40代~50代の教職員に比べ、少子化の影響をまともに受けて、まず圧倒的に数が少ない。この世代間格差のおかげで、先輩からのスキルの継承が、職場の実践から自ら学び取るよりも、初任研を始めとした官制の研修から“受講”する機会が多くなり、官制である以上、「こんな指導はしてはいけない」「私はこうして成功した」式の“強者の訓導”(受け手の中にはそう感じる人もいるはず)の色彩がどうしてもにじんでしまう。同世代の人間が多い場合に否応なしに行われる日常の切磋琢磨と交流の機会が、初手から失われているのだ。
第一、小学校と中学校間の同世代交流など同じ学区にならなければほとんど無いに等しいし、他管に至ってはもう二度と会わないかもしれない。交流会で酒田の新採者たちに繰り返し「よく顔を憶えておくんだよ。年齢や経歴は違うかもしれないけれど、この人たちが、あなた方の“同期”だ。」と年寄りじみて話したのは、その意味もある。今までにどんなに違う人生を歩み、これから違う未来に旅立つとは言え、同期の連中はやはり一生の財産だ。職場が遠く離れても、「あいつらもがんばっているんだ」という思いは心の支えになってくれるだろう。少ないとは言っても、支えが百人もいるのだ。全県を通じても同期の事務職員がわずか二人しかいなかった私は、早朝の13号線を酒田に向けて走りながら、彼らのことを少しうらやましく思った。
さて、長々と駄弁を弄したのはほかでもない。同じ世代の連中と交流を図り、自分の意志で自らを高めようと思うなら、県教組はその機会を腐るほど(笑)提供していることをお忘れなく。青年部の活発な活動と、元青年部員たちの交流の記憶(人脈とも言う)は、私たち県教組の、何よりの財産なので。
【情宣さかた 裏版Vol.8 2002年5月27日】
画像は「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit(’05 英) 監督:ニック・パーク、スティーヴ・ボックス
イギリス人の苦いユーモア爆発。低予算のホラー古典を徹底的にパクリながら、しかしフォーマットはちゃんといつものウォレスとグルミット。あのテーマソングが大メジャーで流れるだけでうれしい。
むしろ大人がよろこぶクレイ(粘土)アニメ。ぜひ☆☆☆☆