事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

バンクーバー2010 その1~全校放送

2010-02-20 | スポーツ

Katojoji08_2 どうも例によって盛り上がらないなーと開会前は思っていた冬季オリンピック。始まってしまえば熱狂しちゃうのまでいつもどおりだ。

まあ、それでも前回のトリノオリンピックの場合は「トリノドッペル」として特集したんだけど今回はなし。それもさみしいのでちょっとだけ。

山形県人として加藤条治の快挙(本人は満足していないのだろうが)は本当にうれしい。わたしはお昼休みに事務室の奥の方に隠れていたテレビを引っぱり出して熱中した。すいません。しかしメルマガの読者からのレスはそんなレベルではなかった。

>うちの学校では校長室で見るだけでは飽き足りず(?)、今すぐテレビをつけて加藤選手を応援するように全校放送が流れました。

>その日の昼休みにうちの子が放送当番で真面目な全校放送をしたにもかかわらず、加藤選手で盛り上がって、ほとんど誰も聞いてなかったというので力を落としておりました。なんて地味な放送当番。

>給食の時間とぴったりだったため、急遽、お昼の放送は連絡のみになり全校生徒が各教室で給食を食べながらテレビ観戦しました。校長先生はもちろん大賛成でしたよ!

……これもまた教育ですとも(笑)。ITC事業によって大画面テレビが導入された経緯も影響したか。

わたしはタイムアタックの競技が好きなので、フィギュアにはまったく興味がないのだが、妻とふたりで苦笑した織田信成の靴紐ぶち切れ事件と、一気に収束に向かいつつある国母バッシングには言いたいことが山ほどある。うわ。ちょっとだけ、ってわけにはいかないか。PART2につづきます

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続・意外なふたり~御苑に降る雪

2010-02-20 | うんちく・小ネタ

Christmasevej 「女子アナ輩出校」篇はこちら

♯104 坂本龍一 & 塩崎恭久

このふたりは新宿高校で同期。写真家の馬場憲治らといっしょにバリ封をかましていたとか。政治的方向性は坂本と塩崎では極端に離れてしまったなあ。

この新宿高校に竹早高校が改築のために間借りしていた時期があり、そのときに在学していたのがなんと山下達郎。サカモトとタツローが同じ校舎にいたとはね。新宿高校の裏手からは新宿御苑にタダで入ることができ、その雪の情景を歌ったのが「クリスマスイブ」ということになっているが……これはできすぎのような気も。

次回も同級生シリーズ「両国にて」。

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「落語娘」(2008 日活)

2010-02-19 | 邦画

Mimura02 監督:中原俊

出演:ミムラ、津川雅彦、益岡徹、伊藤かずえ

「絶対、真打になる!」と、12歳の時に落語に目覚めて以来、大学の落研で学生コンクールを総なめにしてプロの門をたたいた香須美。拾ってくれたのは奇行三昧で知られる業界の札付き・三々亭平佐だった。一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こしてしまって、寄席にも出入り禁止状態。そんな破天荒な師匠にTV局から、これまで演じた者が必ず命を落とすという呪われた演目「緋扇長屋」に挑む話が舞い込む…。

ミムラ、という女優はほんとうに不思議な存在だと思う。所属事務所(スターダストプロモーション)が強力で、フジの月9の主役に強引に押し込んだ(オーディションで勝ち残ったことになってはいるが)経緯があったので、しょーもねーチンピラなのかと思えば、この作品のように、達者な落語を聞かせる熱演ぶりも見せる。

そのいかにもな熱演をいなす津川雅彦もうまい。作品全体に力みが見えるあたりが惜しい。津川の軽さが全体におよんでいれば、傑作になりえたはずだが。ただ、「タイガー&ドラゴン」「しゃべれどもしゃべれども」「寝ずの番」「の・ようなもの」と、落語ドラマにはずれなし、という伝統は今回も守られた。妙に艶めかしい伊藤かずえもいい。

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「映画が目にしみる」 小林信彦著 文藝春秋

2010-02-18 | 本と雑誌

411rhdfhdhl 21世紀になってから、小林信彦がニコール・キッドマンを中心に作品を選択していることがよくわかります。そして、若いモンたちが映画史にこしゃくな発言をすることに小林が我慢がならないのだとも(笑)。

「シカゴ」の高評価はちょっと理解できないけれど、キネ旬ベストテンとは別の意味で、「公開当時、観客はその作品をどう受けとめたか」の証言者として、これ以上の人はもう双葉十三郎氏しかいないでしょう。

……と、これまた予定稿のようになってしまい、双葉氏は故人となってしまった。今度のキネ旬では小林が追悼原稿をよせているらしいので必読かと。

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「ドーン」Dawn 平野啓一郎著 講談社

2010-02-17 | 本と雑誌

Dawnbc 2033年、人類で初めて火星に降り立った宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、宇宙船「DAWN」の中ではある事件が起きていた。世界的英雄となった明日人を巻き込む人類史を揺るがす秘密とは?愛はやり直せる。(「BOOK」データベースより)

「正しいことを誰かが語っていると感じた時には、決して言葉だけを記憶してはならない。その人間の顔と声とを必ず一緒に記憶するのだ。そして、何度でも思い返しなさい。その言葉がどんな顔とどんな声で語られたのかを……」

しかし時代は可塑整形まで行われている。

「《個人》って言うのは、英語でindividual(インディヴィジュアル)でしょう?これは元々は『分ける』っていう意味のdivideに、否定の接頭辞のinがついて『分けることができないもの』っていう意味なんだよね。ところが、日本語で《分人》って言ってるそのdividual(ディヴ)は、《個人》も対人関係ごとに、あるいは居場所ごとに、もっとこまかく『分けることができる』って発想なんだ。」

平野啓一郎がこの作品で描いたものが、「決壊」とは真逆に、圧倒的なポジティブさだったことに驚かされる。ブッシュの時代へのいらつきが、韜晦では世の中は変わらないと平野に思わせたのだろう。直接的なネオコンへの嫌悪と、社会を変えるためにどうすればよいのか、という歯ぎしりに似た発露がこれでもかとつめこんである。

おそらくはそのことで「若造の青臭いたわごと」と斬ってすれる向きもあろう。しかしわたしは積極的に支持する。韜晦では世の中は変わらないことを、すでにわたしたちの世代は十分に知っていたのではなかったか?

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「たみおのしあわせ」(2008 スタイルジャム)

2010-02-16 | 邦画

Tamionoshiawase02_2  脚本、監督:岩松了

出演:オダギリジョー、原田芳雄、麻生久美子、大竹しのぶ、小林薫忌野清志郎石田えり

オダギリジョーのフィルモグラフィを見ると、彼が意図的に“変な映画”を選択していることがわかる。メジャーな作品で消費されていくことを避けている、というより、作り手の才能だけを信用しているようなのだ。だから必然的に低予算で、味わいとしてアメリカンニューシネマっぽい映画の出演が続くし、自らもそんなイメージに規定されたがっているようだ。

「たみおのしあわせ」もまさしくそんな作品。麻生久美子と岩松了という「時効警察」メンツにかこまれながら、気弱で、何かを常に怖れている青年をオダギリは達者に演じている。

で、例によって岩松演出のこともあって変な作品になっている。妻の死以来、男手一つで息子を育ててきた父親(原田芳雄)の願いは息子の幸せな結婚。その願いがかなう結婚式の日、親子はとんでもない行動に出る……

不親切な演出なので、特定のシーンを見逃すとわけがわからなくなる。父親が麻生久美子にもらったネクタイを急いで隠す場面とか。

キーになるのは亡くなった母親で、オダギリが麻生に欲情を感じるのは母親の浴衣を着せたときだけだし、某アメリカンニューシネマの有名なシーンを模したラストで、父子は母親のあとをついていく。あの畑が象徴するものを考えれば、彼らの行く先は死でしかないのだが……

嫉妬深くて尻が軽い、つまりどうしようもないヤクルトおばさんを大竹しのぶがリアルに演じていてこわい。父子が現実から逃避したくなる背景をどっしりと演じておみごと。

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刑事コロンボを全部観る~Vol.14「偶像のレクイエム」Requiem for a Falling Star

2010-02-15 | テレビ番組

Anne_baxter02 Vol.13「ロンドンの傘」はこちら

 ロンドン出張から、フランチャイズであるロサンゼルスに帰ったコロンボ。それどころか今回は「刑事コロンボ」が製作されているユニバーサル・スタジオが舞台。

 なにしろ犯人は、子役時代から大スターで、スタジオのボスと結婚したものだから自宅が撮影所内にある女優という設定なのだ。演ずるのはアン・バクスター。「イヴの総て」で上昇志向の強い新人女優を演じ、今は映画の現場から遠ざかってテレビでしのいでいる……ってこれは本人と役柄がシンクロしまくっている。さすが大女優。どんな役でもこなしてみせるってわけだ。役名がノーラ・チャンドラーってあたりは確信犯だな。

 おまけに仲良しのデザイナー、あのイーディス・ヘッドを本人役で特別出演させる余裕。ずらりと並んだオスカー像はきっと本物。それに、「イヴの総て」でマリリン・モンローと共演している関係から、コロンボに部屋を見せるときに「それ、マリリンの自筆だから」いやー大女優。

 ロサンゼルス、そしてハリウッドに殺人はぴったりだ。殺人は一種の演技であり、爛熟した街にお似合いではないか。特に撮影所には世間とは違った常識と権威が存在し、夢の場所でしか生きられない人種もまた数多い。

 今回の犯行は、冷静になればおよそ陰惨で救いのないものだが、被害者がこれまでで最低の人間であることと、撮影所が世界の総てとして育った人間が行った愚行として、ある程度理解できるつくりになっている。

 女優が現在演じているのも犯罪劇。彼女は言ってみせる。

「あほらしいじゃない?手錠をかけられる間、ずっと待ってるなんて」

 コロンボの脚本家がどんな思いで書いたかを考えると笑える。

 倒叙形式なので犯人は最初から明かされている。でも今回は

・犯人は、本当は誰を殺したかったのか

・なぜ、犯人は撮影所から出ようとしないのか

……という二つの謎がしこんであり、ちょっと味わいが違う一編になっている。そのためか、コロンボはこれまででもっとも暗い顔で犯人を逮捕することになる。

Vol.15「溶ける糸」につづく

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龍馬伝~第7話「遙かなるヌーヨーカ」

2010-02-14 | テレビ番組

Lilyfrankie02 第6話「松陰はどこだ?」はこちら

不明を恥じます。視聴率オタクなはずなのに、前回の視聴率は25%超どころか21%台。あの亀田戦(興味がないので兄だか弟だか)が裏にあったとはねえ。

坂の上の雲」の初回にしても、「内藤VS亀田」戦に影響されたらしいし、いったい何でまた日本人はあの見苦しい親子が好きなんだか(嫌い、という意味で観戦する人も多いわけだろうけどね……実は好き?)。

いやしかし今回はよかったですなー。
マジで泣いちゃいましたわたし。
年をとってからの子ども(=龍馬)をひたすら心配し、その華開くときを見ることが出来ない諦念と、だからこそ江戸に行って大きくなって帰ってきた息子への誇りを、児玉清は鼻水流しながら力演。比較するのもしんどいけど、亀田親子にもあの節度というものがあれば……

ほとんど福山雅治は脇役あつかいに見える。けれど、みんなに愛された人間にしかできないことがある、という“庇護される龍馬”を表現する意味で、彼以上のキャストはいなかったかもしれない。

で、リリー・フランキー大泉洋。それぞれが癖のある歴史的人物を演じるのかと思ったら、いきなりセットかよ(笑)。ストレートな家族ドラマのすぐそばに、彼らを置くことで味わいが深くなっていることは確実。児玉清のそばで“あの絵”を描き始めたリリーの、最初のタッチを見たとき「まさかおでんくん描くんじゃないよなっ!」と思いませんでした?絶対にねらってたよなーあれは。

北(北海道)と南(九州)に生まれ育った両極端なふたりが、これからどんな風合いをこのドラマに加えてくれるか、まっこと楽しみぜよ。

今日の収穫はもうひとつ。人生を“使い切る”という発想。人生の半ばにして暗殺される龍馬と、金を儲けたい(立派な考えだと思う)というコンセプトで生き抜いた岩崎弥太郎を主人公にすえた福田靖の基本に、それはあるのだろう。

第8話「弥太郎の涙」につづく。こりゃ、三菱の社員は必見か(笑)。視聴率は、オリンピックとサッカー「日本VS韓国」戦があったから……いや在宅率は高かったはずだし、今は誰もサッカー日本代表を応援してないから(みんな“彼”の下で戦うことが嫌なんでしょう?)、ふたたび24%超と読みました。

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「死なないぞダイエット」 北折一著 メディアファクトリー

2010-02-14 | 健康・病気

4776204495 糸井重里絶賛のダイエット本。確かに説得力はある。わたしの「わがままダイエット」(体重のExcelデータをメルマガ読者に全部公開。一年半で17㎏おとしました)とは、まさしくこの「計るだけダイエット」だったわけだと納得。

でもね、著者(NHK『ためしてガッテン』のディレクター)はまことにお人柄だとは思うけれど、やはり勝者の訓導、というイメージは払拭できない。ハウツー本を読む習慣がないので、こちらが慣れていないだけなのだろうか。

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「新・垂里冴子のお見合いと推理」 山口雅也著 講談社

2010-02-14 | ミステリ

51chzhlj0zl 垂里家最大の懸案事項。それは長女・冴子の結婚問題!小説家を志し、毎日、原稿ばかり書いている冴子だが、周囲からは次々とお見合い話が舞い込む。それでも、やっぱり、お見合いするたびに事件に巻き込まれ、お相手そっちのけで謎を解くはめに!はてさて、今回の冴子のお見合いの成否は、そして事件の行く末は。

うーん。冴子さん、とりあえずやることが無茶で抜けまくってます。お見合いをするたびに犯罪にまきこまれてしまう不幸な(そして笑える)観音シティ物語の久しぶりの新作。

日本中で“婚活”なるフレーズが語られる時代における、冴子さんの諦念はリアリティをもつようになってしまった。垂里(すいり)家の悩みは深い。

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