事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ガイ・リッチー三昧6「シャーロック・ホームズ」「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」

2023-01-21 | 洋画

「スウェプト・アゥエイ」篇はこちら

大当たりと大コケを繰り返すガイ・リッチー。そんな彼にチャンスが巡ってきた。「ダイ・ハード」や「マトリックス」で知られるジョエル・シルバーが製作するホームズ映画の監督に抜擢されたのだ。

ロバート・ダウニー・Jrジュード・ロウがホームズとワトソンを演じる大作で、予算もこれまでの作品とはけた違いだ。だいじょうぶかリッチー。

このギャンブルにリッチーは大勝する。二作品ともに世界中で大ヒット。内容も評価され、リッチーの名も上がった。

しかしこれが本当にシャーロック・ホームズの映画化か、と言われれば確かに“エキセントリックな探偵がアクションを展開する”だけで、推理関係がちょっと弱い。もちろんコナン・ドイルの原作も、実は推理よりも冒険の色彩が強かったわけだけれども。

しかしリッチーらしさは横溢していて、無駄に見えるシーンが最後に生きてくるあたり、うれしくなる。

だいたい、わたしもホームズの大ファンだから、ベイカー街221Bにハドスン夫人がいて、レストレイド警部が「おみおくりの作法」のエディ・マーサンなのもうれしい。

ワトソンの婚約者メアリーがケリー・ライリーで、悪女アイリーン・アドラーがレイチェル・マクアダムスなのは逆にしたほうがイメージキャストだけどね。さすがハリウッド大作だからライヘンバッハの滝はわたしが想像していたよりもかなり大きい。

さて謎なのは、なぜこんなにヒットしたし、原作でも「シャーロック・ホームズの復活」が描かれているのに、三作目が作られなかったかだ。なんか、あったんでしょうねえ。

「ジェントルメン」につづ

 

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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」Spider-Man: No Way Home(2021 SONY)

2023-01-20 | 洋画

ホームカミング」「ファー・フロム・ホーム」ときて、トム・ホランドがピーター・パーカーを演じた三部作はすべてタイトルに「ホーム」が入っているわけだ。

スパイダーマンの映画を(スパイダーバースも含めて)全部観ていることから、ちょっとこの展開に近ごろ見始めた客はついてこれているのかなと心配。

と同時にちょっと自慢。わたしのブログはスパイダーマンからスタートしているしね。

歴代のスパイダーマンと歴代のヴィラン総出演って、ウルトラ兄弟ですか、仮面ライダーですか。だいたいウィリアム・デフォーって何回出演してるんですか(笑)。

大晦日に、テレビがつまらなそうだったのでこれを借りてゆっくり見てました。

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明細書を見ろ!2023年1月号「センセイの不祥事Ⅱ」紙上校内倫理委員会⑧

2023-01-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

センセイの不祥事Ⅰはこちら

県教委も不祥事の多発への対策として、校長、中堅教員、若手教員の12名で現場教員会議を設け、意見交換をしています。そのなかで、多忙やストレス等が(不祥事の)間接的要因になる場合として……

・社会の中で教員として要求されることが多くなり、ストレスがたまる。

・思うように仕事が進まない時に焦りが生まれ、ストレスとなる。

・土日も部活動で疲れがたまり、回復しない。また、過剰な期待がつらい。

……などと考察されています。それではそんなストレスから脱却するにはどうすればいいのか。

偶然ですが、先日わたしは某所で「学校事務職員に向けてのメンタルヘルス」という、挑戦的な(笑)タイトルの講演を聴く機会がありました。

講師は、東北中央病院の主任臨床心理士にして公認心理士の古澤あやさん(スクールカウンセラーだった経験もあるそう)。

彼女は最初にこう解説しました。

・ストレッサー(ストレスの原因)には、温度や騒音などの物理化学的ストレッサー、交通渋滞などの生活環境ストレッサー、そして人間関係などの心理社会的ストレッサーがあるけれど、それはネガティブなものとは限らない。結婚などのポジティブなものもストレスの原因になりうる。

・ストレスを感じたときに、自分がどんな反応を示すのかをまず知ることが大切。知ることで、自分のトリセツを作成することができる。

・コロナ禍の緊張状態のなかで、ストレス反応は複雑化しやすい。解放されつつある街の雰囲気と、学校という業界の差は大きい。

そして、若手には若手のストレスがあるけれども、経験を重ねればすべて解決するかというと、後輩を意識するあまり「今さら聞けない」と相談がおろそかになり、業務を抱え込み不調をきたすことがあるそうです。なんか、わかります。

それでは40才から65才までの中年期以降はどうかというと、まわりを見渡して「自分だけがどうしてこうなんだ」と考えこむことが増えるとか。ふむ、確かに。だからメンタルヘルスをどう保つかが課題だと。

人生の正午を過ぎ、方向性を見失いがちな中年期以降は、カウンセリングもひとつの選択肢として考えてほしいということでした。場合にもよるけれども、人に話すということがだいじなのだと。

さて、人生にはさまざまなイベントがあって、それぞれにストレス度数がついている。最高は配偶者の死の100。以下、離婚73、近親者の死63とつづく。

まったくストレスがないことがいいとは限らないらしいのだが、メンタルが不調になると、出てくる症状にはうつ病だけでなく、アルコールや買い物などの依存症、認知機能の低下による事故やミスの増加などがあるそうです。以下次号

画像は「竜とそばかすの姫」(2021 東宝)脚本・監督:細田守

ネット上のアバターと現実がお互いに影響し合い……ってこれは細田の旧作「サマーウォーズ」といっしょじゃないの。でもストーリーが進むにつれ号泣。そして調子こいてまた「サマーウォーズ」を見たらもっと号泣してしまったのでした。メンタルやられてるのかな。

 

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20000キロ

2023-01-18 | 日記・エッセイ・コラム

「伍長さーせん、またブレブレ画像な上に燃費が15.9キロだからなにか?」

「よく見てくれえ。通算で2万キロ走ってたの。おつまみを買いに行ったスーパーの駐車場で気づいたの」

……このクルマを買って二年弱。つまりは一年で1万キロしか走ってないってことだ。

娘が住む米沢とあきれるほど往復しているのに。むかしは週一で山形と往復しているようなものだったのにな。

あ、違う違う。チャリ通することが多くなったってことよね。そうだそうだそうに決まった。

まもなくクルマ特集もやります。

うどがわら人形篇につづく

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どうする家康 第2回「兎と狼」

2023-01-17 | 大河ドラマ

第1回「どうする桶狭間」はこちら

じりっじりっと豪華なキャストのお披露目がつづく。家康のお母さんが松嶋菜々子で、信長がジャニーズの先輩である岡田准一、徳川四天王にはイケメンをそろえるようだし、イッセー尾形の怪演もうれしい。続々と登場するものだから、あの野村萬斎が初回で退場するぐらいだ。

ん、でも今回のキーパーソンである松平昌久を演じているのは地味目な人だなあ……なんと東京03の角田晃弘でした。「大豆田とわ子と三人の元夫」でいい味だしてたのに、メガネを外すとさっぱり。というかあのドラマは三人ともメガネをかけていることで最終回が盛り上がったのだけれど。

ラストの紀行のナレーションを松重豊に担当させ、思いきり「孤独のグルメ」しているのも考えてあるし、まさか毎回ではないだろうが松本潤を登場させるのも意表をついた。どうやら本気で大河に新しい風を吹かせようともくろんでいるようだ。

脚本の古沢さんは、視聴者を離さないようにバランスをとっている。へたれな家康であることは基本線だけれども、それだけでは大河ファン、松潤のファンは納得しないだろうと、裏切り者の昌久に盛大な啖呵を切ってみせる。ま、陰ではやっぱりうじうじしてしまうのが愛敬だけれど。

信長との関係性がこれから強調されるのだろう。1回目で見せた家康の強さは、信長との格闘によって体得したのではないかと思わせる展開。まあ、「SP」や「ザ・ファブル」での岡田准一の圧倒的な体技を見れば、勝てるわけがないと誰でも思う(笑)。確かに、兎と狼だ。

そして誰でも思う。最後に勝つのは兎だと。亀のようにゆっくりと歩いた兎だけれど。

歴史好きには、家康の旗印である「厭離穢土欣求浄土」について、そういう解釈できたかと思わせてこれはこれで正解でしょ。さすがにこれはコピペしました。

にしても、ジャニーズ揃いなので画像には苦労しそうだ。あそこは絶対にネットに画像を流布させないからなあ。

 

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追悼高橋幸宏 U.T - Yellow Magic Orchestra

2023-01-16 | 音楽

U.T - Yellow Magic Orchestra

朝刊を開いてびっくり。波平さんかおれは。

高橋幸宏が亡くなったとか。

アナログな人間である妻の方が先に知っている。呆然とする。

坂本龍一の方が予告されているだけにまだ理解しやすい。なんで幸宏?

YMOという、いやテクノというジャンルにおいて、彼の正確無比なドラミングは明らかに二律背反を成立させていた。だってノリがよかったじゃん。

細野晴臣がこの三人のコラボが世界一だとうれしがったのもわかる。

代表作はやはり「ライディーン」だろうか。

この、田舎くさいとまで言えるキャッチーなメロディはさすがだと思う。YMOが売れたのはそんなメンタリティが確実に影響していた。一作目が「テクノポリス」で、次が「ライディーン」なのは天の配剤だった。RIP

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ガイ・リッチー三昧5「スウェプト・アウェイ」Swept Away(2002 SONY)

2023-01-14 | 洋画

「リボルバー」篇はこちら

特集の順番がめちゃめちゃでごめんなさい。これはガイ・リッチーにとってメジャー作品3本目。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」の評価が高かったのに、この「スウェプト・アウェイ」はボロクソに言われている。興行も大コケ。当たりはずれが大きい人なんだなあ。

実はこの作品はリメイクです。オリジナルは70年代に大評判だった女性監督リナ・ウエルトミュラーの「流されて……」。ちなみにリナは、イタリアからアメリカに進出したのが仇になった記憶があるんだけど。

ストーリーはこうだ。大金持ちの夫とバカンスに出かけたアンバーは、地中海の真ん中で船の乗組員のジュゼッペとともに無人島に流されてしまう。船の上では高慢ちきなアンバーだったが、島では立場が逆転。ジュゼッペに服従することになってしまう。しかしそのうちに二人に愛が芽生え……

オリジナルよりも甘い展開にしたことはいいにしても、これまでのガイ・リッチーらしさがほとんど見られない。

お話から言って例の時制を右往左往させる手は使えないし、舞台も無人島だからカットの数も増やせない。いったいどうしてこんなお話をやろうということになったのだろう。

しかも、製作はリッチーの友人で、あの「キック・アス」や「キングスマン」のマシュー・ヴォーンなのに。

まあ、気持ちはわからないではないですけどね。なにしろヒロインを演じているのが奥さん(当時)のマドンナですから。ただねえ、彼女は筋肉ムキムキだし、あまり女性っぽくないので、この役には合ってなかったと思う。DVDの特典映像を見ても、このふたりは長続きしないであろうことがよーく理解できました。

ジュゼッペを演じたのは、オリジナルで主役を演じたジャンカルロ・ジャンニーニの息子アドリアーノ。いい顔してるんだけどいまどうしているんだろう。っていうかこんなお話は今では政治的に正しくないからやっちゃいけないでしょ(笑)

あ、画像のもうひとりの女優は「氷の微笑」のあの人ですね。

シャーロック・ホームズ1&2篇につづく

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ガイ・リッチー三昧4「リボルバー」Revolver(2005 アスミック・エース)

2023-01-13 | 洋画

「スナッチ」篇はこちら

ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムは相性がいい。リュック・ベッソンとジェイソン・ステイサムも相性がいい(「トランスポーター」とか)。

しかしガイ・リッチーとリュック・ベッソンとジェイソン・ステイサムが組むと非常に困ったことになる。それがこの「リボルバー」。

脚本はベッソンとガイ・リッチーのふたり。ジェイソン・ステイサムはギャンブラーという設定。彼はカジノの経営者(レイ・リオッタ)のせいで7年間も投獄されてしまう。その7年間、ステイサムは両隣から詐欺の手口を教え込まれる。出所してすぐにカジノに乗り込み、大金をまきあげることに成功するが……

よくわからないのはここからなのだ。

・ステイサムは余命3日間だと医者に宣告される

・その、まもなく死ぬであろうステイサムを“救う”ために二人の男が現れる

・二人組は全財産をよこせと迫る(ほら、だんだんわからなくなってきたでしょ)

・そのうえ、ステイサムに借金の取り立てを行わせる

・経営者はステイサムに向けて殺し屋(マーク・ストロング)を送りこむ

・なんとステイサムの病気は誤診であることが判明!

・ステイサムと経営者の心の声が交錯をはじめ……

形としてはいつものガイ・リッチー映画だけれど、どうもわけがわからない。実存とかそんな方面に話が進んでしまうのである。病気という設定もまるで生きていない。

どうやらちゃんとした映画にするつもりはなかったんだろう。観客は放り出されて終わる。おまけにスタッフロールは無し。いろんな事情があったんでしょう。ハリウッドだったら絶対に許されない(製作はイギリスとフランス資本)。

とりあえず、髪のあるジェイソン・ステイサムはめちゃめちゃ違和感ありました。

日本には同名の藤田敏八監督、沢田研二主演の傑作があるのでみんなそっちを見てよ。原作は佐藤正午です。

「スウェプト・アウェイ」篇につづく

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追悼ジェフ・ベック Jeff Beck - Pork Pie Hat

2023-01-12 | 音楽

Jeff Beck - Pork Pie Hat

Yahoo!のポータルサイトでお天気をチェックしようと思ったら、ジェフ・ベックの訃報が。

「うわージェフ・ベック死んだのか」

もちろん世代が違う事務補助はなにも反応しない。きっと三大ギタリスト(そんなくくりだって初めて知った)のエリック・クラプトンやジミー・ペイジが亡くなっても同じことなんだと思う。

わたしにとってジェフ・ベックは、圧倒的に「ワイアード」と「フラッシュ」の人だったが、先輩ロックファンたちには違う風景があったかも。

78才。

どうしてだろう。ロックアーティストにとって、若死にだなと思ってしまう。

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「日本SF精神史」長山靖生著 河出書房新社

2023-01-11 | 本と雑誌

2022年最後に読んだ本。尿酸値を下げるために通う医院の待合室で読んでいたらやめられなくなる。

「血圧測りまーす!」

あ、はいはい。

著者は地方に住む歯科医だとか。在野の研究者というわけだ。

いやはやしかしおそろしく面白い通史。明治期の娯楽小説のありようなど、まったく知らなかったことがてんこ盛りにつめこんである。

また、星新一小松左京以降のSF界がどのように移り変わったのか、マジでお勉強になったのでした。すばらしい。

古本の蒐集が結実し、ちゃんと評価されているあたり、この業界(どの業界?)はまだまだいける。まあ、毀誉褒貶はあるのかもしれないけれどあの業界は(どの業界?)。

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