ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

RAWデータをすべて失う

2018-01-28 20:22:01 | 風景写真

 RAWデータとは、デジタル一眼レフ等の高品位な写真編集を行うためのファイル形式で、画像データの素材である。筆者は、デジタル一眼レフでの撮影時は、すべてRAWデータだけでカメラ内のコンパクトフラッシュに記録し、帰宅後にPCに取り込んでLightroomで現像しているのだが、27日から28日にかけて撮影した風景写真およそ200枚を現像しようと、いつものようにコンパクトフラッシュをカードリーダーに付けてPCにつないだところ、「デバイスに異常がある」とかで取り込めず、結局、撮影したRAWデータすべてが消えてしまったのである。

 27日17時に自宅を出発。向かった先は信州・開田高原。まずは、気温マイナス13℃の深夜に「木曽馬の里」で星空を2時間半かけて撮影し、日の出時刻には、2014年に噴火した御嶽山のモルゲンロートを撮影。その後、末川に移動して気温マイナス15℃の中、1時間かけて川霧と霧氷を撮影した。これらすべての写真データが失われてしまったのである。
 こんな事は初めてである。その後に点検したところ、カメラとコンパクトフラッシュ、データ保存にも異常は見られなかった。極寒に中で酷使した影響なのかは分からないが、気象状況を見ながら綿密に計画し、思い通りの光景に出会えた結果がすべて失われたショックは大きい。失ってしまったことは悔やんでも悔やみきれないが、今後は同じ事が起きないよう原因を突き止め対策を立てたい。
 出会うことができた素晴らしい光景は、筆者の脳裏にあるのみでお見せすることはできないが、今回の遠征はロケハンと割り切り、気象状況を見ながら再度挑戦したいと思う。そして、今回見た光景を上回るその場の最上に美しい光景をしっかりと収め、作品にしたいと思う。

 掲載写真は、本記事内容とも関係がなく今回撮影したものでもない。霧氷を追い求め始めた2010年。毎週のように挫折しながら撮影した「八千穂レイクの冬景色」と、その翌年にようやく霧氷らしい写真を撮ることができた「山中湖畔のカラマツ霧氷」を再現像して記載した。この写真を見ることで当時を思い出し、次への決戦に向けて気持ちを奮い立たせようと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

八千穂レイク(冬景色)の写真

八千穂レイクの冬景色
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県南佐久郡八千穂高原 2010.12.12)

山中湖畔のカラマツ霧氷の写真

山中湖畔のカラマツ霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:山梨県山中湖村 2011.1.3)

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岳樺

2017-10-23 20:30:53 | 風景写真

 そろそろ自然風景写真に本腰を入れたい季節。この秋、まだ紅葉の風景写真も撮っていない。しかしながら秋雨前線と台風21号の影響で大荒れの週末。高知県でのホタル講演会が一週間前で良かったが、数日前から体調を崩したこともあり、この土日は家でゴロゴロ。チョウとトンボ、それぞれまだ撮影予定があるが、色々と計画を練り直したり、過去に撮影した写真を見直したりという机上の作業で休日を終えてしまった。
 何年も前のRAWデータを見直し、今の私自身の感性で再現像してみるとハマるものがある。そん中から、この記事では2点を掲載したい。葉をすっかり落とした岳樺(ダケカンバ)。枝先が赤く、またその白い枝ぶりが何とも不思議な雰囲気を醸し出している。
 岳樺は、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹。別名は草紙樺(ソウシカンバ)。白樺とよく似ているが、白樺よりも更に高い高度に分布する。また、樹皮が白樺よりもかなり赤茶色がかっている点、葉にやや光沢があるで区別できる。

 本ブログは、日記的なものではないから更新頻度が少なく、また時として旬の写真ではないことをご勘弁いただきたい。

参考:ダケカンバのある風景

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岳樺の風景写真

岳樺
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.5秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市 2010.11.27)

岳樺の風景写真

岳樺
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県日光市 2010.11.27)

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星峠と美人林(初秋)

2017-10-09 15:52:13 | 風景写真

 星峠と美人林は、新潟県十日町市松之山ある棚田とブナ林である。季節的には、ちょっと中途半端ではあるが、久しぶりの自然風景撮影。松之山を代表する2つの景勝地を訪れた。

 星峠は、「にほんの里100選」に選ばれ、2009年のNHK大河ドラマ「天地人」のオープニング映像にも使用されたことで広く知られるようになった。2013年の5月に「水鏡の水田と朝霧」そして「光芒」、2015年12月には「雪景色」を撮影している。今回、新潟県内においてトンボの撮影がメインであったが、前日が雨で翌日は晴れ、しかも南風が入って気温が高い天気予報であったため霧が発生すると思い、トンボ撮影の前に訪れてみることにした。
 現地の駐車場に午前1時に到着。天気は晴れで、予想通りの霧。仮眠後、午前3時より撮影開始。夜霧と棚田が月明りに照らされていたが、その後は何と雨!棚田から霧が消えていく・・・。夜明け時刻になると雨は止み、霧も復活。しかしながら、今度は濃霧で棚田が見えない状況に。景色は刻々と変化していく。まさに一期一会である。
 棚田は、まだほとんど稲刈りがされておらず、従って水田の水鏡はを写すことができなかったが、初秋の星峠の光景も移りゆく四季の一部であり、日本の原風景に違いはない。

 美人林は、樹齢約80年ほどのブナの木が一面に生い茂っている丘陵。昭和初期、木炭にするため、この辺りのブナはすべて伐採され原野となったが、その後、ブナが一斉に育ち、すらりとした立ち姿が美しい林になった。ゆえに「美人林(びじんばやし)」と呼ばれるようになったという。美人林も2013年の5月と2015年4月に訪れ、残雪から伸びるブナの木と新緑、そして根本の「根開き」を撮影している。
 夜明け前から撮影していた星峠の棚田が濃霧で何も見えなくなってしまったので、急遽、美人林に移動。やはり霧に包まれ幻想的な光景が広がっているに違いないとの思いで車を飛ばす。途中の道にも霧。期待が膨らむが、現地には霧が発生していなかった。プラスアルファの要素が欠けることに多少の残念さは残るが、こういったことは、風景写真を撮る遠征では、よくあることである。後は、目前にある風景と対峙して、その中で感じた自らの感動を整理し、感じたことを写真に表現するしかない。

 星峠と美人林は、今回は珍しく撮影者がとても少なかった。時期的なものなのだろう。ゆっくりと時間をかけて撮りたいところではあったが、メインは、あくまでもトンボ撮影。美しい景色に後ろ髪を引かれながら、トンボの生息地へと向かった。
 棚田は、12月に初雪が降った時に、美人林は11月の紅葉の季節に再び訪れる予定である。

参照:星峠の棚田星峠の光芒星峠(冬景色)
美人林美人林(4月)

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星峠の棚田の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 13秒 ISO 6400 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 2:56)

星峠の棚田の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1.3秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 5:39)

星峠の棚田の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 4秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 5:35)

星峠の棚田の写真

霧にむせぶ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/15秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:04)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:34)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/4秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:45)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/5秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:49)

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カラマツ林

2017-08-21 21:50:06 | 風景写真

 カラマツ林は、ほとんど戦後の植林によって作られたものだ。山地帯や亜高山帯など比較的寒冷な土地や火山灰の痩せ地などスギの植林が困難な地域でも十分に育つため大規模な植林が行われ、人工のカラマツ林が広く分布している。自然林は、上高地なし本州中部の標高1,500mほどの山岳地帯に限られる。
 カラマツは日本原産で、唯一落葉する針葉樹である。春の芽吹きの緑や、秋の黄金色に輝く紅葉・・・北原白秋は、詩「落葉松」で軽井沢のカラマツ林の美しさを詠んでいる。

  • カラマツの林を過ぎて
  • カラマツをしみじみと見き
  • カラマツはさびしかり
  • たびゆくはさびしかり

 この時期は、昆虫の撮影を主として出かけているが、撮影できずに心が折れることがしばしばである。そんな時、ふと自然風景に目を向けると癒される光景に出会う。
 カラマツ林は、四季を通じて表情を変える。その光景は、見る人によって見方や感じ方に相違があるだろうから、主観的な意見はここでは避け、私が感じて撮影したカラマツ林の写真を掲載するに留めたい。
 以下の写真は、カラマツ林の緑、紅葉、そして霧氷であるが、春先の新緑をまだ撮っていない。来年には「カラマツ林の四季」としてまとめたいと思う。

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カラマツ林(緑)の写真

カラマツ林(緑)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:長野県富士見町/入笠湿原 2017.8.13)

カラマツ林(紅葉)の写真

カラマツ林(紅葉)
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1秒 ISO 100(撮影地:山梨県甲州市/一之瀬高原 2011.11.5)

カラマツ林(初冬)の写真

初冬のカラマツ林
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2011.11.23)

カラマツ林(霧氷)の写真

カラマツ林(霧氷)
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 5秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰 2013.1.27)

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森の朝

2017-07-21 22:07:30 | 風景写真

 森に朝日が差し込む様は、眠っていた森が目覚める瞬間であり、生命感溢れる時である。
 森を散策中に撮影したスナップ写真ではあるが、旅の思い出として残しておきたいと思い掲載した。


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森の朝の写真

森の朝
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 2000(2017.7.17)


森の朝の写真

森の朝
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 1250(2017.7.17)


森の朝の写真

森の朝
Canon EOS 7D / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 250 -2/3EV(2014.7.26)


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東山魁夷に学ぶ

2017-06-21 22:22:03 | 風景写真

 東山魁夷(1908年~1999年)は、昭和を代表する日本画家の一人で、作品の多くに青い絵の具を使うことから「青の画家」とも呼ばれた。平明な描写のなかに深い精神性と豊かな叙情を湛えた風景画は、日本人の自然観や心情を普遍的に表現したものとして高く評価され、私の好きな画家の一人である。お会いしたことはないが、戦後から千葉県市川市に住んでおられ、やはり画家であった私の叔父に親友でもあった。

 私は、会社員であるがホタルを長年研究しており、写真撮影を趣味としている。ホタルをはじめ、多くに昆虫類の図鑑写真や生態写真を撮ることを楽しんでいるが、美しい自然の風景写真の撮影にも信念を持って取り組んでいる。
 私が撮影した自然風景写真のいくつかは、多くの方々から「東山魁夷」の日本画のようだと評価を頂く。画伯が描いた日本画のモデルとなった場所にて撮影することもあるが、勿論、画伯の作品を真似るつもりはなく、当然、画伯の芸術性や精神性に及ぶはずもない。しかしながら、画伯の自然風景との対峙を無意識の内に学び、影響を受けているのかも知れない。
 「写真」は写実であり「絵」とは違う。しかしながら、自然風景写真は、自然という芸術に対して、ただ闇雲に感覚だけに頼ってシャッターを切っていたのでは、皆が美しいと感じ、それぞれ色々な思いを馳せて頂ける「作品」にはならず、単なる「記録」で終わってしまう。自然風景写真は、美しい光景を目の前にした時に、「美しい」という抽象的で漠然とした感覚を「1枚の写真」というものに具体化することであり、それには、自分は一体、何に感動し、何を美しいと感じているのかを明確に認識し、そしてそれをどう表現すればよいのかを考え、構図、露出を決定して、シャッター・チャンスを狙って撮ることだと思っている。

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御射鹿池の写真

御射鹿池
Canon EOS 7D / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM / 絞り優先AE F11 4秒 ISO 200 -1EV(撮影地:長野県茅野市 2010.6.20 4:26)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25)

カラマツとソウシカンバの写真

カラマツとソウシカンバ
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 0.5秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市 2012.5.19)

駒つなぎの桜の写真

駒つなぎの桜
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F1.4 1/1600秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県下伊那郡阿智村 2014.4.19)

龍珠院の桜の写真

龍珠院の桜
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F5.6 1/4秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2012.4.14)

九十九谷の写真

九十九谷
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AEF11 1/5秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.2.21)

九十九谷の写真

九十九谷
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.2.21)

城ヶ崎海岸の写真

城ヶ崎海岸
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 20秒 ISO 1600 -1/3EV(撮影地:静岡県伊東市 2015.1.03)

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ネモフィラ(みはらしの丘)

2017-05-05 16:04:10 | 風景写真

 ネモフィラは、ムラサキ科ネモフィラ属(Nemophila)に分類される植物の総称で、カナダ、アメリカ、メキシコに11種が分布していると言われている。属名の「Nemophila」は、ギリシャ語で「小さな森」を意味する「nemos」と「愛する」を意味する「phileo」を語源とし、ネモフィラの原種が森周辺の明るい日向に生息することに由来している。
 代表的な種には、青い花で中心部が白い Nemophila menziesii Hook. & Arn. があり、多く栽培もされており、インシグニス・ブルーとも言われる。英語では「Baby blue eyes(赤ちゃんの青い瞳)」と呼ばれ、和名は瑠璃唐草(ルリカラクサ)。花言葉は「可憐」「あなたを許す」「清々しい心」「どこでも成功」などがある。

 ネモフィラは、茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」に、日本一のネモフィラ畑「みはらしの丘」がある。約450万本のネモフィラが丘一面を埋め尽くし、「青の絶景」や「空と繋がる丘」として各メディアでも紹介され、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」として、海外からも注目されているという。
 数年前から存在は知っていたが、今回、運良く行くチャンスに恵まれた。開花から時間が経っていたため、ネモフィラの色が少し薄くなっており、また、初訪でロケハンなし、イメージトレーニングもなしでの撮影のため、単なる観光写真で終わってしまった。

 ゴールデンウイーク2日目の30日は、前の記事で紹介した奥四万湖を撮影したが、後半の3日と4日は知人と車中一泊二日の中遠征。
 3日午前2時半に自宅を出発して、途中で知人を乗せて茨城県へ。話題のネモフィラを撮影後は、ムカシヤンマのヤゴと羽化を撮影。その後、栃木県に移動して、ツバメシジミ、ギンイチモンジセセリ等を撮影。それから、長野県の白馬村へ移動。まずは、中綱湖をロケハンをし、ファミレスで夕食を済ませて無料の大駐車場で就寝。
 4日は、午前2時に起床し、まずは完璧に近い条件のもとで中綱湖のオオヤマザクラを撮影。その後、ヒメギフチョウを撮影し、昼に撤収。知人を送り届けて、18時に無事帰宅。走行距離 938km。予定していたのに撮れなかった種もあるが、まずまずの遠征であった。撮影した写真は、順次掲載の予定である。

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ネモフィラの丘の写真

ネモフィラ(みはらしの丘)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/13秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:茨城県国営ひたち海浜公園 2017.5.03)

ネモフィラの丘の写真

ネモフィラ(みはらしの丘)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/8秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:茨城県国営ひたち海浜公園 2017.5.03)

ネモフィラの丘の写真

ネモフィラ(みはらしの丘)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/13秒 ISO 100(撮影地:茨城県国営ひたち海浜公園 2017.5.03)

ネモフィラの丘の写真

ネモフィラ(みはらしの丘)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/13秒 ISO 100(撮影地:茨城県国営ひたち海浜公園 2017.5.03)

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横田升吾 著作権法違反で逮捕、起訴

2017-03-02 22:33:54 | 風景写真

 横田升吾という人物は、2014年に写真事務所を開業し、自称プロネイチャーフォト・アーティストとして活動していたが、このほど、他人が撮影した風景写真を無断でNHK長野放送局のサイトの投稿コーナーに送って公開したほか、他人が撮影した風景写真を盗用した写真集を販売したなどとして、長野県警生活環境課に著作権法違反(公衆送信可能化権侵害など)の容疑で逮捕された。尚、本件は事実であり、民事による損害賠償請求は行っておらず、当事者から謝罪の一言もないため、横田升吾という実名を表記した。

 横田升吾は、Facebook、mixi、TwitterなどのSNSにおいて、大量の写真を盗用し、更には、盗用した写真を用いて「Nature in my Heart」、「flower stylish 花の真」、「Winter true」という3つの写真集と作品プリントを作成し販売をしていた。盗用した写真の多くは、左右反転し、必要に応じて画像処理・トリミングをするという手口で使われていた。また、横田升吾は月刊誌フォトコンで盗用による入選をしていたり、NHK長野放送局の「撮るしん。」という写真投稿サイトにも盗用作品を掲載していたのである。

 実は、私が撮影した風景写真も4点が盗用され、その内2点は「Nature in my Heart」という写真集に盗用されて販売されていたのである。写真はすべて左右反転し、サンピラーの写真は画像処理とトリミングを施し、さも自分が撮ったようなコメントまで書いていた。サンピラーは、4年間で何十回と通い詰めた末に出会えた光景で、この時は前夜から車中泊で待機し、氷点下15度の中での撮影。冷たさや厳しさを抑えて、ファンタジックな表現にするために、色温度をデイライトに設定し、絞りを開放にしてダイヤモンドダストが丸くボケるようにピント位置も調整して撮った1枚である。
 この事件を知ったのは、ある個人の方からのメールであった。【横田升吾 写真盗用・販売事件】まとめサイト というWebサイトも立ち上げていた。被害者は私だけでなく、大勢いらっしゃる。インターネットで拡散されたことと、写真集の購入者の一人である長野市議会議員が被害届を出したことにより、長野県警が動き出す。私の自宅に長野県警サイバー犯罪対策室の刑事が2名来られ供述調書を作成した。二度目に来られた時に私は告訴状を提出し、逮捕に至った。

 そして被疑者である横田升吾は、3月1日付けで著作権法違反の罪名で起訴処分(略式命令請求)を受けている。検察官による起訴に対して、簡易裁判所が公判手続を経ることなく、非公開で100万円以下の罰金または科料を科すものである。

 著作権侵害は、犯罪である。無知ゆえに気軽に他人の撮影した写真をブログ等の使ってしまうことが多く見受けられるが、これも犯罪である。私は、私が撮影した「ホタルの写真」を無断で使われることが多く、場合によっては損害賠償請求や慰謝料請求の民事事案として扱っている。悪意がないにしても、他人が撮影した写真を無断で使用することは、教科書や論文の引用等の他は違法になるので、注意していただくようお願い申し上げたい。

追記

 2024年3月現在、横田升吾は、「NaturePhotographorとして、昔からストイックに NaturePhoto を追求し、現在の「東京空 月光彩」撮影シリーズでもその姿勢は変わらない」と自身のX(旧twittrer)「横田升吾(東京空 月光彩 Artist)」のプロフィールに書いている。未だに謝罪はない。

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★ 盗用された私の風景写真

サンピラーの写真

サンピラー
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2013.01.27)

カラマツ霧氷の写真

カラマツ霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 10秒 ISO 400(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2013.01.27)

有明の月

有明の月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2011.2.19)

岳樺霧氷と雲海の写真

岳樺霧氷と雲海
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F7.1 0.8秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原高原 2012.11.25)

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★ 横田升吾写真集「Nature in my Heart」および Facebook でのプリントの販売(証拠資料)

 

 

 

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紅葉と緑葉

2016-11-17 22:21:29 | 風景写真

「まとめシリーズ第九弾」~紅葉と緑葉~

 今年は、撮影目標とした昆虫をギリギリまで追いかけているので、なかなか自然風景写真まで気が回らない。標高の高いところでは、すでに紅葉が終わってしまっているが、南房総は今月下旬から来月上旬が見頃であるから、その頃を目途に風景に目を向けていきたいと思う。
 昆虫を追いかけていると言っても、あと2種類のチョウを撮るだけなので、当然、撮影できるまでは記事が書けず、また風景も撮っていないので新しく紹介できる写真もない。そこで、それぞれ個々に記事にして紹介していた写真を色々と組み合わせる「まとめシリーズ」として、今回は、第九弾「紅葉と緑葉」を掲載したい。

 掲載した写真は4か所で撮影したもので、それぞれ撮影位置やアングルが若干違ってはいるが、同じ場所で紅葉と新緑を撮影した写真である。 人によって感性や好みが違うし、季節の違いでどちらが美しいか等を比べること自体がナンセンスかも知れない。どの季節においても、趣が違うし、それぞれの特徴を持った美しさがある。しかし、それをしっかりと写真に表現できていないので恥ずかしい。

参照

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まいめの池

まいめの池(乗鞍高原)/紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 30秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県松本市 2015.10.18)

まいめの池

まいめの池(乗鞍高原)/新緑
Canon EOS 7D / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 200 -1 1/3EV(撮影地:長野県松本市 2016.8.14 6:15)

般若の滝

般若の滝(日光)/紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1.6秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県日光市 2011.11.3)

般若の滝

般若の滝(日光)/新緑
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 30秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市 2012.5.19)

方等の滝

方等の滝(日光)/紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1.6秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県日光市 2011.11.3)

方等の滝

方等の滝(日光)/新緑
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市 2012.5.19)

御射鹿池

御射鹿池/紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/10秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県茅野市 2012.10.20)

御射鹿池

御射鹿池/新緑
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 25秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県茅野市 2012.10.2)

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竹林

2016-03-28 22:42:31 | 風景写真

 竹林の織り成す景観は、日本の風土を象徴するもののひとつであり、日本三大美竹林の「錦川の竹林」「京都の嵯峨野」「岐阜の揖斐川」を はじめ、管理された竹林では、まっすぐ天高く伸びる無数の竹から、日本古来の美意識や風情を感じ取ることができる。
 しかしながら、近年「放置竹林問題」として邪魔者のように報道されている。荒れた竹藪が増えているのである。この最大の要因は、我々の暮らしと意識の中から竹が消え、竹への無知や無関心が広がったことにあると言われている。密集した竹藪は栄養分を求めて外に広がり、周辺の田畑や宅地を使えなくする。森を侵食すると光が遮られ、樹木は枯れてしまう。茎が地下30cm以下の浅い所に集中するため、大雨で地滑りを引き起こしやすくなるという。
 こうした状況を踏まえ、竹林再生プロジェクトに取り組む自治体が増えている。良好な里山環境の整備及び生物多様性の保全再生を図るとともに、竹林資源の有効活用を図ることを目的とした 「竹林整備事業補助金」を交付する自治体もある。
 竹は、「古事記」や「万葉集」或いは「竹取物語」に見るように、古くから親しまれていた日本文化に欠かすことができない存在である。また、日本画、水墨画のモチーフとしてもしばしば用いられ、風が竹林を通り抜ける際のざわめきは日本人の耳には心地よく響き、風情を感じさせるものとして俳句や和歌などに歌われ、多くの文学者、画家などの想像力を刺激してきた。春に筍(タケノコ)を掘るのも日本の風物の一つであるし、竹製品や工芸品も多い。日本の伝統色にも「煤竹色」「銀煤竹色」「藤煤竹色」「柳煤竹色」「肥後煤竹色」「若竹色」「老竹色」「青竹色」と様々な竹の色がある。
 私たちは、今一度、日本の伝統文化を見直し、竹から美意識や風情を感じ取るだけではなく、竹に関心を持って消費することも必要であろう。

 今日の我が家の夕食は、旬の日本料理「筍ご飯」。とても美味しく、酒の量も多くなってしまう。竹の花言葉のように「節度」を守った食事や飲酒にしないといけないのだろうが、こればかりは、節操が無い。

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竹林

竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 0.4秒 ISO 100(撮影地:東京都青梅市 2012.4.14)

竹林

竹林
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800(撮影地:千葉県勝浦市 2012.3.20)

竹林

竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 0.8秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)

竹林

竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 6秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)

竹林

竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 4秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)

竹林

竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/15秒 ISO 100(撮影地:千葉県勝浦市 2012.3.20)

竹林

竹林
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:千葉県勝浦市 2012.4.07)

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九十九谷

2016-02-21 19:42:56 | 風景写真

 九十九谷は、その幾重にも連なる房総の山並みが墨絵のように霞むさまを、近代日本の随筆家である大町桂月(1869-1925)が「鹿野山の九十九谷の眺めは天下の奇観なり」と絶賛し、昭和63年には「房総の魅力500選」に、平成19年には「ちば眺望100景」にも選定されている景勝地である。また、日本画家の東山魁夷(1908-1999)の出世作「残照」は、この眺望を基に描いた作品で、「夕暮れ近い澄んだ大気の中に、幾重もの襞(ひだ)を見せて、遠くへ遠くへと山並みが重なっていた。」と述べている。
 私は、夕暮れではなく雨後の早朝を選んだ。九十九谷の連なりを美しく強調するものは、山肌から沸き立つ靄、または朝霧だと思ったからである。2月7日にロケハンを済ませ、タイミングを待っていたところ、この週末にチャンスが訪れた。21日。午前2時半に自宅を出発し、4時半に一番乗りで到着したが、なんと濃霧で何も見えない。天気予報では、朝から晴れマークであるから、それを信じて車内で夜明けまで仮眠することにした。
 午前6時。空も白々してくると程よい風が霧を少しずつ流し、眼下の山並みが薄っすらと見え始めた。時間とともに変化する景観。上総(かずさ)の里山を感じる現実的な風景と九十九谷らしい日本画的な光景を撮ろうと、あちこち走り回る。少々残念なことに、千葉県は日本で二番目にゴルフ場が多く(ゴルフダイジェスト社刊によると159コース)しかも上総に集中しているため、山を切り開いて造ったコースとクラブハウス、そして舗装道路が景観を損ねてしまうが、動く霧が上手に隠してくれる瞬間を狙ってシャッターを切った。 あいにく東の空に雲があり、太陽がなかなか顔を出さなかったために光芒は見られなかったが、一期一会の光景に感謝しなければならないだろう。

 東山魁夷は、九十九谷について次のようにも述べている。
「刻々に変わってゆく光と影の綾を、寒さも忘れて眺めていると、私の心の中にはいろいろな思いが湧き上がってきた。喜びと悲しみを経た果てに、見出した心のやすらぎともいうべきか、この眺めは、対象としての、現実としての風景というより、私の心の姿をそのまま写し出しているように見えた。」

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九十九谷の写真

九十九谷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.02.21)

九十九谷の写真

九十九谷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.02.21)

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星峠(冬景色)

2015-12-20 18:45:12 | 風景写真

 星峠は、「にほんの里100選」に選ばれた新潟県十日町市松之山・松代にあり、2009年のNHK大河ドラマ「天地人」のオープニング映像にも使用されたことで広く知られるようになった。2013年の5月に一度訪れて撮影している。(写真2枚目)

 松之山・松代の棚田へは、雪が積もったら行きたいと思い、ずっと天候の様子を伺っていると、12月17日(木)にようやく初雪。30cmくらい積もったようである。しかしながら、ただ雪が積もれば良いというわけでもない。
 この地域の棚田は、秋の収穫が終わると水を張るので、それが水鏡になる。初雪は畔だけを白くする。晴れで冷え込んだ朝には霧も発生し、そこに朝日が当たれば幻想的な光景になるのだ。週間予報では、20日のみに晴れマーク。迷わず決行である。
 片道260kmほどだが、4時間半はかかる。月~金の疲れが残る19日(土)の15時に自宅を出発。関東地方は冬晴れであったが、 関越自動車道の関越トンネルを向けると湯沢は雪。川端康成「雪国」の冒頭の文章「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」そのものである。塩沢・石打SAで夕食をとり、六日町ICで降りて十日町市へ向かった。
 目的地は、星峠ではなく蒲生。蒲生の棚田には、今年の4月に訪れ「蒲生の棚田(春) 」として掲載しているが、たいへん美しい景観に感動し、初雪の後に再訪したいと思っていたのである。
 蒲生の駐車場に19時半に到着し、車内で熟睡。翌20日、夜明けとともに棚田を望むが、朝日が出ない!しかも、水が張られた田んぼが 少なすぎて絵にならない。仕方なく、星峠へ移動。
 蒲生の棚田での撮影者は、私を含めて4人だったが、さすがに星峠の棚田は多い。20人くらいはいたのではないだろうか。ただ、雪が多すぎるし、田んぼの水は凍っている。しかも、雲の切れ間から青空は見えるものの朝陽は拝めず、したがって「光と色」の演出はないモノトーンの世界。感動が薄ければ、作品にもならず。単なる「行ってきました。」的な証拠写真を撮って終了。イメージの写真が撮れるのは、何年先になるのだろうか?

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星峠の棚田

星峠の棚田(冬景色)
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/10秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2015.12.20)

星峠の棚田

星峠の棚田(春)
Canon 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F18 3.2秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)

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自然風景写真への想い

2015-12-15 20:54:52 | 風景写真

 ホタルの研究は、私にとっておそらく生涯のライフ・ワークであるが、フルート演奏や昆虫と自然風景の写真撮影は、あくまでも趣味である。しかしながら、好きなものはトコトン追及し極めようとする性格なので、色々と悩みながら上達しようと努力している。多くの方々もそうだと思うが、自己満足の世界に終始するのであれば、非公開で自分自身だけで楽しめば良いと思うが、音楽演奏は、多くの方々に聴いて欲しいと思うし、撮った写真はできれば多くの方々に見て頂きたいと思うのである。
 写真に関して言えば、昆虫写真は多くの方々にその昆虫を知って頂きたいという思いから、特徴がよく分かる「図鑑写真」、生態を克明に記録した「生態写真」をコンセプトに撮影して公開している。一方、自然風景写真は、その美しさと感動を分かち合いたいという思いから、目前の「美しい」という抽象的で漠然とした感覚を「写真」というものに具体化し「作品」として成り立つよう、日々勉強を重ねている。

 昆虫写真は、出会いに苦労することがあっても、撮影さえ出来れば、その結果に対しての満足度は高い。しかしながら、自然風景写真はなかなか初心者の域を脱しない。前記事「朝靄のダム湖」においては、「あまりにもスナップ的な撮影に後悔の念が残る。」ものであった。
 自然風景の撮影が主流となるこれからの季節、ここで今一度初心に戻って、私自身のために、自然風景写真に対する考えを整理し、 まとめておきたいと思う。

 有名な景勝地で見る光景は、誰しもが「美しい」と感じるだろう。自然という芸術に触れた瞬間なのかも知れない。しかし、その時の美しさは、その場所の「最上の美しさ」だろうか?その場所、その風景の最も美しい季節、時間、そして瞬間を撮りたい。その光景に出会うために、何度も通い詰めようと思う。
 景勝地ではなくても、自身が決めた「テーマ」に基づいてロケハンをし、イメージトレーニングして、その場所の「最上の美しい光景」との出会いを求めたい。
 そして「最上の美しい光景」を目の前にしたら、その中で自分は一体、何に感動し、何を美しいと感じているのかを明確に認識しなければならない。そして、それをどう表現すれば良いのかを考え、構図、露出を決定して、シャッター・チャンスを狙って撮ることが必要で、また、他人の真似ではないオンリー・ワンのものでなければならないだろう。
 技術的な面では、カメラとレンズを三脚に固定し、構図を決めて水平をとり、モニターで拡大してマニュアルでピントを正確に合わせる。露出を決めたら、カメラブレを防ぐためにミラーアップしてレリーズでシャッターを切る。段階露出で何枚も撮ることが基本だ。
 自然風景写真は、「豊かな感性云々と言っているよりも、とにかく撮ることが大事」という意見もあるが、自然という芸術に対して、 ただ闇雲に感覚だけに頼って手持ちでシャッターを切っていたのでは、結果である「写真」は、皆が美しいと感じ、それぞれ色々な思いを馳せて頂ける「作品」にはならず、単なるスナップ的な「記録」で終わってしまう。

 この記事は、あくまでも「独り言」であり、私自身への戒めであり、他人に対する強制でもないし、そうしない方への批判でもない。写真の「評価」は、見る人が決めるもので、自己満足で終わってしまっては次につながらない。もっと自分の感性を磨き、現場では自然と対峙し、 芸術的な作品づくりと写真技術の向上を目指さなければらならいと思う昨今なのである。
 今年もまだ半月あるので、チャンスを待って撮りたい風景に挑戦したい。年末には「本年の自己ベスト10」を選んで掲載したいと思うが、まずは、昨年までに撮影した「写真」の中から「自己のベスト5」を選んだので掲載しようと思う。厳しいご意見、ご教示を賜り、ご指導頂けたら幸甚である。それぞれの撮影の経緯については、 ここでは省くが、興味のある方は、下記にリンクをはったのでブログ「ホタルの独り言」を参照いただきたい。

  1. 田代池の霧氷
  2. 駒つなぎの桜
  3. ゆらぎ(水草と鯉)
  4. サンピラー
  5. 山桜

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田代池の霧氷

田代池の霧氷
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F18 1/8秒 ISO 50 +2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2013.1.5)

駒つなぎの桜

駒つなぎの桜
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F1.4 1/1600秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県下伊那郡阿智村 2014.4.19)

ゆらぎ(水草と鯉)

ゆらぎ(水草と鯉)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/5秒 ISO 100 -1EV(撮影地:山梨県南都留郡忍野村 2014.1.3)

サンピラー

サンピラー
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2013.1.27)

山桜

山桜
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/25秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2014.4.19)

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ダケカンバのある風景

2015-11-25 22:51:01 | 風景写真

「まとめシリーズ第七弾」~ダケカンバのある風景~

 ダケカンバ(岳樺)は、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹で、ソウシカンバとも言う。シラカンバ(シラカバ、白樺)とよく似ているが、樹皮がシラカンバよりも少し赤茶色がかっている。
 若いダケカンバの幹は白っぽいく、積雪と雪崩や強い風に耐えて灌木状に生長した樹形、特に葉を落とした秋から春の時期に見せる 光景は、絵画的で一種独特なものを感じる。「静の中の動、叫び・・・」一体、なんだろう?

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ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 0.4秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2011.11.23)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.5秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市/戦場ヶ原 2012.5.19)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県日光市/金精峠 2011.11.3)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市/光徳牧場 2012.5.19)

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山粧ふ

2015-11-18 21:02:05 | 風景写真

 日本には「四季」があり、自然は「春夏秋冬」それぞれ美しい光景を見せてくれる。
 その季節を日本人の伝統的な美意識で17文字から成る世界最短の定型詩として謳った「俳句」。季節は「季語」として表現されているが、中国の北宋時代の山水画家「郭煕」の著書である『臥遊録』(呂祖謙編)が由来とされる「山笑ふ」「山滴る」「山粧ふ」「山眠る」も季語として使われる。
 絵画の極意として書いた文章に、以下の様な文章で四季を表している。

春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠として滴(した)たるが如し
秋山明浄にして粧うが如く
冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し

 今は「山粧ふ」季節から「山眠る」季節へと変わろうとしているが、本記事では、4つの季語を表わす四季の風景を並べてみた。
 前記事同様に、すべて東京都内(多摩西部)で撮影したものである。どれも作品ではなく、観光スナップの範疇に留まるものであり、 歌人の美意識に刺激を与える光景(写真)ではないかもしれないが、季節は感じて頂けるだろう。

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秋川渓谷の新緑の写真

山笑ふ(春紅葉)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 0.3秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2011.4.16)

奥多摩の渓流の写真

山滴る(緑の谷)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 1/6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2012.5.4)

秋川渓谷の紅葉の写真

山粧ふ(紅葉)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 1/0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都西多摩郡檜原村 2010.11.21)

奥多摩の雪景色の写真

山眠る(雪景色)
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F20 0.6秒 ISO 400(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2013.01.14 7:56)

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