嬬恋の丘 (カラマツの丘) は、群馬県嬬恋村にある。キャベツ畑が見渡すかぎり続き、その丘の上にポツンとカラマツ林が佇むロケーションで、まるで北海道の美瑛のような場所である。
まずは、阪神淡路大震災から29年。5時47分に会社の駐車場から黙とうを捧げた。能登半島地震の被災者の方々にも、一日も早い復興をお祈りした。
さて、今回の群馬遠征は、この嬬恋の丘 (カラマツの丘) がメインであった。浅間山と星空は、月明かりがない快晴ならば撮影のチャンスは多いが、カラマツの丘では、広大な雪原の丘とカラマツ林、その星空とマジックアワー(魔法の時間)の光景を撮りたかった。嬬恋村は、13日の午後から夕方まで雪で深夜から晴れの予報。星は二の次で、とにかく雪が積もった光景であって欲しかったため、この週末は絶好のチャンスとばかり遠征を決めたのである。
現地には14日の午前2時半前に到着。風は弱いが、気温マイナス9℃で寒い。同行した写友S氏と二人だけで、他には誰もいない。思ったより雪が少なく真っ白な丘ではなかったが、素晴らしい景色である。さて、どう撮るか・・・事前の調査でも東方向にカメラを向けるしかなく、狭い範囲ではあるが、どの位置がベストであるか、細かくロケハンを行う。それは単なる構図をきめるものではなく、自然と自分との対峙である。今何を感じ、これから起こる変化をどう表現するのか?手足の指の感覚が失われていく中で思慮する。まずは、タイムラプス動画を作成するために1時間ほど撮影。勿論、その間は車内で待機である。その後、3時半から5時まで再び車内で待機。前日の起床から不眠で24時間近く経っていたが、目を閉じただけで出動。今度は夜明けまでのタイムラプス動画作成のための撮影をセットし、三度車内で待機。その間に撮影した写真140枚を現像後に確認すると、人工衛星の軌跡が多く写っている中、流れ星が3枚に写っていた。
この日の日の出時刻は午前6時58分。6時からカメラの前で待機するとカラマツの背後から金星が昇っていた。夜半の強風と乾燥で空気が澄んでいたため波長の短い青い光が広範囲に散乱し、約10分間だけ青い光で包まれた。ブルーモーメントである。その後、少しだけピンク色やオレンジ色に染まりだし、7時20分。ようやく標高およそ1,170mの丘に太陽が顔を出した。
朝日を撮影後に現地を引き上げ、県道94号線で湯ノ丸の地蔵峠経由で東御へ降りた。小諸ICから上信越道に乗り、佐久小諸ジャンクションから中部横断自動車道の八千穂高原ICまで走り、その後は国道141号線で北杜市へ、そして須玉ICから中央道の府中国立ICまで走り、13時頃に帰宅した。前日の4時過ぎに起床してから33時間。久しぶりの強行軍であった。
平日は出勤のため、まだ真っ暗な4時過ぎに目覚ましが鳴る。能登半島地震の被災者の方々には申し訳ないが、週末こそ暖かい布団の中でゆっくりと明るい朝を迎えたいと毎日思う。しかしながら、
これまで氷点下23度の上高地、氷点下16度の霧ヶ峰、氷点下15度の開田高原等に出掛け、そして今回の嬬恋の丘 (カラマツの丘) においても、凍てつく冬の朝のマジックアワー(魔法の時間)の美しさを体感してしまうと、寝る間も惜しんで、また極寒の地に出掛けていくのが私の性。そこでいつも思う。「明けない夜はない」と。過去の経験から最低でも3回は通わないと自己満足の絵は撮れていないので、ここも通うことになるだろう。ちなみに嬬恋の丘 (カラマツの丘) では、3月になると夏の天の川も撮ることができるので、タイミングを見計らって挑戦したいと思う。
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