ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius hyperbius (Linnaeus, 1763) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)/ドクチョウ亜科(Subfamily Heliconiinae)/ツマグロヒョウモン属(Genus Argyreus)に分類されるチョウである。有毒のチョウであるカバマダラに擬態していることからドクチョウ亜科に分類されているが、オスは豹柄模様のみで、メスが前翅の先端部表面が黒(黒紫)色地で白い帯が横断している。通常のチョウの仲間では珍しくメスの方が美しい。
南西諸島、九州、四国、本州南西部に分布し、本州では1980年代まで近畿地方以西でしか見られなかったが、徐々に生息域が北上し、2016年現在、関東地方北部でもほぼ定着し普通種になりつつある。通常ヒョウモンチョウの仲間は山地や北の涼しい場所を中心に分布しているが、熱帯を中心とするツマグロヒョウモンの分布はヒョウモンチョウの仲間では珍しいと言える。ツマグロヒョウモンの北上については、単純に「地球温暖化」の題材として取り上げられることが多いが、幼虫は各種スミレ類を食草とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジーやビオラなども食べることも北上と分布拡大の一因だと思われる。
成虫は4月頃から11月頃まで見られ、その間に4~6回発生する。他のヒョウモンチョウ類がほとんど年1回しか発生しないのに対し、多化性という点でも例外的な種類である。
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ツマグロヒョウモン / オス
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ツマグロヒョウモン / メス
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ツマグロヒョウモン / メス
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ツマグロヒョウモン / メス
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
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