秋といえば紅葉。様々な色彩に染まった紅葉の帳は、私たちの心を癒し、感動を与えてくれる。欧米では、紅葉する落葉広葉樹は約13種類ほどで単色が多いようだが、日本には26種類あることや、気候風土が生み出す鮮やかな色彩と多彩が織りなすグラデーション、自然との調和が他の国では見られない壮大な景観美を作り出しており、世界一美しいと言われる。
しかしながら、美しい紅葉も植物学的にみれば、木々が生き残るための戦略の1つにしか過ぎない。夏の間、葉は光合成で栄養をとり込み、樹木の為に供給し続けるが、秋になり日照時間が減ると光合成で作られる栄養も徐々に減少し、やがて導管が凍ることで、水が流れにくくなったり、気泡によって導管の水の流れが遮断される。このエンボリズム現象がおきると葉にはエネルギーも水分もいかなくなってしまう。葉に残ったアントシアニンやカロテノイド等は、葉を赤や黄色に変え、寒さなどから身を守ろうとする。これが紅葉だが、やがて枯れて落ちるのである。
夏は繁忙期であるため、社員(葉)に営業活動(光合成)を頑張らせて、利益(栄養)を出させるが、冬の閑散期(赤字)になる前に、利益を維持して人員を解雇(落葉)する。さながら会社の非情な決断「黒字リストラ」である。ちなみに、リストラは、「restructuring(リストラクチャリング)」を略した言葉で、「人員削減」や「整理解雇」という意味合いで使われることが多いが、本来、業務の再構築を意味し、業務の効率化や資金の再配分などもリストラに含まれる。
紅葉は、古くは万葉集や源氏物語にも登場し「紅葉狩り」という風習もある。私たち日本人は、詫寂の美に代表されるような「日本文化特有の美意識や感覚」で紅葉の美しさに魅了されてきたが、年末に向かおうとする11月の今、現代人の中には、目に見えない「とばり」の向こうにある不確実で不安な明日に対して、虚しさや悲しさ、時には恐怖を感じる方もいるだろう。何ら、慰めにも励ましにもならないが、過去に撮影した駄作を羅列しておきたい。
以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画は 1920×1080ピクセルのフルハイビジョンで投稿しています。設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。
(動画の再生ボタンをクリックした後、設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンに しますと高画質でご覧いただけます)
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2024 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます