散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

滅び行くもの-カレースタンド-

2006年10月15日 12時36分26秒 | 食べ歩き
札幌在住以外の方にはピンとこないかもしれないが,札幌ではスープカレーブームが来て,しばらく経つ。今でも,どんどん新店ができては淘汰されているようである。また,別の流れとして,チェーンのカレーショップが相当な店舗数になっているが、ここでもスープカレーを出しているようだ。

私,年を取って旧弊になってきたせいか,今ひとつこの状況が面白くない。カレーと言ったらルータイプだろうと!
と言いつつ”ルー”ってわざわざ付けるのも気に入らない。スープカレーは別タイプの料理としては,存在しても良いとは思っているのだが。また,チェーン店の利点は認めるとしても,それによって個性的な店が全てなくなってしまうのもあんまりである。

ということで,以下は私の行ったカレー屋さん、特に懐かしい「カレースタンド」とでも言う形態の店のことを書いてみた。

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北2西3「カレーショップI」
昔,サラリーマンはこういう店で昼食を素早く済ませたのであろうという感じのカレースタンド。私が行った時は,40歳以上と思われる男性がほとんど。カレーは塩気が少々きついが,量は多目。お店の人のそっけなさも,カレーの味も,「いいんじゃない,たまには」と思わせる。

南1西19「Y食堂」
いわゆる蕎麦屋のカレーである。この店では蕎麦+カレーといった組み合わせで頼む人も多いので,普通盛りがやや少なめ,大盛りでも量はそれほどではない。見た目はかなり黄色,玉ねぎ多目・肉ほどほど。口に入れると甘さが何よりも先に来るが,しばらく食べていると辛くなってくるので,それなりにカレー粉も入っているのだろう。予想では蕎麦用の”かえし”が入っているのではないかと思っていたが,甘くて良く分からん…。

北1西3「キッチンM」
洋食堂といった感じのこの店では,自家製コロッケが売りなので,コロッケカレーをオーダー。やはり甘口だが,少しスパイス(カレー粉だけでなく)の感じがするかな? 店はもう少しキレイだと良いのだけれども。

ポールタウン「カレーショップV」
札幌人ならば一度くらいは見たことがあるのではなかろうか。大通地下街唯一のカレースタンド。かく言う私も,在札20年目にして始めて訪れたのである。店内は馬蹄形のカウンターに約10席。その真ん中に立つおばちゃんに「チキンカレー」を注文すると,奥のおばちゃんにオーダーが渡った。時間1分で出てきたそのカレーは,肉肉しさに欠けるものの,かなり辛目の味つけだ(普通に言う「辛口」だろう)。薬味4種(福神漬け,紅しょうが,ラッキョウ,シソの実)もあり,楽しく食べられた。実はこの店では,揚げたてをトッピングしたカツカレー・エビフライカレーが名物らしいのだが,私にはカロリーオーバーだ。食べに来ている面子には60代の男性も見受けられ,店の歴史を感じた。

北4西4「C」
ビルの地下にある約15席の店。ポークカレーを注文。かなりご飯の盛りは多く,その横にとろみ少なめのカレーが掛かっている。ご飯をカレーの中に崩すと程よい具合に混じりあい,かなり辛味があり,肉たっぷりだ(薬味は福神漬けとしょうがの甘酢漬け)。元気の出てくる味と言う感じで,結構うまい。他店の1.5倍の値段なので,同列に評価するわけにはいかないのだけれども。ここも常連さんが多いようだ。結構な頻度でくるのであろうか,日替わりカレーを注文する人が多い。本日はハンバーグ&タマゴカレーで,なかなか旨そうであった。

北5西5「カレーショップI」
日替わりはカツカレーなのだが,チキンカレーを注文。お店の人は別支店より愛想が良い。カレーは甘く・辛く・塩気がキツイ。よく煮込んであるのだが,塩分の強さは「I」の特徴だろうか。

札幌駅地下「T」
APIAにあったカレー屋さん。店名が名前に付く「Tカレー」を頼むと,これがなんとも寂しい。390円とはいえ「ミニカレー」とでも言うしかない皿の小ささだ。バイトの兄ちゃんもけだるいしなあ。結構,カレーの味は悪くなかっただけに,惜しい店だ。→閉店。

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今回それなりに探してみたのだが,札幌市の中心部では,カレースタンドは5件しか見つけることができなかった(食堂はあると思うが)。寂しい事だが,滅びゆく道筋にあるのだと言うしか無いのだろう。