散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

京都紀行(2)

2007年05月18日 21時51分22秒 | 旅日記
1日目夜

四条河原町からほんの2~3分の所にあり、昼間っから開いている居酒屋「T」へ。



幸い裏口に面した明るい場所に座ることができた。まずはビール、冷やしトマト、鱧皮と夏っぽいメニューを注文。京都にきたら食べようと思っていた「きずし」(しめ鯖である)、鶏肝、おひたしも追加する。いずれも安く、酒のつまみに適正な量だ。中でもこんがり焼いてポン酢で調味した鱧皮(ふぐの皮より旨いかも)、ほろ苦くとろける鶏肝が素晴らしい。





さらに黄桜純米樽酒をもらい、よこ叩き、若竹煮を注文。「よこ」というのはマグロの子供だそうである。それを叩きにしたもので、マグロとカツオの中間味。あっさりして食べ易い。そして京都の若竹煮。これが出汁の旨さに木の芽の香りもほど良く、何とも感心させられる味だ。ラーメンにワカメが入っていると特有の臭みを感じることがあるが、これに入っているワカメからは良い風味が漂ってくる。



ええい! と最後に気になっていた鶏雑炊も注文。小さめの土鍋で助かったが、やはり素晴らしい出汁、鶏も柔らかく火が通り熱々、卵トロトロと応えられない。基本的に出汁の良さに対する安心感と、半端な材料も安く一品料理に仕上げる所(鱧皮、鶏肝など)がこの店の(京都の居酒屋の?)良さであろう。



【店内風景】


大満足で有名店「京都S」へ。名物ハイボールを注文。正直言ってなんとも緊張感の走る店であった。特にバーテンダー氏とも会話を交わさず、もう一杯ハイボール+レモンを注文して終了。



ホテル方向に戻るが、正直飲み足りない。駅近くの京洛酒場街を覗いてみるが、予想通り常連の店が多い。何か食べることができれば入っても何とかなりそうだが、残念ながら満腹なのだ。酒だけ注文するには敷居が高い。



ということで、気軽な立ち飲み「H」を発見して入店。冷や酒とえいひれを注文。周りの雰囲気を眺めているうちに胃がこなれてきて、もう一杯酒とおでんの大根。これで930円だから楽しい店だ。ちょっとコンビニで買い物をしてホテルへ。







あまり今日は歩いていない。

京都紀行(1)

2007年05月18日 16時44分10秒 | 旅日記
5月18日(金)から21日(日)まで京都に行ってきた。もちろん、相国寺の「伊藤若冲展」を見るためである。日曜日の夜遅くに帰って来た上、さらに今週の仕事が忙しかったために記事のアップが遅れてしまった。

1日目午前
18日の早朝出発。千歳空港で鮭のサンドイッチと鱈子おにぎりの朝食をとる。サンドイッチには鮭フライと鮭メンチカツがはさまれており、タルタルソースをつけて食べるとそこそこボリューム感もある。



やや予定時刻を遅れて関西空港に到着し、特急はるかで京都へ。ホームに電車が入ってきて清掃中に車内を眺めていると、電車のシートが自動的に進行方向にあわせて回るのだ。しかも、座席同士がぶつからないように1列おきに2回に分けて回転するのである。



ちょっと驚きつつも、すいた電車で快適に京都へ。京都のホテルは非常にベタな「京都タワーホテル」である。チェックインし、すぐ昼食へ。



1日目午後
三十三間堂へ向かう途中、多分割りに有名だと思われる「DA」というラーメン屋さんへ行く。



店外に少し待っている客もいたが、タイミングよくあまり待たずに店内へ。ラーメン(600円)と餃子(250円)を注文。京都のラーメンはいわゆる「京風ラーメン」とは異なり、かなり脂分の多い濃厚味のものが多いとも聞くが、ここはそこまで濃厚ではない。あっさりしたしょうゆ味だが、ちょうど適切な脂の量。薄めではあるがチャーシュー4枚。麺は少し柔らかめ(「硬め」と注文する客もいた)だが、なかなか悪くないストレート麺。また餃子が皮パリパリ、中身あつあつトロリの旨さだ。



混雑店であるが、客さばきの兄ちゃんが感心するほどのやり手である。客あしらいのよさはもちろん、変に相席でつめて座らせることなく、うまく注文から勘定までを回転させているのである。これを見ると「北海道のサービス業は・・・」という言葉も頭に浮かんでしまうなあ。

食事の後、まずは三十三間堂の拝観。ここは約千体の千手観音像もさることながら、二十八部衆がすごいのである。



■興福寺のものとも十分対決できる素晴らしさの仁王像
■風に舞う衣が華麗な大凡天王像
■腕をクロスしたファイティングポーズがカッコいい五部浄像
■中尊はさすがにこれだけの配下を従えるだけの事はある大きさ
■龍に巻きつかれて困惑しているかのような難陀龍王像
■かつてのカラフルさが伺える阿修羅像
■美形ナンバーワン帝釈天王像
■顔面がパックリ割れた(鼻の頭が頬についている)散脂大将像
■五つの目を持ち琵琶を引く摩醯首羅王像等が目を引いた。

無論、風神・雷神像もあるのだからたまらない。私としては千手観音よりもやはり二十八部衆に釘付けの結果になった。

さて、次は京都国立博物館の「藤原道長展」だ。印象に残るものをいくつか挙げよう。



■栄花物語:九州国立博物館から国宝の到来。カッキリとした正しい字が素晴らしい。
■薬師如来坐像(六波羅蜜寺):2m位の大きさか。スケールの大きい仏像。
■十一面観音立像(遍照寺):ナチュラルに美しい、たおやかなポーズ、表情も穏やか
■不動明王坐像(同聚院):道長発願の仏像で唯一現存するものらしい。お寺にいたらもっと迫力があるだろう大坐像である。
■不動明王立像(天ヶ瀬組):髪の毛がリアルサザエさん(本当に貝のサザエのようなのだ)
■笠置曼荼羅図(大和文華館):かつてあった大摩崖仏の図(推定約20m)。
何と国宝26点(展示替のため全部は見られない)の展覧会であった。

続いて、疲労を感じながらも常設展へ。
■広目天・多聞天(六波羅蜜寺):堂々たる姿のお二人。
■文殊菩薩騎獅像(金戒光明寺):巨大な獅子にまたがる文殊菩薩。常設展の一番の目玉。
■多聞天(浄瑠璃寺):色彩が素晴らしく、迫力あり。へちゃーとつぶれた邪気も愛くるしい。
■板彫両界マンダラ:細かくマンダラを浮き彫りにしている恐るべき作品。
■三彩馬:三色がまだらに溶け合い意外な美しさの傑作。
■松竹梅群鶴図(伊藤若冲):叩きつけるような鋭い筆遣い。
■郭公図(長沢芦雪):ボンヤリと浮かぶ満月に鋭い郭公の図。

やはり疲労感は増して、全部きちんとは見ることができなかった。