3日目午前
旅先で段々疲労がたまり、二日酔いもあり遅めの起床。今日の朝食バイキングでは、和食中心にしてみた。鯖を焼いたものが旨い。
京都駅を経由してぶらぶらと東寺へ。やはり仏像勢ぞろいを見物するには欠かせない寺である。
早速、講堂に入る。ここでは二十一体の仏像があるが、五大明王、中でも降三世明王の戦闘ポーズが素晴らしい。金堂へ移動すると、こちらは薬師如来像の威圧感が目立ち、その足元を支える十二神将像が大人しく見えてかわいそうである。周りを固める日光・月光像もスケール感が大きく、更にその三体の回りに大きな蓮の花の像も飾ってあるのだ。
最後に食堂(じきどう)へ。ここではかつての火災で黒コゲになった四天王像(かなり古いものらしい)に悲しみを感じてから(国宝を解除されたらしい)、宝物館へ。ここにどんな仏像があるのか知らずに来たのだが、まず巨大な千手観音像に驚愕。
これも火災から復興されたらしいが、飛び出す千手はまさに「北斗百烈拳」である。さらに全くここにあるとは気づいておらず、とても見たい仏像であった「
兜跋毘沙門天」に思いがけず出会って感激。ちょっとしたツリ目のお顔と、海外伝来と思われるカッコいい鎧(聖闘士星矢のゴールドクロスみたいだ)がとてもステキな仏像である。
次も東寺内の「観智院」で宮本武蔵の作品を見る。本物かどうか真に受けて良いのか分からないのだが、鋭い筆づかいであることは間違いない。さらにボランティアのガイドさんに話を聞きながら五大虚空菩薩像を見る。お顔がちょっと違うと思ったが、中国の仏師が作ったためらしい。
【観智院自慢の庭。石で龍・魚・船などを模しているのだ】
ここからタクシーで六波羅蜜寺に移動。どうしてもここで見たいのが「
空也上人像」である。地味な宝物館であったが、とても小さな空也上人にご対面。まさしく説法のために歩き出そうとする上人の姿であるが、それに加えて唱えた「南無阿弥陀仏」の言葉が口から仏像の姿になって出ているのだ(半開きの口から針金が飛び出ており、そこに6体の小さな仏像が載っているのだ)。奇仏好きの私が、知る限り見たいと思っていた最後の仏に満足。ありがとう空也上人。