歩く歩く歩く、汗だくになり、息切れしながら京都御所の観覧の場にたどり着く。どうも暑さ慣れしていないせいか、他の人たちは涼しい顔だが、私ひとり汗まみれで観覧開始。観光客にはやはり年配の人が多いが、恐るべき体力だ。若い人は男女比で言うと、圧倒的に女性が多い(歴女?)。
建物としては諸大夫の間→新御車寄→建礼門→承明門から見る紫宸殿→宜陽殿→清涼殿→小御所→御学問所→御常御殿と見て回る。ガイドさんがさりげなく日陰を歩いているので、その後に着いて回るが、何を案内しているのか全く記憶が無い。何しろ、小さなハンドタオルを持っているのだが、絞ると汗が落ちてしまうほどなのである。
それから残念なのは、建物の外観しか見られないツアーなので、襖絵が良く見えないことだ。せいぜい、下の写真くらいにしか見えないのである。
ということで、一回りしてグッタリ。ちょっと休憩しよう。ところで、下の写真が分かるだろうか。砂利道の一部の色が変わっているのだ。これが噂の京都御所「自転車道」である。話によると、自転車で御所を通り抜ける人は、どうもやみくもに走らずに、一定の場所を通っているようなのだ。単なる習慣なのか、御所への敬意なのかは分からない。
御所を出て、普段の私の半分の速度で歩く。とにかく一度体調を普通に戻したい。珍しく喫茶店に入り、アイスコーヒー休憩を取る。クーラーの力を借りて、次第に落ち着いてきた。さて、これからどうしようかなあ。ここが貧乏性な所で、歩いて行ける二条城に行ってみることにした。
二条城は何と言っても(91)二の丸御殿である。御殿のまわり廊下は450メートル。畳800畳という巨大空間である。見ものは以下のような感じ。
・遠侍 勅使の間:家康が豊臣秀頼を呼びつけたという場所
・式台 老中の間:障壁画は狩野探幽25歳の作とか。結構ごってりした画だ。
・四方睨みの獅子:これも探幽作。画が薄れている。
・透かし彫りの欄間:厚さ35センチの板を、両方から違う図案で透かし彫りにしたもの。
・四の間:ここにも狩野探幽の「松に鷹図」。これは自信ありげな力作だ。
ということで一周してくると、全て板張り(うぐいす張り)なだけに、足がパンパンである。まあ、私の足がへん平足でもあるからなのだが。
また体温が上昇してきて危険な雰囲気。二条城から地下鉄に乗って(普通なら歩くのだが)、四条烏丸へ。そろそろ昼食にしよう。
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この日の午前中から夕方にかけて、ギャラリー巡りを多少したので、下記にまとめて書く。
■京都御所内・市民ギャラリー:市民の写真展。
■大丸アートサロン「梅原宏夫水彩画展」
■ギャラリーヒルゲート「ふじたにたかしペン画展」「宮村長展」
■ギャリエヤマシタ「岡田豊の油彩と水彩デッサン展アフリカンヴァイブス」:アフリカの動物を描いた作品。
■ギャラリーきむら「田中得行個展」
■ギャラリーカト「京都産業大学写真部3回生春展」
■ギャラリーf「塩見和代展」:なかなかパンチのある水彩。安易に綺麗でない。
■タカシマヤアートギャラリー
■マロニエ「長谷川政弘展」:白く穴のあいた机・椅子・箱が展示会場内に配置され、黒いリンゴと砂時計がその上にある。静かなインスタレーション。
■同「黒川紳輝展」:箱を扁平にした形が中につられている。TVを裏から見たようだ。
■ギャラリー古都「溝縁ひとし展」:芸子さんの写真展
実はこの日の京都では気温が33度を越えた。そんな中、このギャラリー巡りの成果は素晴らしいものだと自画自賛できる。但し、今日はゆったりした日のはずだったが、いつもと変わらぬ全力走破となってしまった。性格は変えられない。