散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

東西線 琴似飲み

2012年03月10日 20時23分55秒 | 飲み歩き・琴似界隈
「さて、今日は東西線の琴似駅にやってきました。ここは古くからの商店街があるそうなので、素敵な飲み屋さんもあるんじゃないかと…」と、心の中で吉田類の真似をしながら、JR琴似駅方面へ歩く。琴似では知らぬ人のない(知らない人もいるとは思うが)、居酒屋「F」へ。

燗酒を注文して、通しはワカサギの南蛮漬け。



まず楽しみなのは、この店の豊富な刺身バリエーションだ。平政(博多産)、銀聖昆布締め(日高産)、生ボタン海老と生甘海老(羽幌産)を注文。



銀聖(鮭)というのはちょっと珍しいね。トロサーモンのようなベタっとした脂がなく、山わさびでシュッと美味しい。海老は身の甘さもさることながら、頭の部分にもたっぷり身と味噌が入っている。これは間違いなく新鮮さの証だろう。

次はこれも春の味、山菜天ぷら(こごみ、うど、ヒトビロ)。こごみはややぬめりのある歯触り。うどは苦みが一番ある。ヒトビロ(ギョウジャニンニク)は、ほど良い刺激のある味だ。塩で食べるもよし、山わさびにちょっとだけ醤油をかけたのも、これには結構合う。



海鮮ものからホヤ酢、金目鯛かぶと煮を注文。





金目鯛は良い味付けだ。白髪ねぎも相性が大変良い。とても大物の鯛の鯛(ヒレの骨)が取れたのだが、持って帰る途中で関節部分が外れてしまった。

酒は金滴彗星を冷やでもらう。新十津川で作られている北海道の酒。実にすっきりしていて、食事に上手く合う酒だ。

食べ物の締めは焼きおにぎり(じゃこわかめ)、ポークスペアリブ。





スペアリブはこんがり、良い具合に焼き上がっている。骨の周りも非常に美味しいが、最後に焼きおにぎりと合わせて食べると、これが「ぶた飯!」とでも呼びたくなるような、実に良い取り合わせであった。

この後は予約で満席ということで、ちょっと早めに移動(今日は込んでいる場所ばかりだ)。琴似のバー「D」へ。

1杯目は今月の再入荷からラフロイグ14年 チーフタンズを飲んでみよう。



ラフロイグの煙くささはするものの、全体的に穏やかな味。これならば、ゆっくりラフロイグの味を満喫できるだろう。2杯目はサイレントサードを注文。少し癖のあるモルト(銘柄不明)を使ってもらう。



うむ、ウィスキーの味もするし、カクテルとしてもまとまっている。これはサイドカーってマイルドすぎるよね、と言う人にもぜひお勧めしたい味だ。

本日最後はイチローズモルト・11年・ミズナラフィニッシュ。予想通り、ミズナラカスク由来のフレッシュな刺激成分が程良く感じられる一杯である。



今日は朝5時起きなので、この辺で限界。

少し気温が上がり、雪解けが進んできた札幌である。吉田類張りに一句(駄句で済みません。ちなみに、今日行った居酒屋の名前もかけてます)つぶやきつつ、帰るのであった。

「ふるさとで 縄文の夢 春めいて」

夕方の一杯

2012年03月10日 16時19分01秒 | 飲み歩き・その他札幌市内
西11丁目の「BD」へ。少し時間も余ったので、軽く一杯やっていこう。

1杯目はハイボール(190円は嬉しい)。2杯目は赤ワイン。



スモークチーズを合わせてみた。



この店、スタンディングだとチャージ無しなのだが、ほとんどのテーブルに椅子がある。混雑してくれば別なのだろうが、今の私のように一人だと、わざわざ立っているのはバカみたいだしな。できれば、椅子なしの一角を希望したい。


20120310ギャラリー巡り

2012年03月10日 16時00分43秒 | ART
本日は開拓記念館(別項)→新さっぽろ→市民→創→三越→スカイホール→さいとう→ivory→大通→富士フイルム→CAI02→資料館の12か所。

■スカイホール「TURNER AWARD入賞・入選作品展2011」。実はこれまで、あまり感心した作品のなかった賞なのだが、今回は収穫があった。
本山智香子「Locked Unlocked/閉ざされた開かれた」:段ボールで作られた家を描いた6点の連作。6角形の形に描かれており、幾何学的な感じがエッシャーを思わせる。2重制作(作ったものを描いた)の感じもあって、不思議な気持ちになる。
石井貴紀「untitled」:生物のひだにも、縄文式土器の縁のイメージにも見える、面白い作品。

■大通美術館「千展」。いつもながら大迫力。
梅木美呂「回路A」:周囲の青に爽快さを感じた。栃内忠男の作品イメージが突然頭に浮かんだ。
伝法常子「種」:枯れた種子の存在感を感じる。
吉村千加子「魚C」:オタマジャクシのような2匹の争う魚。スピード感と力強さがある。

■富士フイルム「吉川優子写真展「アモーレがいっぱい」」。全てがイタリア万歳! の訳はないが、ことごとく楽しい感じがする所が良いのではないだろうか。
「Le Porte di Burano」:16枚の扉の写真。日本とは違い、デザインがバラバラ。1枚だけガラスが入っている扉に、作者が写り込んでいるところもなかなか。

***
今日の札幌は素晴らしい快晴だ。


新さっぽろにやって来たならば

2012年03月10日 12時00分44秒 | 食べ歩き
朝は慌ただしく出かけたので、猛烈に腹が減って来た。開拓記念館から新さっぽろに戻り、ヘルシーイタリアン「SZ」へ。早くも赤ワインを注文し、つまみと合わせる。

さっぱりキャベツのピクルス。



プロシュート。まあまあ。



辛味チキン。もう少し辛くても良いかなあ…。万人向けとも言えよう。



エビと野菜のトマトクリームリゾットを初めて注文してみた。リゾットであるならば、もう少し米の歯触りを残した方が良いのだが、この店でそうすると「火が通ってない」と言う人がきっといるのだろう。



結構力を入れているらしい、オリーブオイルを少しかけてみると、フレッシュな香りがして良かった。

店を出る時には、店の前に10人程の待ち行列ができていた。さあ、ギャラリー巡りを開始しよう。

北の土偶 縄文の祈りと心

2012年03月10日 11時05分00秒 | ART
「北の土偶」展を見に行ってきた。当初はのんびり午後にでも行こうと思っていたのだが、道新の記事で激込みというのを知り、朝一で行くことにしたのだ。





新さっぽろ発9:05のバスに乗ると、開場少し前に開拓記念館に到着。程なく入場が始まった。この時点で自分より前に100人以上はいたと思うが、円滑に入場はできる。まずは感想を少し書こう。

遮光器土偶(宮城県大崎市恵比寿田遺跡):かなりの個数の遮光器土偶があり、会場人気が盛り上がっていた。作風はかなりバリエーションがあり、これは何となく飾りが古典的に見える。
土偶(青森県弘前市砂沢遺跡):弥生時代の土偶。縄文末期の雰囲気が残っているそうだ。
中空土偶(函館市著保内野遺跡):これが問題の「カックウ」。髭のあるとぼけた顔が面白い。髭と同じ表現で、へその辺りにも毛が生えているのだ。

土偶(縄文のビーナス、長野県鹿野市棚畑遺跡):こちらも国宝。ツリ目の不思議な顔。イメージとしては、弥生人の顔がツリ目に思えるのだが、縄文時代にもツリ目の土偶は多い。下半身が大きくて、出産ということが重要だったのだな、と思わせる。
合掌土偶(青森県八戸市風張遺跡):パッと見に「老人っぽい」と思ったら、出産を迎える女性の像なのだ。こちらも国宝。
土偶(東北のビーナス、山形県舟形町西ノ前遺跡):8頭身で足がシュッと長く、すそ広がり。鳥っぽい姿は、まさしくライディーンでは。

腕組土偶(福島県福島市上岡遺跡):腕のストレッチ中に見える。
仮面の女神(長野県茅野市中ッ原遺跡):こちらはロボット調の土偶だ。印象はボーグ星人、足の辺りはガンダムか。
土偶(秋田県大館市塚ノ下遺跡):目にアスファルトが埋め込まれている。本郷新っぽい作風だ。

人面付土器(青森県平内町小形遺跡):ちょっとカックウに似た顔がついているのだ。
遮光器土偶(青森県つがる市亀ヶ岡遺跡):これが一般の人がイメージする遮光器土偶である。足が一本とれているが、故意に壊した説があるらしい。
鼻曲土面(岩手県一戸町蒔前遺跡):ぐにゃっと曲がった鼻で、苦悶、神がかり、または陶酔した表情を表現したものらしい。

土偶(山梨県笛吹市上黒駒遺跡):ツリ目に三つ口で、非常に猫っぽい土偶。あまり昔だと、日本には猫がそもそもいなかったらしいので、ちょっと興味深い所だ。
ハート形土偶(群馬県東吾妻町郷原出土):これはもうアートの領域だ。

今回気がついたのは、作風(と言っていいのか)のバリエーションが豊かだということだ。何となく時代と場所が同じであれば、似たタイプの土偶ができるのかと思っていたが、かなりの違いがある。それを見ていると、個々の作家の「作風」とでも言いたくなってしまうのである。

その時代に想いを馳せると、作った人はどういう扱いだったのだろう。神器を作る人として尊敬されていたのか、アーティスト的扱いだったのか、はたまた「ごくつぶし」扱いだったのだろうか。素朴なものも多いのだが、もしかすると誰でも作って見たのかな? 但し、自分の家族の墓に供えるために、泣く泣く作っていたのかもしれない。

想像が止まらなくなる展覧会であった。



■注意事項
・朝一番で行けば、そのまま入場できたが、展示室を出る頃(10時半頃)は、既に会場に入るまで1時間待ちになっていた。
・国宝3点の前まで行くには、最前列だと入場からさらに1時間かかると思う。
・但し、最前列の後ろはかなり自由に進めるので、人の後ろから見るのであればどんどん見ていける。
・私の場合は2列目から念力をかけていたところ、国宝前のスペースがふわっと開いて、最前列で見ることができた。
 (誰よりも国宝好きだからかな?)
・会場自体は決して広くないので、観覧自体はそれほど時間がかからないかも。
・駐車場も10時半頃には満車になっていた模様。やっぱりバスで行くのがいい(バスは座れる程度の混雑)。
・それから、混雑が嫌な人は、国宝3点がレプリカになってから行けば、多分空いているのかも。
・中空土偶のレプリカは、私も余市で見たことがあるのだが、普通の人は本物と区別はつかないはず。
・東京などで本当に混雑する展覧会の経験があれば、全く大したことのない混雑である。

ショップコーナーにガチャガチャがあったので、やって見た。ハート型土偶(左)は大当たりだと思うが、弥生式土器(右)は、展覧会の趣旨からずれているのではなかろうか…。1回200円、ヴィーナス土偶も入っているらしいので、お勧め!