きょうのフィリピン魚は、ネズッポ科のイッポンテグリDactylopus dactylopus (Valenciennes)です。
イッポンテグリの特徴はなんといってもこの「指」です。英名のFingered dragonetも、学名も、みな「指」が入っています。これは腹鰭の棘と遊離軟条がくっついて、ほかの軟条から遊離したものです。ネズッポ科魚類の腹鰭は普通、1棘5軟条です。トップに掲載した個体は背鰭の先端があまり伸びていないのですが、よく伸びたものもいます。これが雄なのでしょうか??
この個体もフィリピン産。2011年5月に撮影しました。臀鰭を除く各鰭の模様が鮮やかです。イッポンテグリ属は1属2種で、もう1種Dactylopus kuiteri (Fricke)はインドネシアに分布しているようですが、よくわからない種類、イッポンテグリと同種とされたり、別種となったりしているよう。日本やフィリピンで見られるのは、イッポンテグリの方です。
日本にもたまに輸入されており、運が良ければ観賞魚店でも見ることができます。飼育については雑誌「コーラルフィッシュ」のVol.29に紹介されており、そちらを参考にされた方が良いと思います