この魚はハチビキErythrocles schlegelii (Richardson)という魚です。赤い魚で、細長い躰のため、フエダイ科のハマダイなどを彷彿とさせますが別のハチビキ科の魚になります。この個体は50cmオーバーの雄でした。長崎県産で、「活けじめ」「血ヌキ」がされています。鰓上方にある切れ込みがお分かりでしょうか。
購入はいつもの大谷さんのところ。大谷さん好みの「大きくて、鮮度がいい」よい魚です。
ハチビキ属魚類は日本には3種が知られていますが、うちハチビキが一番多いです。ハチビキの特徴は尾部の隆起線ですが、これは幼魚では不明瞭で、写真でもわかりにくいものです。一番確実なのは鰓をみることで、鰓腔後縁に2つの突起があるのが特徴で、一番確実な同定ポイントでしょう。
ハチビキは釣りや底曳網漁業で漁獲されます。赤みを帯びた肉は美しいものです。こうしてならべると、サバ科の魚の刺身のようにも見えます。食べたのははじめてですが、かなり美味しくいただけました。