今日のフィリピン魚は、フグ科のオキナワフグChelonodon patoca (Hamilton)です。
オキナワフグは、西部太平洋からインド洋に生息しているフグ科の1種です。日本では琉球列島に多い種類ですが、紀伊半島からも報告されてます。姿形はマフグやクサフグなど、トラフグ属の魚によく似ていますが、別属のものとされています。
体に小棘があり、クサフグTakifugu niphobles (Jordan and Snyder)(琉球列島では、おもに沖縄島に分布)に似ていますが、クサフグでは2つの鼻孔があるのですが、本種では見られません。また体側の斑点も、クサフグより大きいです。英名はMilkspotted pufferといいますが、Milkspotってなんでしょう。牛乳をこぼした跡、という意味でしょうか??
主にマングローブ域、その周辺の汽水域、などに普通にみられる種類です。オキナワフグ属魚類は3種が知られていますが、本種以外の2種は、南アフリカ周辺に分布しています。
▲沖縄県八重山諸島産
本種にももちろん毒があります。毒の部位は生殖腺や肝臓はもちろん、皮膚や筋肉にもおよびます。日本では不明ですが、海外では死亡例もあります。
▲ツムギハゼ
以前ご紹介しましたツムギハゼYongeichthys criniger (Valenciennes)は「スカベンジャー」で、一説によれば、本種の死骸を食べて毒を蓄積するとも言われています。また、本種とツムギハゼは色彩が似るともいわれており、擬態の一例とも言えそうです。