魚のぶろぐ

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ヨコシマサワラ

2018年09月11日 18時31分39秒 | 魚紹介

お久しぶりです。最近は姉妹サイトの方や別の仕事が忙しかったためしばらくぶろぐをお休みしてしまっていました。しかしこの度珍しい魚が手に入ったためご紹介したいと思う。スズキ目・サバ科・サワラ属のヨコシマサワラ。

ヨコシマサワラはやや南方系のサワラの仲間である。分布域は佐渡以南の日本海岸、東シナ海沿岸、高知県、琉球列島で、国外では台湾、朝鮮半島、中国、インドー西太平洋(紅海をふくむ)であり、沖縄ではサワラは本種に置き換わる。なぜか太平洋岸より日本海岸で確認されることが多いようであり、この個体も山口県の日本海岸で漁獲されたもの。このほかに島根県などでもときどきあがるらしい。

本種の特徴としては体側に細い横帯があるということ。日本に生息するサワラ属魚類で横帯を持っているのは本種のみである。海外では豪州北部の海に本種によく似た種がいる。

吻部はとがり、よく見ると鋭い歯が見える。サワラの仲間は強い歯をもち、糸を切っていくこともある。ルアー釣りの対象だが糸を切られることも多いようだ。

本種とよく勘違いされる種にカマスサワラがいる。カマスサワラも本種同様暖かい海域に生息しているが、通称「オキサワラ」ともいうように沖合をこのむ。しかしカマスサワラの体側には本種のような横帯が多数あり、しばしば混同されている。以前私が問題視した某スマホケースの「ヨコシマサワラ」も、実際にはカマスサワラであった。見分け方としてはヨコシマサワラのほうが第1背鰭棘が少ないこと(ヨコシマサワラでは15~18棘、カマスサワラでは23~28棘)、カマスサワラのほうが体や吻が細長いことなどがあげられる。カマスサワラはヨコシマサワラよりも大きく育ち、全長2.2mを超えることもある。カマスサワラについては入手したらまた詳しくご紹介したい。

サワラ属は日本には5種が知られている。本種、サワラ、ウシサワラ、タイワンサワラ、ヒラサワラである。このうちタイワンサワラやヒラサワラは東シナ海、朝鮮半島などの大陸棚に多く生息している種であり、日本ではまれである。

ウシサワラは全長2mになり、本種と同じくらいになる。しかし体側にある模様は斑点状であること(ヨコシマサワラでは横帯)、胸鰭が丸いこと(丸くない)、側線が胸鰭後上方で急に曲がることなど(側線上後方ではまっすぐ)で、ヨコシマサワラと見分けることができる(斑点以外の特徴はサワラやヒラサワラ、タイワンサワラとの識別も可能である)。このウシサワラも中国や朝鮮半島に生息しそのような地域で漁獲されることが多いのだが、高知県などでも水揚げされる。サワラも体側に薄い斑点があり(状態によって斑点が消えている個体もあるが)、少なくとも体側には横帯がないので、ヨコシマサワラとの区別は難しくはないだろう。ちなみにカマスサワラはサワラ属ではなく、カマスサワラ属の魚である。この属はカマスサワラのみの1属1種。

サワラ属はすべての種が食用になり、刺身、焼き物、煮物などさまざまな料理で食べられる。刺身は皮つきにして食べたい。そしてこの皮のついたほうをあぶっていると美味しさが増す。見た目が悪いのはご容赦ください。

尾部付近は塩焼き。これも美味であった。今回のヨコシマサワラは京都の「シーフーズ大谷」大谷 透さんより。いつもありがとうございます。


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