気が付いたらなんと一か月以上もぶろぐを更新していませんでした。ちょっと反省。この間起きたことはフウライチョウチョウウオを採集したことやめずらしい深海魚が我が家にやって来たことなどありますが、これらについてはまた今度ご紹介。今日は長崎からとどいた珍しい魚のご紹介。スズキ目・エボシダイ科・スジハナビラウオ属のスジハナビラウオ。
スジハナビラウオはまんまるな体をした薄っぺらい魚で、体側にある細い縦線が特徴的である。ただし体側の上方は若干擦れてしまっており傷が痛々しい。本種はもう少し小さいと全身が金色になり美しい。この属の魚は体が平べったく幼魚のうちは丸っこいのが多いが、成長するといくぶん細長い体になることが多い。本種は成魚でもやや丸みをおびる。ちなみにスジハナビラウオ属は三大洋の概要に生息しており、幼魚はクラゲなどについていることが多い。世界で5種が分布し、日本には本種のほか、クラゲウオ、ハナビラウオ、シマハナビラウオの4種が分布している。
日本産のスジハナビラウオ属を見分ける上でのポイントは頭部の鱗の分布である。ハナビラウオ、シマハナビラウオ、およびクラゲウオは頭部の眼後方あたりから鰓蓋上端にまで達する無鱗域があるが、スジハナビラウオにはない。このほかシマハナビラウオは体がやや細いこと、ハナビラウオは体が細長く、かつ側線鱗数が120前後と多い(スジハナビラウオでは60前後)ことで見分けることができる。このぶろぐではスジハナビラウオ属の紹介は初めてであり、ほかの種は見たことがない。ごめん。
エボシダイ科の魚は分類学的にはイボダイ亜目に含まれ、イボダイやメダイといった魚と近いとされている。これらの魚は食用魚として重要であり、メダイについては釣りの対象魚としても重要である。またこのほかにもボウズコンニャクやマナガツオといった美味な魚も含まれている。しかしながら本種はあまり漁獲されていないからなのか、食用としてはあまり知られていない。おそらくボウズコンニャクみたいに底曳網で多量に漁獲されれば食用として流通されることがあるのだろう。この属の魚は稚魚が定置網などにかかるが、飼育は難しいらしく観賞魚店はもちろん、水族館などでも見たことはない(イボダイなどは見たことがある)。
前回同科のボウズコンニャクを食べたときは焼いて食べたが、今回は刺身で食してみた。身が真っ白い。脂ものっておりかなり美味である。今回のスジハナビラウオは長崎県 印束商店の石田拓治さんより。いつもありがとうございます。
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