キダイDentex hypselosomus Bleekerです。
え?深海魚ではないの?ごめんなさい。一応、トロール漁業の魚ということで・・・。
水深150mだから、まだ深海ではないか。
漁師さんのあいだ、もしくは漁業関連の方はあまり「キダイ」といわず、「レンコダイ」と呼びます。実際に林(2000)では、キダイの解説のところにキダイ(レンコダイ)とし、別称を紹介しています。
学名について従来はDentex Tumifrons (Temminck and Schlegel)が用いられていましたが、タイプ標本をめぐる問題があり、学名が変更となりました。同時にチダイも学名が変更になっています(Iwatsuki et al. 2007)。
キダイはチダイに似ていますが、青い目立つ斑紋はなく、大きな黄色紋があります。本種は深い海に生息しており、深場の釣りやトロールなどで漁獲されます。
重要食用魚ですが、刺身にはあまりされず、焼き物などで好まれます。
水深150mの深さからトロール船によって採集されたキダイ。アカムツやマエソ、ヤナギムシガレイ、アラ、マトウダイなどの高級魚も同時に水揚げされる。
参考文献
林 公義 2000. 251.タイ科 Sparidae. Pages856-859 in 中坊徹二編 日本産魚類検索第二版. 東海大学出版会. 東京.
Y.Iwatsuki, M. Akazaki and N. Taniguchi. 2007. Review of the Species of the Genus Dentex (Perciformes: Sparidae) in the Western Pacific Defined as the D. hypselosomus complex with the Description of a New Species, Dentex abei and a Redescription of Evynnis tumifrons. Bull. Natl. Mus.Nat. Sci., Ser. A, Suppl. 1: 29-49.
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