魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マジリアイゴ

2022年06月21日 17時11分27秒 | 魚紹介

最近魚関係サイトのファクトチェックを行いたいと思う。というのも、どうしても最近の魚類関係のサイトには目に余るようなものが多数みられるためである。Youtubeの動画もそうである。あまりにもおかしな動画が多数氾濫している。もし「このサイトや動画のファクトチェックをしてほしい」という方がいたら当ぶろぐへのメールやコメントをお願いしたい。もちろん無料である。また「動画アップする前に信憑性のチェックをお願いしたい」というお問い合わせや、一緒に動画を撮影してほしいというお問い合わせも募集中。

さて、上の写真の魚はスズキ目アイゴ科アイゴ属のマジリアイゴ。もっとも、アイゴ科の魚は世界でアイゴ属しか知られていない。ただLo亜属は属として昇格するかもしれない。

マジリアイゴの色彩は黄色っぽい体で、体側には細い青い線が多数入っており、腹部の青い線は網目状になることがある(体側の青い線には変異が多くみられる)。頭部には眼を通る黒い帯が入り、まるでチョウチョウウオ科の魚のようにも見える。また英語名Masked spinefootの由来となっている。Spinefootはアイゴ類の英語名である。棘が生えた魚という意味なのだろう。一方Blue-lined rabbitfishという英語名もあり、これは体側の青い細い線にちなむ。rabbitfishもアイゴの仲間を指す英語名であり、これは顔のイメージである。一方Foxfaceという呼び名もある。これはLo亜属の呼び名で、顔がキツネのように伸びていることからきているのだろう。話を戻すと、ヒメアイゴにもマジリアイゴ同様に頭部に眼を通る帯があるが、ヒメアイゴでは胸鰭上方にも帯があるので見分けることはできる。またシルエットもヒメアイゴは丸みを帯びるのに対し、マジリアイゴはや細長い。

アイゴ科の特徴は背鰭・臀鰭・腹鰭の鰭条数がすべて同じであることがあげられる。背鰭13棘10軟条、臀鰭7棘9軟条、腹鰭が1棘3軟条1棘である。特に腹鰭の棘のならびはアイゴ科独特のものらしい。そしてよく知られているように、この鰭の棘には毒があるので、うかつに触ってはいけない。

マジリアイゴは観賞魚としてよく知られている。分布域は琉球列島、西太平洋、東インド洋(ココスキーリング)であるが、基本的にはフィリピン産のものが多く観賞魚として流通している。そのため購入するときは落ち着いた状態のものを購入するようにしたい。飼育は難しくないが、海藻を好んで食べ、サンゴをつついて食べるようなものもたまにいるためLPS水槽での飼育は避けたほうが賢明である。また、沖縄では食用魚として市場にも出る。この個体もおそらく追い込み網かなにかで漁獲されたもので、泊「いゆまち」で購入したものである。沖縄ではアイゴの仲間は比較的よく食べられている魚で、とくに「カーエー」ことゴマアイゴは釣りの対象魚としても好まれ市場にもよく出る。


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