昨日は沖縄で採集されたロクセンフエダイの話をしましたが、本日紹介するのはスズキ目・トラギス科でサンゴ礁に生息するオグロトラギスParapercis pacifica Imamura and Yoshinoです。
このオグロトラギスは2007年に新種として記載されたものです。しかし「オグロトラギス」という種自体は古くからダイヴァーやアクアリストに知られていました。この魚は島田 (2000) では P.polyophtalma (Cuvier) とされていますが、この学名はP.hexophtalma (Cuvier) の同物異名(シノニム)とされ、さらにP.hexophtalma とされたものの中には複数の未記載種がいるとされ、2007年にP.pacifica を含む3魚種が新種記載されました (Imamura and Yoshino, 2007) .
この写真の個体は雌です。本種には性的に色彩変化があり、本種では雄が体側下部に3-4の暗色目玉模様を持つのに対し、雌では6-7つの目玉模様を持つようです。また頬部に半円状、もしくはM字型の褐色斑紋をもつ (翻訳が正しければ) のに対し、雌には暗色斑紋が散らばっています。
参考文献:
Imamura H. and Yoshino T. 2007.Three New Species of the Genus Parapercis from the Western Pacific, with Redescription of Parapercis hexophtalma (Perciformes; Pinguipedidae) . Bull. Natl. Mus. Nat. Sci., Ser. A, Suppl. 1, pp. 81-100, March 22, 2007.
島田和彦, 2000. トラギス科. Pages 1059-1064 in 中坊徹二編. 日本産魚類検索第二版. 東海大学出版会, 東京.
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