魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ギンザメ

2022年10月24日 18時05分25秒 | 魚紹介

この間今漁期初の「ヘンテコ深海魚便」を購入。はじめてギンザケイワシが入っていて感動した。それと同じ箱にはいっていた深海魚。軟骨魚綱・全頭亜綱・ギンザメ目・ギンザメ科・ギンザメ属のギンザメ。

ギンザメ属の魚は世界中の深海に生息する。日本産は3ないし4種、世界的には20数種が知られている。日本産の中ではジョルダンギンザメが相模湾と東シナ海、シロブチギンザメが相模湾と八重山諸島に分布しているが、漁獲されているほとんどがギンザメである。この3種はいずれも臀鰭があり、尾鰭下葉との間に欠刻があるのが特徴。ギンザメはほかの2種とはことなり、側線が細かく波打っているので見分けられる。この科の現生のものはギンザメ属とアカギンザメ属の2属からなり、世界からは50種近く知られている。うち日本産は7種。

もう一種、ギンザメダマシというのがいる。これは側線が細かく波打っているのでギンザメに似るが、側線よりも上方に破線の横帯がある。また臀鰭もないのでギンザメと見分けられるが、見分けは簡単ではないかもしれない。この種はアカギンザメ属とされているが、海外の文献ではアカギンザメ属ではなく、ギンザメ属とされている。ただこの種は日本からの記録が少なかったが、近年相模湾や駿河湾などで漁獲されている。今後、本種が多く産するオーストラリア近海の個体群との比較研究が必要だろう。

ギンザメの背鰭。この背鰭には毒があるともいわれ、刺されないように注意する必要がある。この写真では側線が波打っている様子も観察できる。

ギンザメはあまり食用にされていないが、「フカの湯引き」の中にはギンザメ類も多少含まれるようである。ニュージーランドにはホシギンザメというアカギンザメ属の大型種がおり、それが使われるらしい。漁業者の間では「ギンブカ」と呼ばれるが、「フカ」というのは大体がサメのことを指すものの、ギンザメの仲間はサメの含まれる板鰓亜綱とはかなり縁遠い存在なので注意が必要。今回は刺身にして食べた。身にはまったく臭みがなく極めて美味しいし、軟骨魚綱なので骨も煩わしくない。一方肝は美味しくなかった。前回のアカギンザメは非常に美味しいものであったのだが、なぜだろうか。

今回も「ヘンテコ深海魚便」青山沙織さんより。いつもありがとうございます。


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