ついに8月も最終盤です。今回は以前少しこのぶろぐでも紹介した魚。ギンカガミ科・ギンカガミ属のギンカガミ。
ギンカガミは体が銀色で体はとても側扁している。体側の上方には小さな黒色斑がある。前回の個体は幼魚だったので一様に銀色、体側に斑紋はほとんどなかった。
腹鰭は5軟条からなり、最初の2本の軟条は癒合して細長くのびるのが特徴である。この仲間はアジ科に近縁なものとされている。しかしながらアジ科の特徴である、遊離した2つの棘は見られない。もちろん稜鱗(ぜんご、ぜいご)も持っていない。それどころか、体全体に鱗はない。奇妙な魚である。なお、口は大きく伸ばすことが可能である。
分布域は広く、日本では青森県以南の日本海岸、茨城県以南の太平洋岸に生息しているが、基本的には黒潮当たる太平洋岸の南部に多い魚である。海外では韓国や台湾、中国、インドー西太平洋域に生息しており、とくに東南アジアでは多く見られる魚である。底曳網や釣り、日本においては定置網などで漁獲されていて、食用にもなる。前回は愛媛県西海の定置網で漁獲されたものをいただいたのであるが、その時は標本にしたため食することはできなかった。ということで今回は初めて食すことに。アジ科だと刺身が美味しいのだが、ギンカガミは本当に薄っぺらいので、刺身にしたら食べる場所がなくなってしまいそうである。
ということで唐揚げ。事前に醤油たれに少し漬け込んでおいた。身は美味しい。風味はアジの仲間によく似ていて、やはりアジに近い仲間なんだなあ、と実感した。東南アジアでは日本よりも数が多いため重要な食用魚とされているようである。焼いて食べたり、野菜と一緒に揚げたり、蒸したりして食べられている。
今回のギンカガミは鹿児島県の田中水産 社長 田中積さんより。いつもありがとうございます。
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