小型種の多いハゼ科の魚でもとくに小さいのがベニハゼの仲間。この種はレッドブロッチドピグミーゴビーと呼ばれる種類ですが、観賞魚の世界では、レッドスポットゴビーの名で販売されます。学名はTrimma rubromaculatum Allen and Munday,1995です。
ベニハゼの仲間は種類が多く、また未記載の種もいると考えられており、種数は80種を超えるという話もあります。日本からも20種を超える種類が知られていますが、種類はさらに出てくるでしょう。観賞魚としての流通についても、sp.という扱いで流通されるものも多く、「ベニハゼsp.」で来るので何が来るのかわからないという方もいるでしょう。
その中で上であげたレッドブロッチトピグミーゴビーは、比較的流通量が多く、フィリピンなどで採集されるため安価に入手できるものといえます。
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このほかにはキャンディケインピグミーゴビーTrimma cana Winterbottom, 2004も輸入され飼育されていることが多い種といえます。私も以前に飼育したことがあり、小型ですが、日本に到着したときの状態さえよければ、飼育しやすい種類です。体側には数本の橙色の横帯があるため、キャンディを想像させるからこの英名のようです。
この種もいくつかの名前で流通しますが、だいたいキャンディゴビー、体側の横帯の色からオレンジバンデッドゴビー、なんて呼ばれていることもあります。西部太平洋の島嶼にすむようですが、観賞魚としては普通フィリピンから来るため、これも安価で入手できます。
これら2種は日本に分布しないベニハゼ属の種類ですが、フィリピンからはたまに日本にも分布するベニハゼの仲間が来たりします(メガネベニハゼ、など)。また最近は、輸送や採集方法などが丁寧な国内 (沖縄) のものも流通します。イソハゼと比べ生息する深さがやや深いので、磯採集で採集されるものはどうしても限られてしまいます。
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