魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヒトスジタマガシラ

2016年06月15日 18時03分39秒 | 魚紹介

今日は購入した珍しい魚が届きました。スズキ目イトヨリダイ科ヨコシマタマガシラ属のヒトスジタマガシラ。

イトヨリダイといえば、体がピンク色で黄色く細い縦線があり(少なくとも私のブログの読者にとっては)食用魚としてよく知られている魚であるが、ヒトスジタマガシラは灰色の地味な色彩と体側に黒い縦線が1本あるのが特徴。

一見地味なのだが、両眼を結ぶ水色と黄色のラインがきれい。

ヒトスジタマガシラの前鰓蓋には鋸のような棘があるので注意しなければならない。なお、この棘があることにより、イトヨリダイ属やキツネウオ属と区別することができるようだ。

また眼下骨に大きな棘があることで、タマガシラやアカタマガシラなどをふくむタマガシラ属の魚と区別することができるようだ。上の写真、赤い丸でしめしたのがそれである。

胸鰭基部には目立つ黒い線が入る。「魚類検索」では同定のポイントとして挙げられてはいないが、ヒメタマガシラとの区別にはある程度使えるかもしれない。またTRac、日本語で言えば背鰭棘条部中央下側線上方横列鱗数がヒトスジタマガシラでは5~6、ヒメタマガシラでは4である点も特徴のようだ。ほかヒメタマガシラでは尾鰭上葉が伸びないのも特徴とされている。

ヨコシマタマガシラの仲間はインドー西・中央太平洋に広く分布し(ハワイ諸島には産しない)、サンゴ礁域やその周辺の砂地に生息しているものが多い。このヒトスジタマガシラもサンゴ礁周辺の砂地に生息し、水中写真で撮影されることも多い。日本では今回この個体が漁獲された高知県のほか、愛媛県愛南町や琉球列島に分布する。海外では台湾、西太平洋に分布する。インド洋にも分布するといわれるが、ほかの種と混同されている可能性が高い。ただしアンダマン海やオーストラリアのインド洋沿岸にはいるらしい。

ヒトスジタマガシラは沖縄で釣れるのだが多くは全長20~30cmほど。しかしこの個体は特に大型で全長39.9cmに達していた。しかも尾鰭上葉が途中で切れるような感じでこの大きさなので本当はもっと大きいかもしれない。北方にいる魚はヒトスジタマガシラにかぎらず大きくなる傾向があるようだが、この個体もそういうものかもしれない。

今回はお刺身に。

あらの煮物。

特に刺身が美味しい。沖縄では食用魚となっていて市場にもでるようだ。今回は高知県の市場で水揚げされたもの。本州ではめったに見られないが、四国では土佐清水市以布利から愛媛県愛南まで時々水揚げされる。

最後に。こちらは愛媛県愛南町で2014年に採集された個体。


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