魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

トモメヒカリ

2022年09月22日 09時33分22秒 | 魚紹介

今日は鹿児島の深海魚のご紹介。ヒメ目・アオメエソ科・アオメエソ属のトモメヒカリ。トモメヒカリは以前にも食したことがあったのだが、ぶろぐでは紹介していなかったらしい。今回初紹介ということになる。

本種はアオメエソに似ているが別の魚である。全長30cm近くになり、手でもっていてもずっしりと重い。種標準和名アオメエソは底曳網漁業で多量に漁獲されており、東北から静岡までの太平洋岸などではパックに入って売られているが、細くて軽い感じがして、トモメヒカリとは全く別物と感じさせる。しかし、眼が緑色に光る様子は、本種がアオメエソの仲間であることの証明といえるかもしれない。本種を含むアオメエソ科は英語名でGreeneyeと呼ばれているが、この英語名の由来となっている。

尾鰭は一様に褐色で縁辺が明瞭に黒いなんていうことはない。これによりツマグロアオメエソと見分けることができる。ツマグロアオメエソは尾鰭の後縁が明瞭に黒っぽく本種とは容易に区別できるだろう。

アオメエソ科は世界でアオメエソ属とハシナガアオメエソ属の2属が知られている。アオメエソ属は本種を含め18種ほどが知られ、世界中の暖海域に分布するが、ハシナガアオメエソ属は大西洋の特産属で、種数も2種のみと少ない。また従来アオメエソ属に含まれていたモンツキアオメエソ、イトヒキアオメエソ、モンアオメエソ、ナガアオメエソを含む複数種は、現在はナガアオメエソ科と呼ばれる別科とされている。土佐湾などで見られるが、まだ標本を一度しか得ておらず、もう一度入手したいところである。

どのアオメエソ科魚類もそうなのだが、いずれも深海性種で底曳網漁業などにより漁獲される。本種は水深180~900mを超える場所で見られるが、本種は鹿児島で操業される深海エビ漁により漁獲されたものとみられ、水深200~300mほどで漁獲されたのではないかと思われる。場所は詳細には聞き忘れたが、川内沖か、錦江湾のように思われる。

アオメエソの仲間は意外と用途が広く、唐揚げ、天ぷら、フライ、干物、新鮮なものはお刺身と様々な料理につかうことができる。トモメヒカリのような大型種は八幡浜では開いて一夜干しにしたものを売っていたが、今回はフライにして食べた。白身で癖はなく、小骨はあるが骨ごと美味しく食べることができる。

このトモメヒカリは鹿児島魚市場の田中水産 田中積さんより。いつもありがとうございます。


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