昨年戸田までいって購入した「ヘンテコ深海魚便」の魚をいろいろ紹介してきたが、この種類だけ紹介できていなかったのでご紹介。スズキ目・ホウボウ科・キホウボウ属のハナナガソコホウボウである。
ホウボウ科の魚はキホウボウ科魚類と比べると吻棘が短く不明瞭なものが多いが、このソコホウボウ属魚類は大きく明瞭な吻棘をそなえているものがいる。このハナナガソコホウボウも同様に非常に長い吻棘を有している。後側頭棘が非常に長く目立っているが、これは幼魚時代の特徴らしい。この特徴はこの間日本からも記録されたミナミソコホウボウとも共通している。ミナミソコホウボウ属はミナミソコホウボウのみからなるようだが、正直別属にするべきかは再考の余地があるだろう。
ソコホウボウ属は日本から7種類が知られているが、このほかに標本を所有しているのはこのぶろぐでも紹介してきたソコホウボウと、オニソコホウボウのみである。戸田でのトロール漁業においてはバケソコホウボウがたまに漁獲されるようだがまだ私は見ていない。ほか、日本にはリュウキュウソコホウボウ、ヒメソコホウボウ、ウロコソコホウボウが知られているが、ソコホウボウ属で食用になるのは比較的よく漁獲され、市場にもでているソコホウボウ、オニソコホウボウくらいで、ほかはあまり食用になっていない、というかなかなかお目にかかれない。基本的には底曳網で漁獲されるが、琉球列島においてはオニソコホウボウが深場の釣り漁や延縄などによって漁獲されることがある。
今回のハナナガソコホウボウは「ヘンテコ深海魚便」青山沙織さんより。いつもありがとうございます。
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