今日の「魚を食べる」記事はアジ科のツムブリElagatis bipinnulata (Quoy and Gaimard)です。
ツムブリはアジ科の仲間です。しかし側線上の陵鱗、いわゆるゼンゴの部分がないことが特徴です。このほか背鰭の棘間が鰭膜でつながり、コバンアジやイケカツオの仲間とも区別できます。本種の場合、背鰭の棘がやや低いため、なかなか気づきにくいかもしれません。
ブリ属やアイブリ属と決定的に違うのが、この尾柄部でしょう。ツムブリでは、この2属にはない小離鰭を有しています。マアジ属とムロアジ属の関係に似ていますね。ブリモドキ属は、このほかに背鰭棘が鰭膜でつながらないことによって区別されます。
ツムブリは英語圏ではレインボーランナー、と呼ばれております。その名のとおり、体側の鮮やかな、青い縦帯が特徴です。この個体は底曳網で漁獲されたのか、少し網によるすれが目立ちます。しかし、鮮度良好で、この個体のように見栄えがイマイチ、良くなくても問題はありません。
ツムブリのお刺身。ツムブリは、ゲームフィッシュとして、磯からルアー釣り、あるいは船からの釣りで狙うことができます。漁業としては定置網や刺し網、釣りなどで漁獲されます。肉は桃色で、かなりおいしいです。脂は養殖されているブリやカンパチほどはのっていませんが、ぎとっとしたようなものではなく、それがこの魚の味を際立たせているかもしれません。
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