昨日はバケスミクイウオをご紹介したので、本家スミクイウオも久しぶりにご紹介。スミクイウオはスミクイウオ属で、この間紹介したヒメスミクイウオ属も従来はこの科のなかに入れられていた。科はホタルジャコ科、もしくは独立させたスミクイウオ科。ホタルジャコ科の多くの魚と同様小型な魚で全長20cmくらいである。本来は一様に黒っぽい体をしているのであるが、この個体は鱗がはげてしまっているのでこのような白っぽい体である。
前回の記事でも全く同じ画像をご紹介したが、腹鰭棘の前縁に小さな鋸歯状にならず、ヒメスミクイウオ属と見分けることができる。臀鰭棘は2本で、これもスミクイウオの特徴であり、ヒメスミクイウオ属も臀鰭棘が2本のものがほとんどであるが、昨日紹介したバケスミクイウオという例外な種もいる。なお、スミクイウオ属は世界で2種類が知られ、東アフリカからハワイ諸島に分布する本種と、西大西洋から東大西洋に分布するSynagrops bellus (Goode and Bean, 1896)の2種である。
このスミクイウオは現地(戸田)では「むつ」と称されているようだ。水揚げの時に立ち会っていた地元のおばあちゃんがそう呼んでいた。小さい魚なのであまり1尾1尾に値段がつけにくい。しかし実際に塩焼きにしたら非常に美味しい魚である。スミクイウオを食べたのは11年ぶりくらいであるが、やっぱり美味しい魚だと感じた。
今回のスミクイウオも沼津市戸田の青山沙織さん「ヘンテコ深海魚便」より。いつもありがとうございます。
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