鈴木明子のフリー、凄かった。
中野友加里との点差はわずかに0.17。だが、演技の空気は全然違う。4分間のマリアは、初めから最後まで観客の前で、観客と共に生き抜いた。演技が終わった瞬間、「点数なんかどうでもいい!」と思ったのは、鈴木選手も観客も同じだったんじゃないだろうか。これは、点が取れる取れないにかかわらず、世界に見せたいプログラムだ。
中野友加里の「火の鳥」は、静かに燃えていた。美しくて、力強かった。ただ、「ジゼル」で観客と共有できた何かが「火の鳥」では見つけられないまま、全日本まで終わってしまった・・・
日本スケート連盟が出した選考基準に、
<5 世界選手権大会代表選手選考基準
今年度は、オリンピックと同様の選考方法とする。ただし、オリンピック代表選手選考基準の③については、派遣選手の振り分け等を総合的に考慮することもあるので、オリンピックの代表選考の結果とは別の結論になることもあり得る。>
“別の結論”が出た。
バンクーバーオリンピックには、「ウェストサイドストーリー」をひっさげて鈴木が行く。トリノの世界選手権は「火の鳥」中野。北米とヨーロッパ、会場の違いも見据えた選択かもしれない。
その前に、四大陸に二人そろって出る。四大陸でそれぞれ何かをつかんで、世界の舞台に立ってほしい。
真央らしく?と思ってた浅田真央の「鐘」は、ようやく本来の姿を見せてくれた、らしい。今日のところは、人生に悩む若者の叫び、みたいな印象。って、今シーズンの真央ちゃんの心の動きを見てるだけか^^;
オリンピックで観客の心にどんな風景を描けるか。何かが鮮やかに浮かんできたとき、キム・ヨナやジョアニー・ロシェットにはない強さを示せるんじゃないだろうか。それを真央ちゃんも四大陸で必ず見つけてほしい。
案の定、「私、滑っていいんですか?」状態で始まった村上佳菜子の演技。スタートの位置取りで手間取って、思わず苦笑。最初のジャンプは抜けてしまい、スローリプレーで「あっ」とか言ってるのが見えた(笑) しかし、1本決まったらあとは踊る踊る。音とぴったり合った振付を、バッチリこなす表現力。ジャンプの準備とか、ただ滑るところの姿勢が美しいのがいい。あとはしっかり、世界ジュニアで勝ってこい!
観戦疲れ