フィギュアスケート・四大陸選手権2017、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
レスリー・マンチョク・イップ(香港) SP:52.86(21) FS:93.88(22) 合計:146.74(22)
「Etudes Vol 2, No. 16」「Tirol Concerto for Piano and Orchestra: II」♪ クリーム色のシャツ。ストリーミング間に合わなくて最後のほうしか見られなかったけど、転倒が3回あったようで。
アンドリュー・ドッズ(オーストラリア) SP:60.17(19) FS:101.88(21) 合計:162.05(20)
「ワルソーコンチェルト」♪ ワインカラー。フィギュアではよく使われる曲で、丁寧に滑る。冒頭の3回転ルッツで転倒したが、フリップ・トウ3-2やフリップ・トウ・ループ3-2-2を入れた。大きく8の字を描くイーグルやイナバウアーなど、スケーティングムーブメントはなかなかきれい。
マイカ・タン(湯銘恩)(台湾) SP:46.41(24) FS:89.38(24) 合計:135.79(24)
「The Drift」「Tolercance」♪ 白と茶のツートン。ダブルアクセルから入り、ルッツが2回転になったが3回転トウループをつける。フライングスピンに入ろうとして失敗してしまった ジャンプが決まるたびに小さくガッツポーズしてる?! 懸命に最後まで滑った、という感じ。
マーク・ウェブスター(オーストラリア) SP:54.92(20) FS:105.11(20) 合計:160.03(21)
「I'm Not the Only One」「Say Something」♪ グレーシャツに黒ベスト。アクセルが1回転になったりルッツが2回転になったり、、、でもフリーはシーズンベスト。
カイシャン・チュウ(マレーシア) SP:47.38(23) FS:91.08(23) 合計:138.46(23)
「Slow Dancing in the Big City」♪ 黒と青。ダブルアクセルから入り、ルッツ・ループ3-3頑張る(ループは回転不足)。両手をついたり転倒もあり、後半はルッツが2回転、ダブルアクセルには1回転トウループ+1回転ループをつけたが、気は心?! これから伸びていけるかな。
チーイー・ツァオ(曹志禕)(台湾) SP:51.02(22) FS:118.61(19) 合計:169.63(19)
「アディオス・ノニーノ」アストル・ピアソラ♪ 黒に赤をあしらう。冒頭にトリプルアクセルに挑んだが転倒。サルコウ・トウ3-3、フリップ・トウ・ループ3-2-2などを決める。3回転ループの転倒が悔しい スピン、ステップを丁寧に、タンゴらしいポーズを随所に入れた。
フリー技術点64点を超え、世界選手権ミニマムテクニカルスコアをクリア。
<G2>
ナム・ニュエン(カナダ) SP:72.99(13) FS:164.09(7) 合計:237.08(8)
ガーシュウィン「パリのアメリカ人」♪ 白シャツにほどいたボウタイ。4回転トウループ跳んだ!サルコウは転倒、2本目は2回転トウループ+2回転ループをつけられた。深く沈み込んでからのトリプルアクセルだけど、まあ成功はできる。ほかの3回転もまとめて、いい演技になった。
イ・シヒョン(韓国) SP:65.40(17) FS:130.32(17) 合計:195.72(16)
「Take Me to Church」「From Eden」♪ ブルー。ストリーミング不調で未見。ループ・ループ3-3に挑んだが、どちらも回転不足だったようだ。
マイケル・クリスチャン・マルティネス(フィリピン) SP:72.47(14) FS:141.68(14) 合計:214.15(14)
「ネッラ・ファンタジア」♪ ストリーミング失敗で、最後のビールマンしか見てない トリプルアクセル2本下りられたようでよかった。
ジュリアン・ジージエ・イー(マレーシア) SP:72.21(15) FS:130.46(16) 合計:202.67(15)
「It's a Man's World」「Get It On」「I Feel Good」ジェームス・ブラウン♪ 黒のタートルネック。トリプルアクセル+2回転トウループ+2回転ループ、頑張った! フリップ「・トウ3-3はセカンドぎりぎり?と思ったらダウングレード。2本目のトリプルアクセルは転倒してしまったが、ほかの3回転はきっちり。ノリノリのコレオとステップでばりばり踊った。
キム・ジンソ(韓国) SP:64.26(18) FS:130.79(15) 合計:195.05(17)
「雨に唄えば」♪ Yシャツにベストに赤いタイ。地元の声援にのって、名曲を軽やかに楽しんで滑る。4回転に挑戦、転倒。ルッツ・トウ3-3、トリプルアクセルは膝を深く曲げて頑張る。歌詞と音に振付のポーズをうまくはめながら、ミュージカルの世界を表現。世界選手権で、より完成した形を見たい。
イ・ジュンヒョン(韓国) SP:67.55(16) FS:120.03(18) 合計:187.58(18)
「ムーラン・ルージュ」♪ 黒にグレーのレース。最初のトリプルアクセルで転倒したが、ループ・トウ3-2やフリップ・トウ3-3をこらえる。ダブルアクセルから3連続コンビネーションでステップアウトしたあたりは、もう少し頑張りたいところ。
「ロクサーヌのタンゴ」に変わるところから、情熱的な雰囲気を出せていた。技術点では、回転不足とルッツのエッジエラーが痛い。
<G3>
田中刑事 SP:77.55(11) FS:142.63(13) 合計:220.18(13)
フェリーニ・メドレー♪ 黒のストライプにピンクの指し色。4回転サルコウ、不発・・・1本は3回転に、2本目も2回転に トリプルアクセル2本は入ったが、フリップも1本2回転に。若干体の動きが硬かったような 終盤のコレオでようやくいつもの刑事になったか。
ケヴィン・レイノルズ(カナダ) SP:76.36(12) FS:145.95(12) 合計:222.31(12)
「グランドピアノ」♪ 白に黒ベスト。壮大なピアノとオーケストラの曲で。冒頭のジャンプは3回転に、次の4回転トウループで転倒。しかし4回転トウループ、2本のトリプルアクセルは着氷して、後半ルッツ・トウ3-3やフリップ・トウ3-3でまとめる。
美しい姿勢のキャメルなんかは見ていて気持ちいいが、プログラムとしては少し単調だったかも。
ブレンダン・ケリー(オーストラリア) SP:78.11(10) FS:149.28(11) 合計:227.39(11)
「パイレーツ・オブ・カリビアン」♪ 紫、肩から斜めにリボン。4回転サルコウ、鮮やか! 次は4回転トウループを跳ぼうとして3回転になったような^^; トリプルアクセルに両手上げ2回転トウループをつける。トリプルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウもちょっと乱れたけど頑張った。
シーズンベストが出せて、全体にまとまってたかな。
ジェイソン・ブラウン(アメリカ) SP:80.77(9) FS:165.08(6) 合計:245.85(6)
「ピアノ・レッスン」より「愛の香気」♪ 黒。ゆったりと、滑る姿そのものを見せていく。トリプルアクセル+2回転トウループ、トリプルアクセルと序盤はうまく跳んだ。絶品のキャメルスピン、ため息が出る。
4回転がないので、ジャンプを後半に集める。フリップ・トウ3-3や単独ルッツはきれいに入ったが、アクセルが1回転になったり、ループで手をついたりとパーフェクトではなかった。
すべてに意味がある独創的な動き、指先から足先まで、ひたすらに美しい。
ミーシャ・ジー(ウズベキスタン) SP:81.85(8) FS:157.56(8) 合計:239.41(7)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」♪ 白に金糸。バレエらしいポーズから、じっくりと滑り出す。慎重にトリプルアクセル、入った!2本目は+1回転ループ+3回転サルコウで、決まった! 全てのジャンプをしっかりと跳びながら、間の動きはバレエらしく端正に。終盤のコレオシークエンスにエネルギーをぶつけて、舞台いっぱいに踊った。
トータルで自己ベスト。
グラント・ホクスタイン(アメリカ) SP:81.94(7) FS:153.78(9) 合計:235.72(9)
レオンカヴァッロ「道化師」♪ 赤。最初にトウ・トウ4-2、手をついたけどこらえた。トリプルアクセルは1本転倒、1本1回転になってしまったが、3回転ジャンプを丁寧に決めて調子を取り戻し、舞台役者の仕草がはまる。長距離イーグルから苦悩の表情を見せるコレオがいい。
<G4>
金博洋(Boyang JIN)(中国) SP:91.33(4) FS:176.08(5) 合計:267.51(5)
「道」♪ 白黒、赤黒白の縞々。いきなりルッツ・トウ4-3、来た! 4回転サルコウはちょっとステップアウト。4回転ループに挑んだが転倒。後半にトリプルアクセル2本をコンビネーションで決めたのは大きい。
途中のコミカルな寸劇風の振付、ドラマチックにステップとプログラムとしても盛り上げた。
パトリック・チャン(カナダ) SP:88.46(5) FS:179.52(4) 合計:267.98(4)
「A Journey」エリック・ラドフォード♪ 紫からグレー。ペア選手のラドフォードがチャンのために書いた曲で。鳥が水面を滑るように、すっとグライドしていくスケート。トウ・トウ4-3、鮮やかに決まった! トリプルアクセルも問題なし。4回転サルコウ、2本目の4回転トウループで転倒。
力任せではない、なめらかなスケートが生み出す動きは、フィギュア技術の粋。
閻涵(Han YAN)(中国) SP:84.08(6) FS:151.37(10) 合計:235.45(10)
「ロミオとジュリエット」♪ 黒。トリプルアクセルで両手をつき、4回転トウループはステップアウト。2本目の4回転トウループは2回転トウループとコンビネーションできれいに決まった。得意のはずのトリプルアクセル、2本目が1回転に 3回転は跳び上がってから回り始めるのでカッコいいんだけど。
いったん曲が盛り上がってから、スローな曲調に戻ってステップシークエンスで終わるのが、ちょっと蛇足な感じ
宇野昌磨 SP:100.28(2) 187.77(3) 288.05(3)
「ブエノスアイレス午前0時」「ロコへのバラード」♪ 黒に赤。足元でパーカッションの音を取りながら、びしっとポーズを作りながら動き出す。4回転ループ決まった!フリップ、トウループも2本 しかしトリプルアクセルが2本とも転倒で
次第にテンポアップするステップの迫力、滑りそのものの緩急。ぞくぞくする。
羽生結弦 SP:97.04(3) FS:206.67(1) 合計:303.71(2)
「Hope & Legacy」久石譲♪ 静かに位置につく。4回転ループ、決まった! 4回転サルコウ、見事! 優しい音そのままのステップから、3回転フリップ。サルコウが2回転に しかし4回転行った! トリプルアクセル+3回転トウループ、4回転トウループに2回転トウループをつける。
ハイドロ、イナバウアーのコレオから、次はルッツのはずが、トリプルアクセル! その手があったか
驚異のリカバリーを、繊細なスケーティングの中でやりとげてしまった。すごい。
ネイサン・チェン(アメリカ) SP:103.12(1) FS:204.34(2) 合計:307.46(1)
ボロディン「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」♪ 赤に金。得意のルッツ・トウ4-3、見事! フリップ、サルコウ、トウループと4回転を跳びまくる。トリプルアクセルは少しオーバーターンしたが2回転トウループx2をつけた(最後の2回転トウループは3つ目になってしまい無効に)。
表現は型どおりという感じだけど、おろそかにはしていない。アップテンポのステップで盛り上げてフィニッシュ。
技術点115.48 勝ち切った
結果、ネイサン・チェン初出場で初優勝 2位羽生、3位宇野。なぜか四大陸では勝ててない羽生、3度目の出場でようやく表彰台に乗った宇野。
4位パトリック・チャン、5位金博洋、6位ジェイソン・ブラウン。7位ミーシャ・ジーは四大陸で最高順位。8ナム・ニュエン、9位ホクスタイン、10位閻涵。田中刑事は13位だった。
見応えのある大会だったが、選手たちは世界選手権にむけて、ますます燃えてきているだろう。ここにヨーロッパ勢が加わって、凄まじい戦いになりそう。今からドキドキ