フィギュアスケート・グランプリシリーズ2019第3戦フランス杯、女子フリー(ジャッジスコア)。
<前半>
ニコル・ショット(ドイツ) SP:54.43(10) FS:112.46(6) 合計:166.89(7)
「カンフー・パンダ」「グリーン・デスティニー」「Geisha」♪ ワインカラーにゴールド。きびきびと動き出し、3フリップはステップアウト。2本目は+2トウ、3ループもオーバーターン入ったが2ループをつける。丁寧なステップに続けてきれいに3ループ、後半3サルコウ+2トウ+1トウも入った。
コレオはもう少し盛り上げたいところ。滑って跳んでではなく、いい構成。
マリア・ソツコワ(ロシア) SP:50.38(11) FS:94.51(11) 合計:144.89(11)
「I Put a Spell On You」「Fifty Shades of Grey」♪ 黒にシルバー。ジャンプで苦しんでいるのを観客も知っているので、冒頭の2アクセル+3トウを下りるうと大拍手。3ループもまとめる。3フリップ、3ループと転倒が続いたが、後半3フリップ+2トウ(ここで初めて片手上げ)+1ループを下りた。
常に片手を上げて跳んでいた彼女が、ほぼ手を上げることなく跳ぶようになった。軸の作り方を一からやり直しているところかもしれない。美しいスパイラル、妖艶なムードを出すステップはよかった。
レア・セルナ(フランス) SP:62.43(8) FS:103.59(8) 合計:166.02(8)
「ゲーム・オブ・スローンズ」♪ 薄紫。登場のときコーチのブライアン・ジュベールが映って拍手。3ルッツ+3トウ、3フリップ+2トウ+2ループと頑張る。ルッツがダブルになったが、あとで3フリップに2トウをつけられた。終盤3サルコウと2アクセルで乱れたのがもったいない。
大きな変化がない曲調で少し単調だが、スピードがあるのはいい。最後ビールマンスピンに持っていけた。
白岩優奈 SP:63.12(7) FS:98.59(10) 合計:161.71(9)
「To Warum the World」「The Bishop's Complaint/The Train Ⅱ」「The Train Ⅲ」♪ ベージュに赤。3ルッツになんとか2トウをつけ、3ループも下りたが3フリップ転倒。2本目の2アクセル転倒 しかし3サルコウにオイラー+2サルコウをつけ、2本目の3ループに2トウをつけてリカバリー。
全体にしなやかな動きでステップも表現豊かだった。回転不足が5つは厳しい・・・
マエ=ベレニス・メイテ(フランス) SP:56.35(9) FS:101.10(9) 合計:157.45(10)
「Hometown Glory」アデル♪ 紫。大歓声の中、2アクセル+3トウをしっかり高さを出して決める。3ルッツは少し傾いたが2トウをつけた。3フリップ、3ループと転倒したが、幅のある2アクセルはきれい。最後の3サルコウ+2トウは3トウに挑んだように見えたが、2トウと判定されて3回目として無効になってしまった。
情感豊かで雄大な表現は相変わらずの風格。
<後半>
坂本花織 SP:64.08(6) FS:135.16(4) 合計:199.24(4)
「マトリックス」♪ 黒。日本語の声援も聞こえる中、緊張した出ていったが、素晴らしい飛距離の2アクセルが決まると波に乗った。3フリップ+3トウ、3ルッツ、立て続け。しっかりエッジを使ったステップはレベル4.後半3ループ+2トウ、2アクセル+3トウ+2トウ片手上げ、文句なし。例の大きく反るポーズから、膝曲げイーグル連続のコレオ、3ループも決まってノーミス
終わって両拳をぎゅっと胸の前に、飛び跳ねた。しかし得点は、、、ルッツのエッジエラー、サルコウとループで回転不足。これは今後の課題になりそう。
スター・アンドリュース(アメリカ) SP:66.59(4) FS:113.95(5) 合計:180.54(5)
「Salome's Dance of the Seven Veils」♪ ブルー系。たっぷり時間を使ってスパイラルやイーグルのコレオから、最初のジャンプは3トウ+3トウ。転倒やパンクがあったが、決まるジャンプはシャープ。元気いっぱい
樋口新葉 SP:64.78(5) FS:109.34 合計:174.12(6)
「ポエタ」♪ 紫に赤。鮮やかな2アクセルから、3ルッツはいい勢いだったが転倒。3サルコウはきれいだがループで2回転に。2アクセル+3トウがぎりぎり(やはり回転不足)、最後に3ルッツ+2トウを下りた。
情熱的だけど所作がしっかりしたステップは、成長を感じた。
アリーナ・ザギトワ(ロシア) SP:74.24(2) FS:141.82(3) 合計:216.06(2)
「クレオパトラ」♪ 黒とゴールドにカラーストーン。冒頭の3ルッツはまさかの乱れだったが、2アクセル+3トウ両手上げを決めれば落ち着く。後半3ルッツ+3ループ、3フリップ+片手上げ2トウ+両手上げ2ループなど隙なし。さすが、後半に全部のジャンプを跳べていただけある。
大きなスパイラル、エキゾチックな振付のステップも盛り上がった。しかし得点が伸びきらなかったのは、回転不足4つが痛かったか。
アリョーナ・コストルナヤ(ロシア) SP:76.55(1) FS:159.45(1) 合計:236.00(1)
「The meadow」「Eye on Fire」「Supermassive Black Hole」♪ 紫に黒と赤。さらっと3アクセル+片手上げ2トウを跳び、滑らかなターンから3アクセル スパイラルポーズから3ループ、後半には3フリップ+3トウ、3フリップ+オイラー+3サルコウの高さが凄い。
最後の曲では観客を誘惑するような表情で弾けて踊る。とにかくスケーティングが滑らかで、つなぎもカクカクしたところがないので美しい。高得点
マライア・ベル(アメリカ) SP:70.25(3) FS:142.64(2) 合計:212.89(3)
「Hallelujah」KDラング♪ ラベンダーから紫。スピードにのって3フリップ+3トウを下りると、3ループも3サルコウも2アクセルもスムーズ。ステップの一歩がよく伸びて、しっかりレベル4を獲得。後半も3フリップ+2トウ+2ループ、3ルッツ+2トウ、足を高く上げてからそのまま3ルッツ、最後までノーミス
大きなスパイラルのコレオでは幸せそうに微笑んで、終わると両拳を突き上げた。自己ベスト大幅更新 フリーは2位でザギトワを上回った。
結果、SPのリードをさらに大きく広げてコストルナヤが優勝、2位ザギトワ、3位ベルは2016年スケートアメリカ以来のGPシリーズ表彰台。坂本花織がスケートアメリカに続いて4位、5位アンドリュース、樋口新葉が6位。地元フランス勢はセルナの7位が最高で、白岩優奈は9位だった。
テレビ朝日は今放送中
フィギュアスケート・グランプリシリーズ2019第3戦フランス杯、アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。
<前半>
マリー=ジャド・ローリオ/ロマン・ルギャク(フランス) RD:63.42(9) FD:102.86(8) 合計:166.28(8)
「Histoire Sans Paroles」「En Pleine Face」「Dixie」♪ 山吹色、クリーム色シャツにサスペンダー。おでこをくっつけてスタンバイ ツイズルは男性がレベルを落としてしまったが、肩に逆さまに乗せるカーブリフトから横抱きにしてステーショナリーリフトが見事。曲がアップテンポに変わるところで軽快にコレオステップ。最後のリフトはおんぶみたいな姿勢がユニーク。
アリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィシウス(リトアニア) RD:60.99
(10) FD:100.74(9) 合計:161.73(10)
「Churchyard」「It Happened Quiet」「Soft Universe」♪ グレー系のシースルー。跪いた男性の背中に乗ってスタート。キャッチフットのステーショナリーリフトから、流れのいいツイズル。ローテ―ショナルリフトからぐっと盛り上がってストップ、リスタートの演出。勢いのあるコレオで手拍子、ブレードを持つスピニングムーブメント、ダイナミックなスライディングで盛り上がった。
ジュリア・ワグレ/ピエール・スーケ=バシージュ(フランス) RD:63.55(8) FD:98.44(10) 合計:161.99(9)
「Cornerstone」「The People and I」「Nemesis」♪ 紫、黒。男性が片足を水平に上げた上に乗せるステーショナリーリフト、難しそう 女性がスプリット姿勢から膝に乗るリフト、左右対称の動きをするコレオも良かった。
コーチはトルコ代表だったアルペル・ウチャル。
ナタリア・カリゼク/マクシム・スポディリエフ(ポーランド) RD:74.19(6) FD:109.23(6) 合計:183.42(6)
「ダーティ・ダンシング」♪ 白Tピンクスカート、黒ランニング。かつてフランスのカップルが得意としたナンバー。ぐるっと1回転してからのストレートラインリフト、ツイズルの間にはスピニングの動きも。ステーショナリーリフトは男性がほぼ両腕を伸ばしての難しいホールド。コレオの途中で曲がアップテンポに、溌溂と踊る。
クラシック系が得意なイメージだったけど、こんなポップなのもいいかも。
カロラーヌ・スシース/シェーン・フィーラス(カナダ) RD:68.61(7) FD:107.19(7) 合計:175.80(7)
「It's Not Unusual」「Without Love」「Sex Bomb」♪ 薄茶にゴールドストーン、黒ジャケ。スピードにのってワンフットステップから。ツイズルはそろってレベル4が取れた。片手で引っ張り合うスライディング、女性の片足を男性の肩に乗せて逆さまにホールドするステーショナリーリフトが大胆 ボーカルのサビで膝上立ちリフトから高速回転のリフト、曲とぴったり。曲が変わって互いに誘惑し合うような振付コレオ、さらに大胆なスピニングでフィニッシュ。
気づかなかったけど、衣装の一部の落下があったようで、1点減点されていた。
<後半>
ティファニー・ザゴルスキ/ジョナサン・ゲレイロ(ロシア) RD:75.05(5) FD:109.39(5) 合計:184.44(5)
「Survivor」♪ 赤、黒。女性が男性の首に足をかけて1回転してから立つリフト、背中に跳び乗って逆さまになるリフトなど、アクロバティックな動きが得意。スピード感を保ってラストは足の間だけホールドのコレオリフト。
減点1はスライディングで転倒と見做されたため。
オリヴィア・スマート/アドリアン・ディアス(スペイン) RD:76.09(4) FD:112.09(4) 合計:188.18(4)
「Micmacs a tire-largot」♪ 水色のお姫様風、白Tに紺のつなぎ。超!低姿勢の膝上に乗るステーショナリーリフトは終わりに肩上にちょこんと座る。ペアのデススパイラルみたいな雰囲気になるスピニングはアピールたっぷり。ペアスピンではシット姿勢で女性が足を高く上げてキャッチフット、そのままアップライトに立ち上がる。ピエロがジャグリングするような、からくり人形みたいな振付のコレオ、めっちゃ可愛い
こちらもスライディングで転倒扱いになり1点減点
シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) RD:79.65(3) FD:123.69(3) 合計:203.34(3)
「Space Oddity」「Life on Mars」♪ 白、黒。女性が片手を男性の膝に当てるステーショナリーリフトは宙に浮いているかのよう。雄大なワンフットステップ、ツイズルもぴったり。リフト中の女性の姿勢が美しい。腕を組みながらのスライディングなど、どれも水準が高く見事だった。
自己ベスト更新
ガブリエラ・パパダキス/ギョーム・シゼロン(フランス) RD:88.69(1) FD:133.55(1) 合計:222.24(1)
「Danny」「Find Me」「Suspects」♪ 黒のシースルー。どのリフトも男性が女性の体を自在に翻弄しているかのようで、女性の姿勢が完璧なコントロール。一歩ごとのグライドの大きいこと 重なるようにハイドロ、男性の靴上に乗って重なるイーグル。
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ) RD:80.69(2) FD:124.15(2) 合計:204.84(2)
「Egyptian Snake Dance」♪ ゴールドにカラーストーン、カーキ。オリエンタルな曲調で、カーブリフトの連続など個性的な構成。技術エレメントとつなぎがシームレスで、ひたすら楽しんでしまった。男性の伸ばした足の上に女性が海老ぞり姿勢でフィニッシュ。シーズンベスト更新
結果、予定通り(?!)パパダキス/シゼロンが優勝、2位チョック/ベイツ、3位ギニャール/ファブリ、200点越え。4位スマート/ディアス、5位ザゴルスキ/ゲレイロ、6位カリゼク/スポディリエフ、この3組は180点台。自己ベストは180点台を持つ地元フランスのローリオ/ルギャクは8位といまいちだった。
ちなみに、10組中5組がデュブレイユ/ローゾン/アグノエルに指導を受けるチーム
このあと、日本時間の3時から女子フリー。起きていられるかな 優奈ちゃん花織ちゃん新葉ちゃん、がんばれ~