フィギュアスケート・ユースオリンピック2020ローザンヌ、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
アーレット・レヴァンディ(エストニア) SP:49.87(13) FS:104.78(11) 合計:154.65(12)
「アランフエス協奏曲」「マラゲーニャ」♪ 赤。3ルッツ+2トウ、3ループなど、決まったジャンプはなかなかきれい。ギターの音色とよく合うステップ。コーチがお母さん、よく似てる。
ニキータ・コヴァレンコ(イスラエル) SP:44.71(15) FS:87.41(15) 合計:132.12(15)
「Love of My Life」「Don't Stop Me Now」クイーン♪ 黒。まだジャンプは締めきれないところが多いが、ステップは躍動感あり。
リーアム・カペイキス(アメリカ) SP:49.57(14) FS:112.02(9) 合計:161.59(10)
「レ・ミゼラブル」♪ 白シャツ、青チェックベスト。3フリップ+3トウをきれいに決めてスタート、ルッツは2回転になったが2トウをつける。後半2アクセル+3トウ+2トウが決まり、「民衆の歌」でステップの後、さりげなく2アクセルを決めたのもよかった。
マッテオ・ナルボーネ(イタリア) SP:53.01(12) FS:91.63(14) 合計:144.64(14)
「The Prince of Egypt」♪ ターコイズブルーとブラウン。予定と変えたジャンプがいくつか、3回転予定のルッツが2回転になったが、結局それなりに跳べたような 3ループが比較的得意らしい。いかにも細い14歳。
キス&クライにはヴァレンティナ・マルケイも。
フランソワ・ピトー(フランス) SP:53.02(12) FS:101.02(12) 合計:154.04(13)
「Time」♪ 薄いグレーのグラデーション。3アクセル予定は3ループに変えて成功。3ルッツはなんとかこらえる。3トウ+2トウは安定。後半2アクセル+オイラー+2サルコウも頑張る。予定とはずいぶん変えてきたが
スピンも丁寧だった。
<G2>
陳昱東(チェン・ユードン、CHEN Yudong) SP:57.31(10) FS:127.29(6) 合計:184.60(6)
「トリスタンとイゾルデ」♪ 濃青に黒。3ルッツ+3トウを鮮やかに決めて入る。スピードがあって滑らかなスケーティングで、ジャンプ全体に高さがある。3アクセル以上はまだないが、後半3サルコウ+2トウ+2ループまでノーミスで通した。
金博洋の同じ年ごろに比べたら、表現もそれなりに出来ている 終わってガッツポーズ 得点に笑顔。
ノア・ボデンスタイン(スイス) SP:60.56(9) FS:116.36(7) 合計:176.92(7)
「Desert(シルク・ド・ソレイユより)」♪ 白ブラウス。地元の大歓声を受けて登場。ジャンプ前後のスピードは抑え気味だが、全部のジャンプを着氷 3フリップ+2トウ、3ルッツ、3サルコウ+オイラー+3サルコウ等々。彼も予定とはかなり変えているが、跳べるものを跳べばいいのだ
最後のシットスピンから立ち上がって終わった瞬間、ほっとした笑顔になった。
アンドレイ・コクラ(ウクライナ) SP:62.48(6) FS:109.20(10) 合計:171.68(9)
「Il Casanova」「The King's Birthday」♪ 文字を書いたベージュの上に透ける白。3アクセル、決まった! 2本目は3トウをつけたがステップアウト。3ループ+2トウはきれい。
所作を音にはめるのが上手く、自然と会場の手拍子を誘っていた。動きがしなやかでいい。
ダニエル・ムラゼク(チェコ) SP:60.66(8) FS:96.32(13) 合計:156.98(11)
パガニーニ「狂詩曲24番」♪ 白から黒のグラデーション。冒頭の3サルコウ+3トウで転倒、3ルッツも転倒、2ルッツ(予定通り)+2トウでも転倒。それでも後半の3サルコウ+2トウを下りると拍手、残り2本の2アクセルも跳びきった。
ジャンプはミスが続いたけど、スピード感はある。キス&クライでは泣きそうな顔 コーチのパヴェル・カシュカが慰める。
ニコライ・メモラ(イタリア) SP:62.18(7) FS:114.37(8) 合計:176.55(8)
「Angels and Demons」♪ 黒に赤。3アクセルは回避したが、3ルッツ+3トウを決めて波にのり、2アクセル+オイラー+3サルコウと順調。後半3ルッツで惜しい転倒。
スピンの手の位置や動きでもちゃんと曲を表現する意識がある。腕から指までが細長く、表情豊か
こちらもヴァレンティナ・マルケイが迎える。
<G3>
アレクサ・ラキッチ(カナダ) SP:70.96(4) FS:134.27(4) 合計:205.23(4)
ラフマニノフ・メドレー♪ 紫系。3ルッツ+3トウを余裕で決め、アクセルは2回転にした。3ループは少しオーバーターンしたが、3ルッツ、3フリップ+2トウ+2ループ、3サルコウ+3トウとしっかり跳んだ。
スピンではビールマンも 終盤のステップは協奏曲の有名なメロディで。会場はもっと盛り上がってもよかったのでは?
得点にはコーチのほうが大喜び
チャ・ヨンヒュン(韓国) SP:69.61(5) FS:129.51(5) 合計:199.12(5)
「Minnie the Moocher」♪ 黒シャツに白ジャケとパンツ。スムーズな3ルッツ+3トウから、アクセルは2回転に、3フリップはこらえる。アクセルでパンクしたが、次をオイラー+3サルコウでリカバリー、最後のジャンプも3ループ+2アクセルのシークエンスにできた。
キャメルスピンの姿勢がきれい。よく練られた振付をしっかり曲に合わせて見せ、ステップの動きもよく音に合っていた。
ダニール・サムソノフ(ロシア) SP:76.62(2) FS:138.59(3) 合計:215.21(3)
「Per Te」ジョシュ・グローバン🎵 白に透ける黒。冒頭のアクセルがパンクしたが、さすがの4ルッツは見事。2本目の3アクセルで転倒。さっそく3フリップ+オイラー+3サルコウでリカバリーする。
4回転をやるせいなのか? 3ルッツ予定が2回転に。しかし3フリップ+3トウなど最後まで頑張る。
滑りと所作の美しさは14歳とは思えない完成度。当地では人気No.1のようだ。トップに立ってメダルは確定したが・・・
アンドレイ・モザリョフ(ロシア) SP:79.72(1) FS:158.22(2) 合計:237.94(2)
「Lost in Blue」「My Own Paradise」「In This Shirt」♪ 黒の襟元と裾に紫。見事な4トウ+3トウ、4トウと決めてきたが、3アクセルは傾いて転倒。2本目はオーバーターンしたがなんとか2トウをつける。3ルッツ+オイラー+3サルコウもきれい。
きっちりと姿勢を決めるスピン、シットスピンの途中でジャンプを入れても乱れない強さがある。
鍵山優真 SP:72.76(3) FS:166.41(1) 合計:239.17(1)
「タッカー」♪ ピン、と音が鳴った瞬間にはっと目を見開いて動き出す。冒頭の4トウは軽くオーバーターンして単独に。2つ目のジャンプは3ループに、2本目の4トウは+2トウでばっちり。
3アクセル+オイラー+2サルコウもなんとか。生き生きとステップを大きな動きで、後半3フリップ+3トウも大きく、3ルッツ、最後の最後に3アクセル
元気よく回るスピンの間にもう拍手喝采。終わって両腕を突き上げた。
キス&クライでは、観客も高得点を期待する手拍子。得点が出てから順位を確認するまで時間がかかっていたが、優勝とわかった瞬間にコーチとそろって両手を上げ、また顔を覆って喜んだ。コーチは嬉し涙
SPのときYouTubeのチャットコメントで「Shunはどうして出ないんだ」みたいな書き込みがいくつかあった。つい先月のトリノで優勝した佐藤駿ではなく、4位だった鍵山優真が1枠に選ばれたのが納得いかなかったようだったが、このフリーで納得してもらえたかな
結果、優勝は鍵山優真、2016年山本草太に続く日本勢連覇、2位モザリョフ、3位サムソノフと実力者が表彰台に。4位ラキッチ、5位チャ・ヨンヒュン、6位陳昱東とアジア勢も健闘した。
席数はそれほど多くない会場だが、観客はほぼ満員で盛り上がっている。ユースだけどオリンピックと楽しんでいるようだ。
明日はアイスダンス・フリーと女子フリー。吉田唄菜/西山真瑚が夜8時半すぎ、河辺愛菜が0時半すぎに登場予定。みんな頑張れ~~~