フィギュアスケート・全米選手権、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
ウィリアム・ハバート SP:69.11(13) FS:126.76(12) 合計:195.87(12)
黒T。3アクセル1本はやや乱れ、1本は2トウをつけた。クリーンなジャンプは少なかったが、ノリのいい曲で元気よく踊り、第1滑走として会場をしっかり温めたかな。
ライアン・ダンク SP:67.15(14) FS:132.30(11) 合計:199.45(11)
「イオ・チ・サロ」♪ 臙脂。きれいな2アクセルから入り、3ループ、3フリップ+オイラー+3サルコウ、3ルッツなどを決めた。「全体に硬い」と解説・杉田秀男さん。
ゆったりした曲を丁寧に表現しようとする意識は感じられた。
ジュンス・キム SP:60.13(15) FS:116.90(15) 合計:177.03(15)
黒に青系。しっとりした曲で柔らかく滑り出し、2アクセルから。3ルッツ+3トウがきれいに決まったが、3フリップは転倒。ステップシークエンスから続いて3サルコウ+2トウ。後半は少しミスが出たが、SPよりは全体に良かった。
ここでホール・オブ・フェイムに入る人の表彰。キミー・マイズナー、メリル・デービス&チャーリー・ホワイト、名前が聞き取れなかったがコーチの人が表彰された。
<G2>
ジミー・マー SP:71.54(12) FS:122.31(13) 合計:193.85(13)
「ブルース・フォー・クルック」♪ 黒シャツ。この曲はもうアジア系男子お気に入りという感じ 4回転予定のトウは2回転に。冒頭のアクセルも2回転になったが、2本目のアクセル3回転は頑張った。3ルッツ2本は決めてきたが、3フリップをほぼ完全に下りたところで、エッジが引っ掛かったような転倒
ブルースのムードをよく表現したステップ、悪くない
ディン・トラン SP:71.86(11) FS:149.02(8) 合計:220.88(8)
「シャーロック・ホームズ」♪ 白Yシャツにベスト。冒頭に3アクセルを鮮やかに決める。3ルッツ+3トウ、3フリップと安定して、後半もループでステップアウトした以外はしっかり下りた。
ジャンプもスケーティングも、わりとオーソドックスで姿勢がよく、好感が持てる。高得点に大喜び
ジョーダン・モウラー SP:71.87(10) FS:119.38(14) 合計:191.25(14)
「Adagio in G minor」♪ 冒頭のアクセルが1回転に。3フリップ+3トウはこらえる。後半に3アクセルに挑んで転倒。姿勢はきれいなんだけど「訴えるものがない」と解説・杉田さん。まあ、そう言われれば
カムデン・プルキネン SP:79.19(7) FS:156.89(7) 合計:236.08(7)
「ラスト・エンペラー」♪ ブルーのキモノ風。最初の4トウ、入った!3アクセルはこらえる。3ループも膝を深く折って耐え、後半3アクセル+3トウも頑張ったが、ルッツで抜けてしまった。
ジャンプが全体に必死な感じで ステップやコレオでもう少し盛り上げられるとよかったんだけど。曲は彼のルックスによく合ってるが
ショーン・ラビット SP:77.71(8) FS:135.75(9) 合計:213.46(9)
「Espanga Cani」♪ 黒Vネックにストーン。スピードに乗って3フリップ+3トウ、2アクセルと続ける。ルッツで手をついたりフリップで転倒したりとノーミスにはならなかったが、後半3サルコウ+3トウ頑張った。
スパニッシュの曲を生き生きと演じて観客を引き込む。一つ一つのポジションをくっきりと見せるスピンで締めくくり。
キス&クライでは「日本のアイスショー出たい」と日本語で。営業しちゃってます(笑)
ヤロスラフ・パニオット SP:77.10(9) FS:132.69(10) 合計:209.79(10)
タキシード風。4フリップ挑戦、少し乱れた。4トウ+2トウ、決まる。ややつまったが3アクセルも着氷。両手上げ3ルッツ+オイラー+3サルコウもなんとか。
「ゴッドファーザー」などを使った曲だが、滑って跳んで以外はあまり何もしてない感じ。「スピードがない」「滑りに伸びがない」と杉田さん。終わって足を引きずるような場面もあり、痛めていたのかも。
<G3>
ヴィンセント・ジョウ SP:94.82(4) FS:180.41(4) 合計:275.23(4)
「Cloud Atlas」♪ ブルー系の絞り。4サルコウをきちっと下りると、両手上げ3ルッツ、3フリップ、3アクセル+3トウとまとめる。後半3アクセル、両手上げ3ルッツ+オイラー+3サルコウも下りた。
練習時間があまり取れない中、4回転は1本にして確実なジャンプで構成。それをやりきって成功 前半のスピード感とスローパートのステップがいい対比。
キス&クライでは木下グループのジャージ
アレクセイ・クラスノジョン SP:80.71(6) FS:160.61(6) 合計:241.32(6)
「Fahrenheit 452」「Interview with a Vampire」「Dracula」「Archangel」♪ 黒に赤を少し。ジュニア時代から跳んでいる4ループを決めた 3アクセル+3トウを下り、2本目の3アクセルは両手をついた。ステップシークエンスの後に3フリップ+3ループも入る。さらに3ルッツ+2トウ+2ループ、攻めた構成。
終盤のコレオはスピードにのって激しく表現。充実のプログラムで、終わって氷にキス
トモキ・ヒワタシ(樋渡知樹) SP:94.21(5) FS:183.87(3) 合計:278.08(3)
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」♪ 白黒に赤青。4トウ+3トウ、4トウ、3アクセル+2トウと序盤のジャンプを集中して決める。細かい所作で人形の動きを入れるステップ、後半3アクセルが入る。さらに3ルッツ+オイラー+3フリップ。高いバレエジャンプやクリムキンイーグルのコレオでは手拍子をもらい、さらに3ループ、スピンの最後は片手ビールマン。
完璧な演技ができた
アンドリュー・トーガシェフ SP:97.87(3) FS:162.77(5) 合計:260.64(5)
プッチーニ「トスカ」♪ ワインカラー、髪はオールバックにして。冒頭の4サルコウは転倒したが、4トウ+2トウが入る。3アクセルで痛そうな転倒 それでも3ルッツ+オイラー+3サルコウ、後半3フリップ+3トウと頑張る。
プログラムの最後に、曲の盛り上がりと同調する表現豊かなステップ、空中キックやスライディングも入って、情熱的 樋渡とはまた違うクラシックな良さ。
ネイサン・チェン SP:114.13(1) FS:216.04(1) 合計:330.17(1)
エルトン・ジョン「ロケットマン」メドレー♪ 黄色に白い雲が浮いているようなカットソー、右腕に蛍光ワッペン。4フリップ+3トウ、4サルコウは少しこらえ気味だが問題なく、4トウ+オイラー+3サルコウは軽くステップアウト。3アクセルも安定。
しっかりレベル4を取れるステップの後、もう一つ4トウ、最後は3フリップ+3トウ。余裕を持ってノリノリのコレオ、本人も楽しくて仕方がない
ジェイソン・ブラウン SP:100.99(2) FS:191.89(2) 合計:292.88(2)
「シンドラーのリスト」♪ グレー。滑らかな3アクセル+両手上げ2トウが決まって、もう彼の世界に。4トウはちょっとフリーレッグをついたが着氷。単独3アクセルもスムーズ。3ルッツ+オイラー+3サルコウも雄大に、3フリップ+3トウと問題ない。全てのジャンプを下りた。
後半有名なメロディが出てくるところで、一文字に足を高く上げたスパイラルのコレオ、涙が出そう。他の選手がコレオにとっておくイナバウアーなどのムーブメントを、彼はそのへんのトランジションにさらっと入れてくる。
ただ浸っていたいステップ、高く足を上げるキャメルで締めくくると、氷に突っ伏した。素晴らしい・・・
得点を見て涙ぐむ。トロントに移る決断は間違っていなかった
結果、優勝はもちろんネイサン・チェン、2位に最高の演技をしてくれたブラウン、3位に樋渡知樹 4位ヴィンセント・ジョウ、5位トーガシェフ、6位クラスノジョン、7位プルキネンとなった。
表彰式に登場のときバレエジャンプを見せた樋渡くん。プレゼンターにはジョニー・ウィアーも
エキシビションもすぐ始まるらしいが、テレビで見られないので(放送は2月)このへんで。