フィギュアスケート・全米選手権2022、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
ミッチェル・フライス SP:66.07
「Unchained Melody」♪ 白とグレー。2アクセル、3ルッツ+3トウ、3ループとまずまずのジャンプ。コンビネーションスピンの最後はヘアカッター姿勢も見せた。
ポール・ヨン SP:60.01
「Break My Heart Again」♪ 赤紫。初出場。ペア経験もあるそうで、スケートのインストラクターもしているとか。ターンからの2アクセル、少し着氷が乱れた。3ルッツ+2トウ、後半3フリップを下りる。「パワーのスケート」と解説・杉田秀男さん。ステップが丁寧な感じ。
セバスチャン・パヤネット SP:48.52
「Power」♪ グレーのカットソー。2アクセルはうまくいったが、ルッツ2回転、フリップ2回転で付けたのも2トウ。決まったらきれいだろうと思う、バランスのいい体型なんだけど、ちょっとジャンプははまらず。
ステップの中で一瞬止まってピボットとか、スピンを終えた瞬間に止まるフィニッシュとか、面白いところも。働きながらのスケーターだそう。
リーアム・カペイキス SP:73.77
「ラ・マンチャの男」♪ クリーム色ブラウスに紺ボレロ。イーグルから3アクセル、きれいに決まった 3ルッツ+3トウ、セカンドがちょっとぎりぎりだったか。キャメルスピンで足を換えた後にかなりよろけてしまった 後半3フリップはばっちり。
ステップは気持ちよく、バタフライやイーグルを入れて。本人的には満足の出来らしくガッツポーズ。
<G2>
ディン・トラン SP:71.18
「Malaguena de Lucuoca」♪ 赤に黒ストーン。パコ・デ・ルシアのギターに乗って、3アクセルは高かったが危ない着氷。3ルッツ+2トウ、やや乱れる。3フリップは悪くない。
スピンの姿勢はわりときちんとしている。ステップでスペインらしさを出そうと頑張っていた。
イリア・マリニン SP:103.46
「ビリー・ジーン」♪ 黒革ジャケ風。軸の細い4ルッツ、「立派ですね~」と解説・杉田さんが感嘆 イーグルから4トウ+両手上げ3トウ、後半ターンから3アクセルも軽々。キャメルスピンは高く足を上げる柔軟性を見せ、シットスピンの回転も速い。ステップは笑顔を浮かべながらニースライドも織り込んで、高速のコンビネーションスピンをびたっと止めてフィニッシュ。
もちろんスタンディングオベーション 凄い点が出た。
ジェイソン・ブラウン SP:100.84
「シナーマン」ニーナ・シモン♪ 黒系。静かに待って動き出した瞬間に彼の世界。高さと流れの見事な3フリップ、余裕のある3アクセル。3ルッツ+3トウも楽々と。一瞬も目が離せない豊かなステップ、バレエジャンプを下りてすぐスタイラスなど、彼のスケーティング技術が全て表現となって溢れる。
ポジションの確かさ、チェンジの速さ、スピンも惚れ惚れする。完璧にやりきった
カムデン・プルキネン SP:90.16
「ムーラン・ルージュ」より「Come What May」♪ 白に少し水色のシャツ。冒頭の4トウ、高い! 3アクセルもスムーズ。3ルッツでオーバーターンしたが、頑張って3トウをつけた。
指先や腕でよく表現しながら、しっかり動いて気持ちが乗っているステップ。ミスなくまとめて嬉しそう。「癖のない滑り」と杉田さん。
アルトゥール・ドミトリエフ SP:62.40
「Tricky Tricky」♪ 黒に赤ライン。ロシアで活躍した選手が、アメリカに移ってきて初出場。冒頭に4ループに挑んだが両手をついた。3ルッツ+3トウは着氷で少しよろけた。3アクセルはうまく下りる。前半に3つのジャンプを跳んでしまった。
ちょっとコミカルな振付が入るステップ、スピンは安定感がある。ラストは投げキッス
<G3>
ジミー・マー SP:91.62
「ブラック・スワン」♪ 白にグレーのVネック。4トウ+3トウ、跳び上がった瞬間に杉田さんが「いいね~」と言ったほど、素晴らしいジャンプ。3ルッツ鮮やか、3アクセルも見事 スピンに入るフライングも高い。白鳥になりきってステップ、ニースライドからそのままシットスピンでフィニッシュ、力強く拳を握った。俺はやったぜ
こんなに跳べるようになるとは 滑りもとても滑らかになった。
ヤロスラフ・パニオット SP:88.68
「Boogie Shoes」「You Should Be Dancing」♪ 赤シャツ。4トウ+3トウ、上手くこらえて下りた。3アクセルも入り、後半両手上げ3ルッツもきれいに決まる。
止まってくるくる回転したり、ディスコらしい振付があったり、観客の心をとらえる。KC&サンシャインバンドにビージーズ、これぞアメリカ!の選曲。ミスなく気持ちよく終わって嬉しそう
振付のミーシャ・ジーがキス&クライに。
ネイサン・チェン SP:115.39
「ラ・ボエーム」♪ 黒ジャケ。4フリップ、びしっと。3アクセル、大きく流れはしないがしっかり下りる。後半4ルッツ+3トウを決める。
スピンの各姿勢も一つ一つきっちりやり、つなぎの動きもかなり気持ちが入っていた。この曲のほうが表現がよくなる感じ。
ライアン・ダンク SP:65.66
ジョージ・ウィンストン・メドレー♪ ブルーのグラデーション。両手上げ3ルッツを決めたが、3アクセル惜しい転倒。ステップはじっくり見せる。右手で左フリーレッグを仰向けにキャッチするキャメルスピンのポジションが面白い。後半3ループ+3ループを跳んだ
「滑りが重い」と杉田さん。
ヴィンセント・ジョウ SP:112.78
「Vincent(Starry Starry Night)」ジョシュ・グローバン♪ グレー。高さのある4ルッツ+3トウ、滑らかな4サルコウ ターンからの3アクセル、「難しい入り方ですよ」と杉田さん。
ステップも一歩がしなやかに伸びる。スピンの足を換えるときのジャンプがきれい。終わってほっとしたような顔。
キス&クライでは木下グループのジャージ 得点に大喜び。
個人的にはネイサン・チェンよりヴィンセント・ジョウのプログラムのほうが好き
結果、自己ベストでネイサン・チェンがトップに立ち、2位ヴィンセント・ジョウ、3位イリア・マリニン、4位ジェイソン・ブラウン、ここまで100点越え。5位ジミー・マー、6位プルキネンも90点を越えた。
ちなみにマリニンは、世界選手権のミニマムテクニカルスコアをクリアしていないが、オリンピックのミニマムは四大陸と同じなのでクリアしている。フリーを終わって3位をキープしていたら、ジェイソン・ブラウンを差し置いて五輪代表に選ばれるか?
注目のフリーは、日本時間だと今夜 深夜2時15分から。