全米選手権2022男子フリーのレビューで、「17歳のマリニンはオリンピック出場に必要なミニマムテクニカルスコアを持っているので、五輪代表に選ばれそう」と書いたが、実際には選ばれず、ジェイソン・ブラウンが選出された。
ちゃんと規定に沿って検討の上で決定したようで
イリア・マリニン、ジェイソン・ブラウンの2人共Group 3に相当するそうな。
マリニンは国際大会では今季ジュニアを中心に戦っていた。ジュニアグランプリシリーズで2大会優勝、ファイナルに進出。シニアはチャレンジャーシリーズ・オーストリア杯に出て3位。シーズンベストはジュニアグランプリシリーズのもの。オーストリア杯ではSP13位(67.58点)からフリー2位(154.97点)で総合3位(227.57点)となった。
一方ブラウンは、グランプリシリーズ3位と2位でファイナル進出、チャレンジャーシリーズ・フィンランディア杯の優勝もある。スコアも平均していて、出来不出来の差がない。昨季の全米、世界選手権の両方で実績を上げている。
こうして見ると、今回のマリニン君は確かに素晴らしかったが、“まぐれ”でないという保証がなかった。そして本人のほぼ最高難度の構成でジャンプを跳んでいるので、さすがにこれ以上伸ばせるところがない。演技構成点は国内大会ほど高い点は見込めない。
ジェイソンは、フリーの4サルコウで立てれば5点、レベルを取りこぼしたスピンで4が取れれば1点は積めるし、演技構成点は国際大会でも常に高得点をもらっている。
結局、今季のマリニンは評価の対象になるシニアの大会が少なすぎた。17歳になったばかりだし、これから世界選手権やグランプリシリーズで経験を積んで、次の五輪の頃にはエースになるんだろう
ジェイソン・ブラウンは2014年ソチ五輪に続いて2度目の出場となる。彼の魂を揺さぶるような演技をオリンピックで見られると思うと、嬉しい